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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

株式会社IBJ 代表取締役社長 石坂茂

世の中の「結婚したい」というニーズに応えたい ■プロフィール 1971年東京都浅草生まれ。株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入行。2001年、株式会社ブライダルネット代表取締役社長に就任。2006年、株式会社IBJ代表取締役社長に就任。日本の深刻な人口減少問題に対して、IBJから成婚カップルを生み出すことで、直接的に人口増加へ寄与し、2027年までに日本の成婚組数の5%(25,000組)創出を目指す。 昨年、1万組を超えるカップルの結婚を導いた株式会社IBJ。お客様のニーズに応えることがやりがいと事業の拡大につながると語るのが、同社の石坂茂社長だ。コロナ禍でも減少することがなかった世の中の「結婚したい」というニーズに応え続ける、成婚数NO1*で業界トップを走るIBJを創るまでの過程とその思いに迫った。 ■ラクロスを通じてチームワークを学んだ東大生時代 小さい頃から体を動かすことが好きで、学生時代は部活の毎日でした。大学入学後、ラクロス部に入部しました。ラクロスを選んだのは、当時ラクロスがまだ日本に入って間もない競技だったので、他の大学に勝てると思ったから。ラクロスはチーム競技。チームで目標を成し遂げることの大切さを学びあったからこそ、今でも仲間とは良い関係を保っています。部活ばかりで限られた人とだけ深く関わる生活だったので、もし、今あの頃に戻ったら、多くの人と交流しながらも、自分にしかできないことに積極的に取り組むと思います。あと、経済の勉強にもう少し力を入れておけば良かったですね。 ■日本興業銀行に入行後、IT化に興味を持ち退職 新卒で就活をした際は多くの先輩に会って話を聞きました。まさに「人」で会社選びをしたと言っても過言ではありません。話を聞いた中でも、特に感銘を受けたのが「日本興業銀行」です。経済成長に大きく貢献し、社会や世の中に影響を与える会社の姿勢に胸を打たれ、入行を決めました。日本興業銀行には刺激を受ける魅力的な人が多く、居心地も良かったのですが、仕事を始めて五年ほど経った頃に日本でITやインターネットが急激に普及してきました。新たな技術を経験したい思いと新しいことに挑戦して自分を奮い立てたいとの思いから銀行を辞めることにしました。もともと実家は浅草の下町で商売をする家系だったので、その血が流れていたからこそ起業することに躊躇がなかったのかもしれません。 ■ニッチな婚活市場を発掘。結婚情報サービスの提供を決意 起業するにあたり、将来的にインターネットと掛け合わせたサービスをやりたいと思っていました。ただ、実際にどんな事業にするべきか悩みましたね。物販だと既存の生産ラインの借入や在庫を持つリスクもある・・・それは嫌でした。なので、負債やリスクが比較的少ない情報課金ビジネスを、小さく始めて大きくしていきたいと思っていました。不動産や人材業などは、すでに大きな会社があり競合が多く負けてしまう可能性があると考え、ニッチな分野でNo1になる方が自分には向いていると思っていた矢先、結婚市場にたどり着きました。その頃、出会い系掲示板は存在していたのですが、「出会い」をサービスとしてきちんと提供している企業はありませんでした。そこで、結婚したい人にターゲットを絞ってインターネット結婚情報サービスを提供する会社を設立しようと決意しました。 ■IT×結婚で、全く新しい婚活サービスを生む 当時行われていた結婚紹介は、紙のプロフィールをコピーして仲人さんが個人のネットワークで紹介を行うことが主流で、とても不便でした。今思えば、情報管理という点において怖いですよね(笑)。 そこで、インターネットを活用し、日本初の「結婚を目的とした人」のマッチングサイトを始めました。婚活にITを導入する事業ということ自体が画期的でしたが、情報交換が簡単になり、情報セキュリティレベルも確実に上がりました。また、お見合いパーティー事業では実際に店舗へ行かないとどんな人が参加しているのか分からないという問題があったので、事前にクレジットカード決済を行い、全員の本人確認をすることで、事前情報と実際のギャップが生まれないシステムを整えました。今となっては当たり前になったクレジットカード登録による本人確認ですが、日本で早くから導入したのは弊社だと思います。それによりお客様には、より安心感をもっていただけるサービスになりました。 ■問題点を洗い出し、データ化で改善 しかし、今度は「出会いはするが、交際に繋がらない」という声を聞くようになり、結婚紹介のプロである仲人さんの力を借りようと考えました。実際にお話を伺うと、仲人さんは結婚までのお世話は得意でしたが、集客は苦手ということが分かりました。 そこで、仲人さんのお仕事をもっと効率化したいと考え、全国の結婚相談所を取りまとめるネットワークやシステムを作ることにしたのです。最初は、インターネットを使った結婚相談所のプラットフォームを作ると言っても全く理解されませんでした。仲人さんは高齢の方が多く、パソコンを使うという発想もなかったと思います。 そのため、サービスが出来上がるまでに何十人もの方に連絡を取って、会いに行き話を聞くことで理解を深めたり、仲人さん向けのパソコンの勉強会などを開催したり。その積み重ねで徐々にサービスが浸透し、加盟店を増やすことができました。お見合いパーティーだけで会社が成長しても、お客様の結婚というニーズが叶わないと意味がないと思いますし、真摯にお客様の声に向き合い、受け止めることこそ事業の発展に繋がっていくと感じました。 仕事のやりがいとしては、やはり結婚カップルが生まれることですね。IBJは売上だけではなく、成婚=結婚がどれだけ実現できるかを重視しています。また、現場にも定期的に行くようにし、スタッフから直接意見や要望をきくこともありますし、IBJの成婚メソッドを私自身が直接指導することもあります。できる限り、一つひとつの声に耳に傾けることを代表になった今でも大切にしています。 ■message 私たちとお客様との関係は契約関係ではありますが、そこには信頼関係が必要で、お客様へ愛情のアウトプットをすることが大切だと考えています。そして、アウトプットのためにはインプットが必要です。だからこそ、周りから愛された経験がある人、誰に対しても興味関心があり、愛情深い人柄を持つ人と働けたらと考えています。そんな人でいるためには、ポジティブで明るく笑顔で過ごして欲しいですね。そうすれば、「なんかこの人面白そう」とか「明るくていいな」と思われる機会が増え、運を引き寄せることができると思います。また、そうして生まれる出会いを大切に、ぜひ新しい交流をしてください。 大学生の皆さんは、日常生活をただ繰り返しているだけだと限られた人としか会っていないと思います。自分がいつも生きている世界や人とは異なる出会いを面倒くさがらずに大事にして、自分が話したことのない人と接点を持ち、新たな思考を知って欲しいです。 *日本マーケティングリサーチ機構 2022年1月調べ_IBJ日本結婚相談所連盟登録会員に関する調査(成婚数:2021年実績、会員数:2021年12月末時点、大手結婚相談所・連盟を対象) 学生新聞オンライン取材2022年7月11日 東洋大学3年 濱穂乃香

学生新聞インターン

医療法人社団因幡会 理事長 林 昭利

歯の寿命を延ばせば人生も伸びる。人生に直結する仕事 ■プロフィール 1973年鳥取県生まれ。2001年、明海大学歯学部卒業後、医療法人社団弘進会宮田歯科入社。2003年、医療法人社団裕正会汐留シティセンター歯科入社、2005年裕正会理事に。2010年医療法人社団因幡会を設立。2007年因幡会グループCEOに。厚生労働省認定研修指導医。アメリカ歯周病学会会員。国際インプラント学会指導医。  東京、埼玉、神奈川と首都圏で8店舗歯科医を開業している因幡会理事長の林昭利先生。歯医者だけでなく開業のコンサルティングやそうめん屋まで幅広い分野で活躍。どのような想いで患者さんやお客様と関っているのか、新しいビジネスへ挑戦し続ける理由、そして仕事にかける思いについて伺った。 ■人の人生に携わる仕事  高校時代はラグビー部に所属し、大学からはアメフトに入部しました。高校と大学時代の部活はとてもハードで、この経験が今の私を構築している部分も多いと思います。この頃の練習を思い返すと、今、どんなつらいことがあっても「たいしたことないな」と思えます(笑)。意外と知られていませんが、アメフトは知力のスポーツです。頭を使えば、強いチームにも勝てる。部活を通じて、考え続けることや、頭を使い続けて道筋を生み出すことを学べました。 大学は歯学部に進んだので、自然な流れで歯医者になりましたが、今にして思えば自分にとって天職だと感じています。歯医者は一枚のレントゲンから瞬時に見極めて患者をコンサルしなければなりません。それには問題を判別する力だけでなく患者さんに対する話術や人間性が必要になり、それで信頼を得る仕事だと思います。一方で、歯医者はその人の人生を左右する仕事で、歯の寿命を延ばせば、人生の寿命を延ばすことに直結します。だからこそ人生100年時代と言われている今、120年くらいは歯の需要をもたせなければなりません。現在の日本では自分の歯の疾患に気づいていない潜在患者が多く、その患者さんたちを顕在化できれば歯の需要を伸ばし、健康寿命も伸ばせると考えています。施術した患者さんから、10年後や20年後に「あの先生で施術してもらえてよかった」といわれるのは本当にうれしいですね。 ■一番大切なのは人  因幡会は国家資格の研修医施設でもあり、大学と連携をして多くの研修医が学びに来ます。因幡会にはマンションや商業施設、オフィスなどがそろっており、研修医からきて開業するまでさまざまな経験をすることで、自分は何が向いているのかを知ることができます。自分だけなら店舗数は2~3店舗で十分なのですが、働いているドクターやスタッフのために店舗数も増やしました。 従業員を教育する上で、一番大切にしているのは「自分と自分の身内にできる治療をする」ということ。例えば歯に何か詰めるにしても、自分の家族におすすめするように患者さんにすすめるということ。自分がされたくないことはしないようにさせてます。採用時には、「どんな歯医者になりたいのか」「なにかほしいものはあるのか」を聞きます。貪欲な人の方が、成長してくれるというイメージがあるので、欲がある人を採用します。ただ、義理人情も大切なので、裏切らず恩を返そうとしてくれる人は家族にように大切にしますね。 当院の魅力はオーソドックスですが「人」です。腕・トーク力が一番大事だし、それがあれば何をしても生きていけると思います。仕事の面では疑問と結果の間に仮説をたてて検証をしていくことも大切にしています。実際にハーバード大学やニューヨーク大学などのプロジェクトに参加もしています。実際、ハーバード大学とのプロジェクトでは、歯ブラシの耐久性や清掃能力を測る研究など行っており、歯ブラシの研究や開発を行いました。 ■経験を活かして新しいものを生み出す  今までのノウハウを生かして、歯科医開業のコンサルティングも行っています。開業コンサルタントは大勢いますが、歯医者ではない人も多い。私たちの場合は、実際に開業した実績やデータがあるので、それがかなり強みになっています。経験のない歯医者がいきなり大手デベロッパーと進めようとしても、さまざまな問題や工事などがあり、問題も起こりやすいです。そのため、私たちがデベロッパーとの間に入り、歯科医にもわかりやすく説明できるため重宝されます。将来的に全国にネットワークを作ることができれば、患者さんも安心して転勤や引っ越しができると思っています。歯医者だけなく、面白いものやお客様が喜んでくれるものには参入し続けていきたいという思いもあります。 そのほか、意外なものとしては、そうめんの専門店を経営しています。そうめんは最古の日本の麺なのに、うどん屋やラーメン屋、そば屋はあっても、そうめん屋はないことに気が付きました。また、お歳暮やお中元の慣習が薄れていくと、そうめんの文化が衰退していく可能性があるからこそ、外食産業にしようと思いました。飲食は目の前でお客様が喜んでくれるのもうれしいですね。 ■地元への思い  私は鳥取県出身なのですが、鳥取旧称である因幡を法人名にしています。世界レベルの技術は鳥取では使うことができなかったのですが、鳥取の地方創生を行いたい、歯のレベルを上げたいという思いから歯の工場を誘致しました。技術も心も良い歯科技工士が集まってくれて、関東圏で受注したものを作ってもらっています。技工学校を買い取ってほしいと言われたこともありました。 ■学生へのメッセージ  今の時代はやることが無限大あり、いろいろと進路を選べることができます。ただそれが今の若者たちの進路に逆に悪影響を与えてしまっていると感じます。どこで決断するのかを決めてほしいですね。また、いろんな大人にあっていろんな世界やいろんな職種を見てください。日本は大学で進路を決めますが、海外では高校から決めています。無駄な勉強が多くなってしまいます。早く決めることができれば、大学で無駄なく学びたいことに向けて動けますよね。早めに自分で考えて、早く就職先を見て、考えることも一つの大切なことではないのかなと思います。未来を作るのは若者たちなので、覚悟を決めて頑張ってほしいです。 学生新聞オンライン2022年8月25日取材 國學院大學3年 島田大輝

和田真帆

HOUSEI株式会社 代表取締役社長 管祥紅

大学卒業後も、人生で大切なのは常に学び続けること プロフィール 中国湖北省出身。 北京大学電子工学部情報通信学科卒業後、来日。 1996年に方正株式会社(現HOUSEI株式会社)を設立、代表取締役社長に就任、現在に至 る。日本のメディア業界のシステム開発を手掛け、直近では、ITノウハウを生かした顔認証システムを筆頭に、メディア業界のみならず、医療、教育などの業界において、DX推進に奔走する。 日本のメディア業界のシステム開発を手掛け、現在、その市場占有が日本トップシェアであるHOUSEI。その勢いはメディア業界にとどまらず、医療や教育のDX推進サポートなど、様々な業界にも及んでいる。時代のトレンドを見事につかんだ新規上場企業として注目される同社の代表取締役社長・管祥紅さんに、学生時代から現在に至るまでのお話を伺いました。 ■若いころから自分の将来と向き合った大学時代 学生時代は、勉学と運動にいそしんでいました。私は北京大学に通っていましたが、中国の大学は日本の大学と似ており、学生が厳しく管理されることはありませんでした。大学生活では時間に余裕ができ、インターンなどの課外活動などにもたくさんいろいろ取り組んできましたね。ただ、中国のインターンは、日本のインターンとは少しイメージが異なるかもしれません。中国では、政府が将来の社会を担う人材育成の一環として、学生が田舎地方の会社に出向き、地元企業や地域の悩みを聞いて問題解決するというプログラムがありました。私もそのプログラムに参加しました。実際、地方の企業に入って様々な社会の出来事を現場視察する目的を持ち対応したことで、様々な面で効果的な学習ができたと感じました。 ■ご縁で日本へ、そしてHOUSEI株式会社設立 あるとき、大学で「日本企業と協同でソフトウェア開発を行う人材を募る」という募集を目にして応募し、開発に参加できました。そのことがご縁で、大学を卒業してから「日本プロセス株式会社」に就職することとなり日本にやってきました。3年ほど同社にて、その後、住友金属工業株式会社へ転職しました。私はIT分野の新規事業に配属され、コンピューターを使って印刷物の作成を行うソフトの開発を担当しました。そのご縁で北京大学の先生がたと交流ができ一緒にビジネスを進めることになり、方正(現HOUSEI)株式会社の立ち上げに至りました。 ■文化の違いを受け入れれば、苦労はなくなる 実は私は仕事での達成感をあまり感じたことがないのです。いい意味で、常に欲の塊です(笑)。永遠に「これで満足!」ということが無く、常に良いものを生み出したいと考え、物事を俯瞰してみています。会社経営においても「更に良くなるのでは?」という向上心を持ち続けた先に、「HOUSEIといえばこれ!」というものができる。そこで、初めて達成感が得られるのではないのかと思っています。同時に、「あれが大変だった」などと語るような、苦労も少なかったと感じていますね。若い時に色々な文化に触れてきたので、ハプニングや意見の相違も抵抗なく受け入れられるようになったと感じています。実際、苦難が起きたときは、毎回メンバーと共に腹を割って語り合い、問題解決にあたってきました。また、来日したときも、若い頃の渡米経験があったので苦労も少なかったと感じています。世の中にはいろいろな人間がいますが、基本はみな同じです。異なる意見や考えが生まれるのは、言ってしまえば環境や文化の違いだと思っています。だから私は地域毎の文化を受け入れ、その文化に興味を持つことを大切にしています。そうすれば、異なる意見の相手であっても、受け入れ許容できることが多いです。 ■多様性を通じて、世の中に新しい価値を生み出したい HOUSEI株式会社と他社との差別化は多様性を尊重することです。尊重することで世の中に新しい価値を生み出すことができます。また、個人の許容量や情報量が増えれば、それが発想の豊かさやuniqueness、物事を深く思考する力につながっていきます。そのため、弊社では、様々な国籍の人を受け入れたり、海外と積極的に交流したりすることで、視野を広げて、お互いを理解し合うことを大切にしています。また、多様性を生み出すことは、その人本来の魅力を引き出すことと同じだと私は捉えています。そのため、弊社は社員のアイディアを活かすことを大切にしています。具体的には、社員が自身の構想を発表する場を頻繁に設け、実際にそのアイディアにお金を投資し、プロジェクトとして進めていくことも多々あります。様々なものが溢れる世の中で、多種多様なことを組み合わせてみんなで力を合わせて伸ばし、新たな価値を生み出すことを意識しています。それには、情報の共有も大切です。どんな情報も社員にすぐ開示し、社員自身が会社や自分にとって正しいと思うことを判断し、行動できるように意識しています。 ■スキルよりも成長意欲のある人を 弊社は、様々な面でチャンスをつかめる環境を用意しています。私たちが職場で求める人は、勉強し続ける向上心のある人、情報に対して吸収力がある頭の柔らかい人、いろんな人と付き合える人、いろんな観点を受け入れられる人です。また、こうした素養を持った人こそ成長できる会社だと思います。学生時代に学んだ知識は、世の中の極々一部でしかありません。そこで学んだ知識だけが、世の中に通用することはありません。よって、常に世の中に対して興味を持ち、積極的に情報収集できる人はどんどんレベルが高くなり、最終的には世の中にとって必要不可欠で認められる人間になると思います。そして、弊社では、そうした素養を持った人材を、どんどん受け入れていきたいと考えております。 ■大学生へのMessage 学生時代はただお金を稼ぐためだけに働くのではなく、自分が将来進みたい分野、あるいは自分がいま興味を持つ専門分野に近い仕事に関わるところで、社会勉強をした方が良いと思います。まだ、やりたいことが決まっていない人は、とにかくいろんなことにチャレンジしましょう。若いころはたくさんミスをしてもいいと思いますし、就職浪人や留年して様々なことを経験してもいいと思います! 自分が本当は何が好きなのか、何が向いているのかを見つけていくことが、これからの人生を生きていく上で大切だと考えています。 学生新聞オンライン2022年9月5日取材 日本大学3年 和田真帆

イベント・企業紹介

ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード全国大会

プロポーションづくりの総合コンサルティング企業、株式会社ダイアナ(代表取締役社長 兼 会長 徳田充孝)は、日本最大級の美の祭典「ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード全国大会 2022」を2022年9月10日に横浜アリーナにおいて3年ぶりにリアル開催いたしました。 「ダイアナ ゴールデン・プロポーションアワード2022」とは、一般社団法人日本プロポーション協会が主催する国内最大級の美の祭典です。日本初の”年代別コンテスト”として1990年に誕生した「第33回年代別ゴールデン・プロポーションコンテスト」※1と「第8回年代別D-Styleコンテスト」※2の2つのコンテストの全国大会が横浜アリーナにて開催されました。各地域で行われた決勝大会全9大会から選出された、20代・30代・40代・50代・60代以上の各年代から合計125名が出場し、各コンテストから1名ずつグランプリが選ばれます。 本アワードは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年と2021年は無観客のオンライン開催となっておりましたが、今年は横浜アリーナにて3年ぶりに観客を入れての開催となりました。 このたびグランプリを受賞したお二人にお話を伺いました。 ※1 ダイアナでプロポーションづくりを始めてから1年以内に憧れの体型を手にした女性の美を競うコンテスト※2 ダイアナで手にしたプロポーションの美しさに磨きをかけ続ける女性の美を競うコンテスト ■野藤かおりさん(第33回年代別ゴールデン・プロポーションコンテスト グランプリ受賞) 受賞した今の気持ちは?素直にとても嬉しいです。ダイアナを始めて9ヶ月ですが、こんなに自分が変われるなんて、まるで奇跡のようです。 振り返ってみて思うこと、ダイアナへの思い私は最初の一歩が踏み出せないのですが、一度決めたら最後まで頑張れるタイプでした。そこからは一日も欠かさずにダイアナの道具を使ったり、マッサージを続けたことで楽しくサイズダウンに成功しました。「ダイアナ本当にありがとう!」という気持ちです。 チャレンジしようとしたきっかけは? 気をつけていたことは?私は4人子供がいるのですが、妊娠して授乳して痩せるの繰り返しでした。そのため痩せていた頃の自分に憧れがありました。また過去に自分の体をネタに自虐的な笑いをとっていましたが、一方で悔しい気持ちがあり、見返したい気持ちもありました。ダイアナを選んだ理由は、紹介者の勧めがきっかけでしたが、楽しく挑戦できたのはチーフの支えが大きかったです。辞めずに続けられてよかったです。私は面倒くさがりやなので無理に運動をするのではなく、食事面を意識しました。特に栄養バランスに気をつけていましたね。料理が苦手なのですが、チーフが美味しい食べ方やメニューを教えてくれました。 大学生へのメッセージ今から将来への健康的な体作りを心がけてほしいですね。大学生の息子がいるのですが、大会に向けて調整していた私と一緒に頑張ってくれました。大学生は周囲の環境に影響されやすいので、今の健康を捨てずに、将来の体作りをしてほしいと思います。 武蔵野大学3年 西山流生 ■岸本久子さん(第8回年代別D-Styleコンテスト グランプリ受賞) 受賞した今のお気持ちは?優勝などの発表で名前が挙がらなかったため、諦めていましたが、まさかグランプリに選ばれるなんて。チームのみんなに感謝しています。率直にすごく嬉しいです。 振り返ってみて思うこと、ダイアナへの思いダイアナの道具を基本通りに使用すれば、本当に変わります。楽しいダイエットでした。ダイアナには感謝しています。 チャレンジしようとしたきっかけは? 気をつけていたことは?最初はダイエットが辛かったです。しかし、だんだん痩せていく変化が嬉しくて、サロンに通うのも楽しくなりました。途中でリバウンドしてしまう場面もありましたが、チーフが見捨てず、励ましてくれたおかげでまた頑張ることができました。ダイエットする中で、セルディアという栄養補助食品を利用しました。家族も一緒にセルディアをいただくことで、みんなで楽をしてしっかり栄養を取っていました。 大学生へのメッセージ「今日一日を頑張ろう」と思って、頑張ってきました。やらないとダメとは思わずに、まずは「今日一日を頑張ろう」という気持ちでチャレンジして続けてみるとよいと思います。 中央大学2年 松島鈴音

イベント・企業紹介

『青春シンデレラ』制作発表会見 ~久間田琳加・本田響矢~

女優でモデルの久間田琳加(non-no専属モデル)主演の10月ドラマ「青春シンデレラ」が10月16日(日)から放送スタートに先立ち、制作発表会見が開催されました。会見には主演の久間田琳加さんに加え、現在ドラマ・映画・舞台で活躍する注目の若手俳優で、本作では因縁の憎き初恋相手役を演じる本田響矢さんも登壇しました。「青春シンデレラ」は集英社マーガレットコミックス刊が運営する電子漫画アプリ「マンガMee」で累計7000万PVを記録した夕のぞむ先生原作で、12年前にタイムスリップした女性が17歳の高校生に変化して惨めな初恋に決着をつける青春キラキラドラマながら大人女子の共感を呼ぶラブストーリーです。会見では撮影現場の雰囲気やお二人の恋愛トークなど和気藹々とした雰囲気の中、お話を伺いました。 (日本大学3年 和田真帆) 久間田琳加 主人公の紫苑役で、大人っぽさのあるビューティーコンサルタント(美容部員)の29歳と、初心な高校生の17歳を演じます。実際に資生堂のビューティースクエアで働くビューティーコンサルタントが着用している制服と同じなので、世界観に入り込んだようです。憧れの職業を体験できて嬉しいですね。高校生の地味な紫苑を演じる時は、今までにないくらい「すっぴん」です(笑)最初は心配でしたが、原作のメイクをして前向きになる姿に共感したので、うまく変化を表現したいです。紫苑は、初恋相手に振られたことをバネに成長します。物語の転機になった「告白」。もし私が告白する側なら、目を見てストレートに「好きです」って伝えたいです。それができたら、自分に150点あげちゃいますね。自信をつけることは、人生の道を拓くきっかけになると思います。選んだ道があったからこそ、本当の大切な道に辿り着いた。選んだことが間違いじゃないというメッセージを届けたいです。長谷川くんとの距離感がもどかしい、キュンキュンシーンも見逃せません。紫苑の目線で、一緒にドキドキして楽しんでください! (駒澤大学3年 三上山明里) 本田響矢 今回、長谷川颯真役を演じさせて頂くにあたり、嬉しいと思うとともに、青春ど真ん中なシンデレラストーリーなので、カメラの奥で作品を観て下さる方々がキュンキュンして欲しいなと思い、意識しながら撮影に挑みました。クランクインして衣装の制服を見た時に、デニムシャツと青いカーディガンを羽織るので派手だなと思ったのですが、映像でみてとても映えていたのでこの衣装でよかったと思いました。僕の演じる長谷川くんは一匹狼な役柄ですが、僕自身は友達と盛り上がるタイプなのでキャラクターは似てないと思います。(笑)もし自分が告白するとしたらSNSとかではなく直接面と向かって思いを伝えたいですね。主人公のテーマでもある“オトナ女子”と言われる20代後半の世代の方々は、若かりし頃の学生の時の思い出、その中にある過去での後悔やトラウマを抱えて生きている方がたいっぱいいると思います。青春経験者のオトナ女子の皆さん、そして、青春の真っ只中である学生さんなど幅広い人にみていただき、たくさんの胸キュンを届けたいです。 (国立音楽大学2年 岡部満里阿) ドラマ『青春シンデレラ』ABCテレビ 10月16日(日)スタート 毎週日曜深夜0時25分テレビ神奈川 10月17日(月)スタート 毎週月曜深夜1時30分※ほか地域でも放送予定(TVer・GYAO!にて見逃し配信あり)

イベント・企業紹介

「Mitea ORGANIC」新商品発表会イベント

株式会社マッシュビューティーラボ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:近藤広幸)は、同社が運営する新スキンケアブランド「Mitea ORGANIC(ミティア オーガニック)」の2022年10月4日(火)デビューに先駆け、10月3日(月)に本社で、本ブランドの新商品発表会イベントを開催しました。イベントでは、ゲストとして、現在4児の母親として育児の傍ら、タレントとしても活躍する辻希美(つじ・のぞみ)さん、俳優としてミュージカルや舞台、ドラマに出演し、現在はファッション誌やビューティー誌を中心にモデルとしても活躍中の高橋愛(たかはし・あい)さん、女性ハロー!プロジェクトのアイドルグループ「アンジュルム」のメンバーの上國料萌衣(かみこくりょう・もえ)さんがご登壇。Mitea ORGANICについてのお話を伺いました。 辻希美 オーガニックの化粧品は高くて手を出しにくいですけど、今回発売される「Mitea」の化粧品は価格帯も2000円以下とお手頃ですし、コンビニで買えるので忙しいママでも簡単に手に入れることができるなと感じました。中でも香りがよくて、肌にも馴染んでサラッとしている「ホワイトニングセラムローション」が好きです。今回私はマンダリーヌコンフィという透明タイプのリップを使わせていただいているのですが、色味がとても良くて普段使いもできるようなリップです。見た目もオシャレで可愛いので、「今日も一日頑張ろう」とコンディションを上げてくれます。子育て中は忙しくて、美容にかける時間を取るのも難しいです。そんな忙しいママさんでも「Mitea」の化粧品はオーガニックにこだわっていて、質も高いです。何よりこのクオリティの化粧品をデパートまで行かなくても、コンビニで手に入れられるので、多くのママさんに届くと嬉しいです。立教大学 4年 須藤覚斗 高橋愛 普段の生活で、スキンケアだけでなく、食事、そしてライフスタイルにも気を使っている分、今回の「Mitea」の商品はとても魅力的に感じました。商品制作にあたって、背景の細部にまで、こだわりを感じられたからです。スキンケア商品に使われている成分はもちろん、容器や配送の際の梱包材にまで、環境に配慮したつくりになっていて、買うときも、使うときも地球に寄り添えている感じがしてとても気持ちがいいです。特に印象に残っているものは、クレンジングアイテムです。肌に乗せたときの香りがとてもよく、ふき取るタイプとともに、使用感がとてもクリアで、肌の疲れ、調子を整えて1日をリセットするのにぴったりな商品だと思います。私たちの肌、心、そして地球にも優しい「Mitea」が、今までのスキンケア用品の固定概念を払拭してくれると共に「Mitea」の制作に携わる方々のオーガニックに対する思いの強さも感じられました。このように丁寧に作られた「Mitea」の商品をジェンダーレスで色々な方の人に使っていただきたいです。私も旦那さんと一緒に夫婦2人で愛用していきたいです。立教大学 2年 福田さくら 上國料萌衣 私と同世代の人はまだオーガニックコスメに挑戦できていない人が多いのかなって思います。「Mitea」は、ファミリーマートで手軽に買うことができるところが嬉しいですね。いつでも誰でも手に取れる商品です。実際に使ってみてオススメしたいのは、「ホワイトニングセラムローション」です。肌にぐんぐん浸透しているのが分かります。「クレンジングセラムオイル」も、小鼻のざらつきがツルツルになるところがお気に入りです。私はお仕事柄、メイクをたくさんするのですが、「Mitea」は肌がつっぱることもないので、ぜひ愛用したいです。また今回、新商品リップの「フィグタルト」を付けていますが、潤いはもちろん、細いパッケージなのでカバンに入れやすく、持ち運びにもぴったりです。ミティアダンスは初披露だったので、初ステージのように緊張しました。(笑)辻希美さんと、高橋愛さんという、お二人の先輩方と踊ることができて、楽しかったです。ぜひ、皆さんに覚えてもらいたいです。今まで、オーガニックを意識したことのなかった私も、肌へのやさしさを感じた「Mitea」。ライブで地方公演する際に、普段使いの化粧品を忘れてしまうことがあるので、その時も活用したいです。駒澤大学 3年 三上山明里 「Mitea ORGANIC」について 「Mitea ORGANIC」は、医薬部外品を含むスキンケアアイテム4種にリップ1種(全3色)、1DAYトライアルキットを展開。同社の厳しい独自基準に準拠したナチュラルオーガニック処方で、価格は全て税込2,000円以下となっております。また、全国のファミリーマートに加え、コスメキッチンやビープル、メイクアップキッチンで同時発売いたします。コスメキッチンの商品がコンビニエンスストアで販売されるのは、今回が初めてとなります。 <販売店舗>・ファミリーマート・コスメキッチン(https://www.cosmekitchen-webstore.jp/)・ビープル(https://store.biople.jp/)・メイクアップキッチン(https://makeup-kitchen.com/)

DX・WEBマーケティング

資生堂インタラクティブビューティー株式会社 DX本部オムニエクスペリ...

リアルとデジタルの融合がマーケティングの新しい価値を生む 資生堂インタラクティブビューティー株式会社 DX本部オムニエクスペリエンス推進部 テクノロジーコンテンツグループグループマネージャー 増田卓矢(ますだたくや) ■プロフィール2008年、楽天に新卒入社。Webディレクターとしてサービス開発に従事。サービス運営、モバイル事業など複数の立ち上げを経験。2017年、ユニクロへ転職。オンラインサイトのサービス開発、UI/UX改善や商品検索・レコメンドエンジン開発を担当。2019年、資生堂入社。主にARを用いたバーチャルメイク、画像解析による肌測定などビューティーテックを用いた化粧体験向上に従事している。 資生堂は創業150周年を迎える。これを機にデジタルトランスフォーメーションを加速すべく、アクセンチュアとの合弁会社として立ち上げたのが、資生堂インタラクティブビューティー。今後、資生堂はどのようにデジタル化を推進していくのか。DX本部の増田マネージャーにマーケティング戦略を伺った。 当社は2021年にできた新しい会社です。資生堂とアクセンチュアとの合弁会社で、資生堂のデジタルトランスフォーメーション強化のための戦略的子会社です。私は当社においてDX本部でオムニエクスペリエンスを推進していく立場にあります。 ■オムニ体験によって販売促進する オムニエクスペリエンスは「オムニ体験」と言われているように、リアルとデジタルを融合した新しい形をお客様に体験してもらおうとしています。特に「肌パシャ」というデジタルコンテンツは、スマホやタブレットで自分の肌を撮影して肌の状態を調べることができます。店頭において美容部員がお客様の肌カウンセリングをする際にも使用しています。最初はデジタル上のみでの使用を想定していましたが、ローンチ後はコロナ禍があって店頭での非接触状態が保たれるということで、店頭でも導入されるようになりました。現在はECだけでなく、店頭販売においても「肌パシャ」利用者の購入率が高くなってきており、リアルとデジタルの両方の領域で販売を促進させることができたと考えています。 ■デジタルマーケティングが面白い 売上がCMに左右されるフロー型のマーケティング手法だけでは少し物足りないと考えています。まず、ソーシャルネットワークを活かしたストック型のマーケティング手法を用いながら、いろいろな角度から細かくアプローチをし、常に資生堂を身近に感じられる状態にすることが大切だと思っています。フロー型とストック型とを上手にリンクさせながら購入数を可視化できるように新たな手法を模索しているところです。媒体に関してはさまざまなものを利用していますが、リンクを貼ることができるLINEやTwitter と、美容部員の活躍によるインフルエンサーマーケティングなど、効果の測定が詳細にできるものは特に注目しています。また、化粧品のモデルチェンジは他の商材と比べて比較的期間が長いので、お客様へのアプローチの仕方としては同じ商品でも異なる使い方を提案したり、見せ方を工夫したりしながら伝えていくことが大切です。どのアプローチに関しても正解はありません。だからこそ探求し続けていかなければならず、そこに大きなやりがいを感じています。 ■老舗企業としてのイメージを生かす 資生堂は2022年で150周年を迎えました。150年も会社が続く理由としては、常にイノベーションを起こしているからであり、それを支える豊富な販売データとさまざまな販売チャネルがあるからだと考えています。そしてそれを適切に処理し、解釈できる優秀な人材が揃っています。肌データや購買データ、行動データなどのビッグデータを収集し、ECやリアル店舗へ多角的に提供できるチャネルもあるため、価値創造が非常にしやすく、その影響は多方面に広がっていくのです。特に、ID(会員)がブランドを横断しているため、お客様のイメージがつかみやすくなっています。今後はこうした豊富なデータをもとに、スピード感を重視しながら資生堂のもつ安心や信頼といった企業イメージを大事にしつつ、デジタルとの融合を図っていければと考えています。 *message* 社会にあるいろいろな事象に対して常に疑問をもつことが大切だと思います。たとえば、近年は多くの企業がECを推進し、デジタル上で商品を紹介するようになり、紙媒体でのカタログを廃止する動きがあります。その方向性は今のデジタル化やお客様の動向をとらえると正しい動きのように思います。しかし、私とある企業の間では、そうではありませんでした。私は、子どもたちと紙のカタログを一緒に見ながら商品を選びたかったのです。私にとっては紙カタログを使ったとても楽しい時間だったのですが、その時間が無くなってしまいました。このときこの企業はどんな判断をすればよかったのでしょうか。私のようなケースは少ないだろうし、デジタル推進のために紙カタログ廃止は正しかったのでしょうか? 皆さんだったらどう考えますか?このように、ある事象に対して企業や自分がどのように関わっていて、それに対して自分がどう考えたのかを深く追求することが大切です。世の中の事象を自分事化していくことによって、視座が高くなっていきます。そのような機会を増やすことで見える景色が自ずと違ってくるはずです。 学生新聞2022年10月1日発刊号 津田塾大学4年 宮田紋子

如意太一

株式会社SBI証券 専務取締役 小川 裕之

お客様の喜びや安心のために、まず身近な人を幸せにする 株式会社SBI証券 専務取締役 小川 裕之(おがわ ひろゆき) ■プロフィール1998年、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。NTTドコモに出向時、携帯電話を使った新たな決済サービスの立ち上げに携わる。2005年、伊藤忠商事入社。その後、GMOクリックホールディングスを経て、2013年SBI証券入社。経営企画部長、執行役員を経て、2017年に同社取締役就任。2020年に常務取締役に、2021年に現任である専務取締役に就任。 証券業界でトップの利用者数を誇る株式会社SBI証券。1999年の創業以来「顧客中心主義」を徹底し、多くの投資家から支持されている。「お客様の喜びや安心のために、まず身近な人を幸せにする」と語る小川専務取締役。自身のキャリアの変遷や仕事に向き合う姿勢についてお話を伺った。 大学時代は物理学を専攻しました。進級率の低い、厳しい学科だったので、勉学一筋で本当に苦労したことを覚えています。一方で、高校時代は課外活動に力を入れていて、生徒会長と応援団の団長を務めました。応援団では、ひたすら練習に打ち込む日々を送りました。応援団の練習は厳しくて大変でしたが、礼儀作法や胆力が身に付きました。応援団の活動をしていく中で、同期のため、後輩のために何かを残したいという思いが募り、応援歌を作ったことが今のビジネススタイルにもつながる成功体験となっています。それまでにも応援歌はありましたが、しっかりと歌い継がれてはいませんでした。そこでどうすれば後の代まで歌い継がれるのかと一生懸命に考えた結果、「自己満足だと未来に残らない。人を巻き込んで自分事にすれば未来につながる」という考えに至りました。 ■大切なのは人と人のつながり 学生時代の一番の悩みは就職活動でした。自分のやりたいことが分からず、さまざまな業界を見るために、200社ほどの企業の方にお会いしました。最終的には高校時代に応援歌を作ったときのように、人と触れ合い、人を巻き込んで何かを作り上げていきたいと考えて営業職を選びました。中でも多くの企業と取引をする銀行業界で、さまざまな企業や人と出会いたいと考えて、ご縁もあって三和銀行(現、三菱UFJ銀行)に入行しました。3年経ったころに、当時iモードの立ち上げ期にあったNTTドコモに出向し、アライアンスで大きなビジネスの立ち上げに携わりました。三和銀行に戻った際も、新規ビジネスを担当し、携帯電話と金融を絡めて何かできないかと考えていました。数年後、UFJ銀行と東京三菱銀行の合併により、自分の得意分野であった新規事業の立ち上げができなくなってしまいました。このことがきっかけで伊藤忠商事に転職をしたもののネットリテールに関わりたいという思いが募り、GMOクリック証券へ転職。その後、弊社社長の髙村と縁があり、今に至ります。人とのご縁でいろいろな経験ができたと思っています。 ■素直で謙虚な姿勢で向き合う 会社の組織において最も状況を把握しているのは現場を一番分かっている若い人なので、正しい情報を上げてもらうための環境作りを心掛けています。役員室などは設けず、物理的にも距離を近づけ、話しやすい環境で仕事をしています。このような環境なので部下の成長が目に見え、部下の成長や成功が自分のことのように嬉しく、自分のやりがいにもなっています。また、彼らには常日頃から素直で謙虚な人を目指そうと伝えています。グループトップの北尾から出されるSBIグループとしての戦略や方向性のヒントに対してしっかり勉強してみることで、新しい分野の知識を吸収できればビジネスや自分の幅を広げることができます。それをチャンスと捉えて食らいついていくことで、そのビジネスの第一人者になることができます。素直さと謙虚さが仕事上のヒントやチャンスに直結し、会社全体としても成長できるのです。 ■さまざまな方面にアンテナを張る SBIグループは、新しいことに対しての感度が高く、若手の意見を聞き、積極的に取り入れることがカルチャーとなっています。私もさまざまな方面にアンテナを張っていますが、単にアンテナを張るだけでは意味がありません。得られた情報をいかに活用するかが価値の源泉となります。とくにアライアンスにおいては、一般消費者だけでなくビジネスパートナーもお客様であり、お客様に何か付加価値を提供することができないかという観点から、得られた情報をどうアウトプットできるのかを常に考えています。SBIグループでは、さまざまな業界の企業と提携しWin – Winの関係を築く「オープンアライアンス」を推進しています。顧客中心主義を掲げるSBI証券としては、お客様が喜ぶことはすべて提供したいと思っています。これまでネットリテールビジネスに携わってきて、自分の考えたモノやサービスを身近な人が利用することも増えてきました。身近な人を幸せにできないと、より多くのお客様を幸せにすることはできないと考え、まずは身近な人を幸せにできるようなモノやサービスを届けていきたいです。 *message* 勉強しているときはもちろんのこと、趣味や遊びに時間を使うときにも自分の頭で一生懸命に考えることが大切です。学生のうちにさまざまなことを経験し、将来にどう活かすのかを考えれば、それは失敗したことも含めて人生の糧となります。何も考えずに学生生活を過ごすのは時間がもったいないです。自分の意見を持ちつつ、いろいろな人と関わることが大事です。自分を成長させ、将来につなげるために、学生のうちに何ができるのかを一生懸命に考えてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 明治大学4年 酒井躍

伊東美優

合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM ...

会社は日々挑戦し、変化しながら強くなっていくもの 合同会社DMM.com 最高執行責任者(COO)兼EXNOA(DMM GAMES)CEO 村中 悠介(むらなか ゆうすけ) ■プロフィール2002年、DMM.comに入社。動画配信事業の営業担当を経て事業責任者を務め、事業拡大に貢献。2011年、取締役就任。デジタルサービス全般を統括。アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐にわたる事業を立ち上げる。2018年COOに就任。2019年よりEXNOA(DMM GAMES)CEOを兼任。現在60以上ある事業を統括。 「領域問わずなんでもやる」を企業理念とし、毎年多くの新規事業を立ち上げている合同会社DMM.com。現在の総事業数はなんと60を超え、どんどん多様なチャレンジができる環境となっている。これに対し「より情熱を持って発信できる人材がほしい」と語る村中COO。DMMグループの見据える未来とは何か。会社の魅力とともに、今後の展望についてお話を伺った。 私は北海道苫小牧市にある工業高校出身で、卒業後すぐに上京して建築会社に勤めました。地元には決まったルートを淡々とたどる人が多く、自分はそうではない人生を歩みたいと思い、東京に出ることを決めていました。しかし、卒業後に入った会社はかなり辛かったですね。当時は右も左も分からず、とにかく上司に怒られてばかりでした。結局、その建築会社で4年間働き、次に転職したのがDMMのグループ会社でした。 ■「やりたい」をすぐに形にできる 弊社に入社してからは毎日楽しく仕事をしています。その理由として一つ挙げられるのは情報量の多さです。転職した当時は、今ほどインターネットが発達していなかったので、自分の置かれた環境しか分からず、他社と比較することは難しかったため、そこで必死に働くしかありませんでした。しかし、弊社は昔から自分にとって多くのチャレンジができるやりがいのある環境でした。もちろん今はいろいろな会社の情報を手に入れることができますが、そんな時代であっても弊社は未だに魅力的な会社だと思えます。私はIT企業に勤める楽しさを、「目の前でデジタル技術の進化が感じられる」点にあると考えています。今この瞬間もデジタルの世界では多くの変化があり、それを目の当たりにすることが仕事の面白さでもあります。そんな業界の楽しさに加え、DMMグループの強みは若さと規模感です。多くの社員が20 代、30代です。そしてただ若くてエネルギッシュな人材が集まっているだけでなく、会社の規模の大きさもポイントです。規模が大きいからこそ社員の「やりたい」をどんどん事業化していける利点があります。若さと規模感のどちらも兼ね備えている企業は少なく、チャレンジをすぐに形に変えられるのは弊社ならではだと思います。実際、弊社で行っている事業の半分は社員からの提案で生まれています。だからこそただ若いだけでなく、自分独自の好きを持っていて、それを情熱につなげられる人を社内にもっと増やしていきたいと思っています。求める人材は、一言で表すと「人間性のある人」です。この人間性を言葉にするのが難しいのですが、他者から「この人に付いていきたい」と思わせる人は、人間性があるなと感じます。理想は社員の多くが裁量権を持って働ける環境であり、それには仕事を社員に任せられることが必要です。今後は仕事を任せられる若手をさらに増やしていきたいですね。 ■多事業展開は成長の源泉 当社は現在、60以上の事業を展開しています。事業内容はWEB3・メタバースから農業までと幅広く、とにかく未来を感じさせるビジネスであればなんでも挑戦しています。皆さんからすると、「既存事業に注力していけばここまで事業を広げる必要はないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、いわばトップアスリートと同じです。彼らは成功のために多くの挑戦をし、トップを維持するために日々変化を遂げていく必要があります。それは企業も一緒です。一つの事業で得られる成長には限りがあり、より大きな変化を求めるにはどんどん新たな領域にチャレンジしていかなければなりません。そのため、未来に向けた種まきとして、さまざまな領域で事業展開をしています。会社に現状維持という言葉はありません。弊社は他社と比較しても意思決定の速さなどスピード感が特徴で、次々にいろいろなことが生まれるワクワク感があります。また、現在、IT業界の大きな流れとして、プラットフォーマーからパブリッシャーへ、という動きがあります。たとえば、皆さんが普段利用する動画配信サービスなどでは、他社で制作されたコンテンツ以外にオリジナルコンテンツと呼ばれるものがあると思います。つまり、従来は事業者からさまざまなコンテンツを仕入れてユーザー会員に届ける、あくまでも流通基盤としての役割だったのが近年はコンテンツの自社制作も増えているのです。このような流れに対し、当社でもパブリッシャーとしての役割を果たし、どんどん他社との差別化を図っていきたいと思っています。実際、当社は長年アニメ制作なども多く携わっているため、既存事業のノウハウを活用しながら今後はコンテンツ制作にも力を入れていく予定です。 *message* 多くの学生は就職活動の時期が迫るにつれて、どんな会社に入りたいかを考えるようになると思います。しかし、本来はどの会社に入るかは手段でしかありません。皆さんが考えるべきことは、自分は何をしたいのかではないでしょうか。しかし、将来何をしたいかなど明確に答えられる人はほとんどいないと思います。だからこそ実践してほしいのが楽しいことを考え続けること、好きなことをやり続けることです。自分の「楽しい」や「好き」という感情に向き合ってみると、自分のやりたいことが少しずつ見えてくると思います。会社に入ることが目的にならないように、自分自身の感情を突き詰めてみてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 慶應義塾大学3年 伊東美優

学生新聞インターン

ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉 健

フロンティア精神でオンリーワンを目指す ビッグローブ株式会社 代表取締役社長 有泉 健(ありいずみ たけし) ■プロフィール山梨県出身。1984年、KDD(現KDDI)入社。世界初のGPS搭載携帯電話の商品化に向け、位置情報を算出するサーバーシステムなどを設計。ソリューション推進本部長、執行役員を歴任。2017年1月、ビッグローブ株式会社代表取締役社長へ就任。 実家の鉄工所の跡継ぎを断り大学へ進学。今でこそ当たり前に利用されているITだが、業界の成長を18歳にして予想。衛星、通信の開発を中心に、独自の嗅覚を頼りに今もなお躍進し続ける。トップではなくオンリーワンを目指すという有泉社長に、BIGLOBEの将来展望を伺った。 学生時代はネットもコンビニもない時代でしたので、下宿で日夜実験レポートを書くことに追われる毎日でした。親には高校卒業後には家業の鉄工所を継ぐように言われていましたが、大学に進学しました。大学では今後コンピューター業界が成長するだろうと予測して工学を専攻し、リニアモーターカーなどで利用されている超伝導について研究していました。この技術があれば新しいコンピューティングの世界を創り出せると考えました。常温に近い状態で超伝導現象をいかに起こすかという研究を大学院生になってからも続けていました。就活を始めた当時、業界ではコンピューター&コミュニケーションが流行っていました。当時の花形は衛星通信。私はミーハー的な感覚で国際電信電話株式会社(KDD。現在のKDDIの前身会社の一つ)を選び、通信の世界に一歩を踏み出しました。 ■技術者からマネジメントの世界に 入社後は茨城衛星通信所のシステム運用の現場で3年半ほど働きました。主に衛星での無線設備の運用に携っていました。その後、東京の本社で衛星通信設備の設計担当になり、衛星本体そのものを世界各国と協力しながら作りました。打ち上げた後に、地上で衛星のモニタリングをしながら姿勢制御する機能なども設計していました。このように、入社後は現場と設計を8年間やった後に、人事部へ移動。人事部は当初2年の予定だったのですが、会社の合併などが重なり、結果的に4年半になってしまいました。当時、IT業界ではインターネットサービスが学術用から商用化し、産業革命が起きていました。このまま現場を離れていては技術者として死んでしまうと思った私は、技術者に戻るために必死で上司を説得し、ようやく戻ることができたのです。そして2000年から17年間法人向けのソリューション事業に従事しました。私自身が成長できたのは、この事業に携わったことが非常に大きかったと思っています。お客様の本心やインサイトを知るには、直にお会いして話すしかありません。お客様に納めたシステムがトラブルを起こして怒られる、改善する。お客様の欲しいものができる、喜ばれる。この繰り返しが自身の経験値、モチベーションとリレーションという財産になります。2017年1月、BIGLOBEの社長に就任し、現在に至ります。上司からはいつも「担当5:上司3:経営者2」の目線がリーダーにとって必要な目線であるとアドバイスを頂き、意識して実践してきました。 ■ブラックオーシャンを手に入れる 新たなソリューションを思いついた際に、上司から「これはどうして売れるの? 強みは? 差別化は?」と必ず聞かれました。レッドオーシャンでは、マーケットの規模感があっても差別化できなければ同質化によっていずれ衰退します。BIGLOBEに来て驚いたことは、コンシューマー事業は法人事業と違って競合他社がひしめいていました。そんな中で勝ち残っていくためには次の2つの考え方が大切です。1つ目はSTP分析によるBIGLOBEの戦略分析を行い、差別化しながら実践することです。2つ目はバックキャスティングによる思考法を身に付けることです。つまり、2〜3年先の未来のあるべき姿から今どうすべきかを考えるのです。先を見据えて自分たちのtobeを決め、そのためのtodoを決めるというバックキャスティングの教えがとても役に立ちました。皆さんのBIGLOBEのイメージは通信事業だと思います。それはインターネット黎明期からフロンティア精神を持ち、数多くの事業を手掛けてきたからだと思います。しかし、通信事業の成長が飽和状態になってきた今、もう一度フロンティア精神を発揮し、バックキャスティング手法で未だ世の中にない、これから必要になるものを世に先駆けてやっていこうとしています。その筆頭となるのが社会環境事業です。現在、具体的に手掛けているのは、健康経営に資する法人向け温泉トラベル事業、AIを活用したビルのエネルギー制御事業、地球に負荷をかけない自然環境を活用する再生エネルギー事業があります。ビルのエネルギー制御は、日本ではまだ例のないAIを活用した消費電力の効率化です。また、再生エネルギーは、設備が大掛かりになりがちな太陽光・風力ではなく、水や土、生ゴミの堆肥から電気を集電するシステムを作り、世界で未だに電気が使えていない13億人の人々に届けたいと思っています。 *message* 学生の皆様には海外に行くことをオススメします。海外に行ってビジネスをクリエイトするWAYを学んでほしいのです。日本の物作りの技術は素晴らしいですが、それらを掛け合わせてビジネスにする能力がものすごく低いです。Uber はまさに良い例で、新しい技術は何一つなく、位置情報とメールのみで世界最大のタクシー会社になろうとしています。若い人こそ海外へ出て発想・思考に触れ、日本発で世界初を増やしてほしいと思っています。 学生新聞2022年10月1日発刊号 関東鍼灸専門学校3年 竹原孔龍

八木彩花

イオン株式会社 執行役 事業推進・ブランディング担当 尾島 司

「人々の笑顔」のために、常にチャレンジし続ける イオン株式会社 執行役 事業推進・ブランディング担当 尾島 司(おじま つかさ) ■プロフィール1986年4月、(株)三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。その後、2005年1月にリーマン・ブラザーズ証券(株)、2012年6月に野村證券(株)執行役員、2017年6月にウェルス・マネジメント(株)取締役、2020年6月に(株)大戸屋ホールディングス取締役を経て、2021年6月にイオン株式会社入社。2022年3月に同社執行役となり、事業推進・ブランディングを担当。 小売業の牽引役として進化を続けるイオン株式会社。常にお客様の笑顔を生み出すことに力を入れている。これは尾島執行役の人生観そのものであった。人々を笑顔にするという明確な目的を持ち、常に挑戦を続ける尾島さんに、その一貫した人生観や今後のイオンの展望などを伺った。 僕の人生において大事なことは、好奇心です。面白そうだと思うことは、何でもチャレンジしてきました。学生時代は格闘技、バイク、ウィンドサーフィン、スキー、オーストラリアでのスキューバダイビングやワーホリなど、新しいことに興味をもってチャレンジし続けていました。常にワクワク、ドキドキの学生時代でした。大学卒業後は銀行に入りました。決め手は人です。反骨精神のある変人が多く、おもしろそうだと思ったのです。19年間働いた後、投資銀行や証券会社などを経て現在に至ります。七転八倒しながらも乗り越えてこられた鍵は、やはり好奇心だと思っています。旧約聖書の教えにあるとおり、私たちが今持っているものは神様から与えてもらったものだから感謝し、活かしていかなければいけないと思っています。与えられたチャンスやご縁を活かしきることが僕の人生観です。そのためにいろいろなことにチャレンジします。リスクなど大してありません。もちろんうまくいかないこともありますが、失敗を恐れずに躊躇なくチャレンジし続けることが大事だと思います。夢中になれることに出会って、真剣に向き合いながら考え抜くことが一番楽しいと感じています。 ■お客様ニーズに合わせて進化する 銀行に勤務していたときに、イオンから銀行設立の相談を受けたのをきっかけに、イオンのアドバイザーとして数多くのM&Aや子会社の再生などに関わってきました。そして現在は、執行役として新しい事業を推進していくこと、ブランド価値を上げていくことに努めています。イオンは従業員約56万人、子会社約300社という巨大グループであり、大変多くのご縁をいただいております。こうした〝イオン生活圏〞のお客様を中心に、お客様目線で常にチャレンジを続けています。モール事業の牽引やイオン銀行の立ち上げ、海外での金融クレジットの推進なども同じ文脈に連なるものです。時代が変化するにつれて、お客様のニーズも変化します。マスマーケティングが通用した1980年代とは違い、現在は価値の多様化が進む〝個の時代〞です。多様化するお客様のニーズに応え、お客様目線でどこまで対応できるかが企業の成長につながります。イオンモールに多くの専門店が入っているのもそのためです。その時々のお客様が求めるものに合わせて変化していく、だからイオンモールは常に変化・進化していき、完成はないんです。イオンは2000年以降、売り上げ規模にして4兆5000億円相当のM&Aをやってきました。ニーズに合わせてさまざまな価値提供ができるよう、コンテンツを常に進化させています。 ■ECにチャレンジする生鮮食品 コロナ禍によってECの存在が大きくなってきています。ECで成功してきたものは、高額で軽いものです。その対極にある重くて安いもの、つまり生鮮食品は最もECに向かないカテゴリーです。温度管理や需要予測も大変難しく、大手でもまだまだこれからという状況です。このような中にあって、イオンは生鮮食品のEC化にチャレンジしています。「おうちでイオン」というネットスーパーで圧倒的なポジショニングを築き、さらにイギリスのOCADO社と提携して、大規模なフルフィルメントセンターの設置や効率的な配送の仕組み作りに大きな投資をしています。こうしたチャレンジもイオンならではであり、他のネットスーパーと大きく差別化できるところではないでしょうか。 ■ブランドイメージの転換 イオンは、これまでの安全・安心というブランドイメージに加え、笑顔を感じてもらえるようにしていきます。私は、これこそがイオンが目指すべき根本のテーマではないかと思っています。イオンは第一の理念として平和産業を掲げています。平和でないと笑顔がないんです。悲しみや涙に対して手を差し伸べたいと思うのは自然なことです。そこに笑顔が戻るのが生きる上で大切なことだと思っています。つまり、技術革新が目的になって環境破壊につながっては意味がないんです。みんなが幸せになるために努力していたはずなのに、その結果が笑顔ではなく苦しみが広がっているという現状になり、SDGsが叫ばれているんです。イオンは環境問題にいち早く取り組み、継続して木を植えています。これも笑顔に貢献するためです。結局、究極の目的は人々を笑顔にすることなのです。その軸を外してはいけないと思っています。 *message* 失敗を恐れずにたくさんチャレンジしてほしいです。自己満足ではなく、チャレンジして世界を広げていった結果、接する人を笑顔にしていける、そんな人生を歩んでいってもらいたいです。人を笑顔にするということを喜びに変えて挑戦し続けることは、実に楽しくてワクワクする人生だと思います。そこで大切なのは、神様から与えられた自分の才能や能力を認識して、それを活かすことです。どんな分野でも何のためにやっているのかを常に考え、人々を笑顔にしていくために、自分の才能を活かしていってほしいと思っています。 学生新聞2022年10月1日発刊号 上智大学4年 八木彩花

大学理事長・大使館

立教大学 総長 西原廉太

真理にこだわり、自分のオリジナルなものを持つ 立教大学 総長 西原廉太(にしはられんた) ■プロフィール1987年京都大学卒業。1994年聖公会神学院修了。1995年立教大学大学院文学研究科組織神学専攻博士課程(前期課程)修了。博士(神学)。1998年に立教大学文学部専任講師となり、助教授、教授、副総長などを経て、2021年4月より立教大学総長。 社会で活躍していくためには「真理とは何か」にこだわり続けることだという。たくさんの情報の中から本物を見抜く目を養わなければならない。そのためには実際に自分の目で確かめることが大切だと話してくださった。そしてファーストクラスの人間であれと説く立教大学の精神を西原総長に伺った。 ■どんな学生生活を過ごしてこられましたか 大学生の頃はとにかくたくさんの人と出会うことを意識していました。大学1年生のときに、先輩に誘われて子どもと遊ぶサークルに入りました。それは何かといえば、在日コリアンの子どもたちと公園で遊ぶというものでした。また、青果市場でアルバイトもしていたので、早朝にアルバイトをした後、大学で授業を受けてからサークル活動をするという毎日を送っていました。当時、社会から不当な差別を受けていた地域に住む子どもたちと出会うことで衝撃を受け、自分の生き方を考え直すようになりました。さらに、サークル以外でも沖縄に行って愛楽園という元ハンセン病療養所で暮らす方々からお話を伺ったり、北海道ではアイヌの人々と交流したりなど、たくさんの人との出会いがありました。そのようなさまざまな環境や文化の中で生きている人たちと触れ合うことで、自分は何者なのかを考えるようになりました。 ■総長の仕事とはどのようなものなのですか 総長には教育・研究・学務の3つの仕事があります。教育は実際に授業をしたり、ゼミでは学生といっしょにさまざまな課題と向き合って解決方法を議論したりします。研究は論文を書いたり、研究に関する本を読んだりしています。大切なのは、良い教育者は良い研究者であるということです。教育者としての教員は、研究を続けて常に新しい情報を学生に届けなければならず、授業もよりわかりやすく伝える工夫をしていかなければなりません。また、エデュケーションという言葉がありますが、この言葉の語源はラテン語のエクスデュカーレに由来しています。外に引き出すという意味で、教員は生徒の可能性や能力を引き出さなければなりません。そのためには教育と研究のバランスが大切です。そして最後の学務ですが、これは大学の運営、つまりはプロデュースをすることです。そのためには実際に大学のビジョンを提示し、全ての学生や教員が安心して過ごせるように管理・運営をしています。 ■社会で求められる学生像をお聞かせください 大切なのは批判されることを恐れず、「真理とは何か」にこだわり続けることです。そして、自己の存在を知って他者の存在に気付き、そこから人間を学んで世界を読み解くことだと思います。つまり、常識や定説を疑い、オリジナルなものに触れるということです。デジタル・ネイティブである現代の若者は、疑問を抱くとネットで調べて分かった気になってしまいます。しかし、「本当にそうなのか?」と実際に見たり、経験したりして自分のオリジナルなものを持つことが必要です。英語の勉強もそのためにするものです。疑問の答えが日本にない場合、海外に行って本物を見て、直接自分で確かめるしかありません。しかし、そのためにはその国の言語がわからないと理解できません。英語はスコアを取ることが目標ではなく、日本語だけでは理解できない情報を得るために必要な言語なのです。そしてありふれた情報の中から本物を見つけ出すことができる人が社会で求められる人なのです。 ■大学生へのメッセージをお願いします 最後にこの言葉をご紹介します。「Do your best, and it must be fi rst class.」。これは戦後日本にアメリカンフットボールを紹介した、立教大学の教授でもあったポール・ラッシュ博士の言葉です。直訳すると「最善を尽くせ。そして、一流であれ」となります。その意味するところは、勝つことのみが目的ではなく、与えられたミッションに対して最善を尽くす、そのプロセスこそが大事なのだと。その取り組む姿勢、そのふるまいをもって一流たれと。 学生新聞2022年10月1日発刊号 立教大学4年 須藤覚斗

学生新聞インターン

作家 赤川次郎

好きなことを仕事にできる幸せ。70年以上変わらない想い 作家 赤川次郎(あかがわじろう) ■プロフィール1948年、福岡県生まれ。1976年『幽霊列車』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。1980年『悪妻に捧げるレクイエム』で角川小説賞、2016年『東京零年』で吉川英治文学賞を受賞。『セーラー服と機関銃』『ふたり』『いもうと』『天国と地獄』など著書多数。 ■小説家になろうと思ったきっかけは何ですか 実は一度も「作家になろう」と思ったことはないのです。というのも、手塚治虫さんの漫画に影響を受け、小さい頃から物語を作るのが好きでした。3歳のころから中学校に上がるくらいまで漫画を描き続けていたのですが、絵の力が追い付かず、我ながら下手だなと思って描いていました。デッサン力のなさを嘆いていた中学3年生の頃、『シャーロック・ホームズの冒険』という本に出合ったのです。それまでは意味も分からずに難しい本ばかり読んでいたのですが、人を楽しませる小説があることを知って、こういうエンターテインメントものなら自分でも書けるのではないかと思い、小説を書き始めました。それ以来、60年間ずっと書き続けています。最初はともかく好きで書いていただけで、どこかに投稿するという意図は全くなかったのですが、高校卒業後の就職先で出会った同僚から詩集を出そうと誘われ、自分たちで作ったものを会社の社員に配ったのです。そうしたら「面白いね」と言ってもらえて、自分の書いたものを面白がってくれる人がいるのだと思い、それがきっかけで脚本や小説の募集に応募するようになったのです。 ■小説に対する思いを聞かせてください もともと物語を作るのも話を書くのも趣味なわけですから、趣味を仕事にできるのは本当に幸せなことです。締切があるので何でも好きなようにはできませんが、締切がないと書かないですからね(笑)。小説を書く上で大切にしていることは、読者に媚びないことです。エンターテインメントですから、読者に喜んでもらうのは大事なことですが、媚びるのとは違います。媚びてまで書くようになれば、書くことを楽しいと思えなくなってしまいます。そうなればおしまいです。やはり自分の好きなことを好きなように書き、それで読者がついて来てくれればありがたいなという思いでおります。 ■大学生へのメッセージをお願いします 本を読んだり美術展に足を運んだりして、人生の先輩たちが素晴らしいといったものの変わらない良さを見つけてほしいと思います。良いものにいつも触れているというのは大事なことです。自分がとてもかなわないと思うものに出会っておくことで人は努力をするようになるものです。 学生新聞2022年10月1日発刊号 東京農業大学3年 畑千絢

和田真帆

GMOインターネットグループ株式会社 取締役 グループ副社長執行役員・...

乗り越えられない試練はない。その先に新しい世界がある GMOインターネットグループ株式会社取締役 グループ副社長執行役員・COO グループ代表補佐 グループ人財開発統括西山 裕之(にしやま ひろゆき) ■プロフィール神戸大学中退後、(株)リョーマを創業し起業家として活動。1999年にグループジョインし、まぐクリック(株)〈現、GMOアドパートナーズ(株)〉を364日(当時の史上最短上場記録)でNASDAQジャパン〈現、JASDAQ〉への上場を果たす。2015年にGMOインターネット(株)〈現、GMOインターネットグループ(株)〉取締役副社長に就任。COOとしてグループ代表補佐および人財開発部門統括を務める。 インターネットインフラを中心に事業展開をしているGMOインターネットグループ株式会社。1995年に創業し、2051年までに売上10兆円、利益1兆円、会社数207社、パートナー(社員)20万人の目標を掲げる。創業期に宣言したこの55ヵ年計画に向かって邁進する西山COOに、自身のキャリアと共に会社の成長戦略を伺った。 大学に入ってしばらく生活をしていたら、就職のためというのか、いわゆるいい会社に入るために大学に来ているような違和感を覚えました。そう思い始めると大学では刺激がなくなり、学校外に活動の場を求めるようになり、合宿免許の斡旋ビジネスを仲間とやり始めました。このような形で最初は大学に籍を置きながらビジネスを始めたのですが、結局、大学を中退し、事業の道を選びました。その理由は自分自身、学業と事業の二股は中途半端だと感じていたことと、父親に「大学に籍を置きながらいつでも逃げられるような環境でやっていてその業界で戦っているプロに勝てるのか?」と言われたことからです。「大学卒業」というタイトルは自分にとって本当に必要なのかを考え、この決断をしました。 ■運命を変えた熊谷代表との出会い 大学を辞めた後は、時代を切り開くような存在になりたいという願いを込めて「株式会社リョーマ」を立ち上げました。しかし、会社は軌道に乗らず、最終的には売却したのですが、このときの仲間は今でもかけがえのない盟友です。その後、30代になり再び会社を立ち上げ、出版や音楽などのメディアコンテンツを提供する会社を経営している中で、現グループ代表の熊谷と出会い、一緒にやらないかと誘われたのです。熊谷からは「インターネットは革命だよ!革命に参加しなくてどうするの?」と言われました。そのときは自分の会社もあったので正直迷いました。しかし、インターネットが普及したらすごいことになるというワクワク感があり、面白いことができるのではないかと思いました。それ以来、「すべての人にインターネット」。この理念でずっとやってきています。 ■できる人が集まる仕組みをつくる GMOインターネットグループの魅力を一言で表せばベンチャー企業の集合体であることです。「自分たちが全てをやるのではなく、やれる人が集まれる仕組みをつくる」ことがグループの役割だというのが基本にあります。なぜそのようなスタイルを取ろうと思うかというと、インターネットサービスは無限大であり、いろいろな方向に広がっていきます。一人で考えられることは限りがあります。それよりも専門家たちが集まる仕組みをつくり、会社を利用してもらう方が成長戦略を描くにははるかに大切だと考えているからです。私たちはこれを「梁山泊経営」といっています。 ■No.1&STEAM人財採用 〜新卒年収710万円プログラム〜 「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」を立ち上げたきっかけはコロナ禍です。2011年の震災を契機に、毎年、避難訓練やリモート環境で仕事をする訓練を行ってきました。そのため他に先駆けていち早く全面リモートワークに切り替えられたのですが、実際にやってみるといろいろな問題が出てきました。たとえば捺印です。ハンコを押すために感染の危険を冒して出社しなければなりませんでしたが、私たちには「電子印鑑GMOサイン」というサービスがあります。印鑑廃止の方針から2日後には印鑑を完全廃止しました。これだけでも出社のための時間は削減できますし、捺印作業自体も数秒で終わります。このように、コロナ禍を機に始まったリモートワークで課題の洗い出しと共に業務の棚卸しを行いました。そして一人ひとりが生産性を高めることで生まれた利益はパートナー(従業員)に還元し、給与をナンバーワンの水準にしていくことを決定しました。私たちは100年単位で継続する企業グループを目指しています。そのための人財投資に還元することにしたのです。その一環として、STEAM人財と呼ばれる次の世代を支える人財に集まってもらうために立ち上げたのが「No.1&STEAM人財採用〜新卒年収710万円プログラム〜」です。これまでにないイノベーションに対し、まずやってみよう! と自ら動く行動力を持つ皆さんに、ぜひ挑戦していただきたいと思います。 *message* 今の時代、昔よりも仕事が増えて「生きていくのに困らない時代」になっています。そこで大切なのは「怖がらず自分に自信を持って勝負できるかどうか」だと思います。新しいことに挑戦してみた結果うまくいかなかったとしても、必ず別の方向に道は開けるものです。GMOイズムのスピリットベンチャー宣言にあるのですが、あなたに解決できない問題はそもそもあなたに起こりません。自分が課題だと思うことは誰かが期待しているから課題になるのです。何があっても今の私にできるギリギリの範囲なのだと思って、乗り越えた先の新しい世界を見てみたいと思いませんか? 学生新聞2022年10月1日発刊号 日本大学3年 和田真帆

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衆議院議員 前経済産業大臣 萩生田光一

日本は資源が乏しく「人材力」が重要。人を育てるための給付金制度を確立 衆議院議員 前経済産業大臣 萩生田光一(はぎうだこういち) ■プロフィール2021年10月に経済産業大臣に任命され、産業競争力担当大臣、ロシア経済協力担当大臣、原子力経済被害担当、原子力損害賠償・廃炉等円滑化機構担当大臣を務めた。同年、自由民主党東京都支部連合会会長に就任。2003年の初当選から数えて現在6回目の当選で、これまで文部科学大臣、自由民主党幹事長代行、内閣官房副長官、内閣人事局長などを歴任。2022年8月、自由民主党政務調査会長に就任。 ■転換点となった高校時代の困り事 私が政治に興味を持ち始めたのは高校生の頃でした。ある日、先生が社会の授業中に「家のトイレが汲み取り式の人いますか?」と生徒に問いかけました。汲み取り式トイレとは、便器とつながるタンクに汚物を一時的に貯め、汲み取り業者が定期的に汚物を回収するトイレのことを言います。八王子にある我が家のトイレは汲み取り式であったので、先生の問いかけに何の躊躇もなく手を挙げたのですが、驚くことに手を挙げたのは私一人だったのです。当時の私は、都心の家庭はほとんどが水洗トイレだと思い、恥ずかしく感じるようになりました。後日、我が家も下水を引いて水洗トイレにしてほしいと親に頼みました。しかし、無理だと言われ、自ら役所に問い合わせをしたものの、やはり役所の人からも下水が引かれるのは10年後だと言われ、ひどく落ち込んだものです。そのとき、このような身近な問題や困り事を解決できるのは政治だと思ったのです。この出来事が私を政界へと導くきっかけになりました。 ■日本に必要な人材力を補う 日本は資源が乏しく「人」で勝負するしかありません。つまり、日本には人材力が必要なのです。だからこそ学生が学びに没頭できるように給付金制度の確立に尽力してきました。しかし、日本には人材の欠けている分野があります。たとえば、かつては日本のお家芸であった感染症の分野です。日本はコロナ禍において世界をリードするような感染症に対する研究成果を発表できませんでした。それは公衆衛生が整ったことで伝染病がなくなり、感染症の研究が減ったことが原因です。つまり、出番の少ない研究に力を注ぐ人材がいなくなってしまったのです。しかし、いついかなる時にその分野の人材が必要になるかわからず、欠けている分野に人が集まるように、奨学金を出すようにしています。これは国の施策ですが、学生にとっては人材が欠けている分野であればお金をかけずに学ぶことができ、その分野で輝ける可能性も高くなります。 ■大学生へのメッセージをお願いします 大学は勉強をするところですが、人とのつながりを作るところでもあります。コロナウイルスの影響でオンライン授業になってしまい、人と関わる機会が少なくなってきています。対面授業が始まった際は、是非人と会ってつながりを大切にしてください。 学生新聞2022年10月1日発刊号 津田塾大学3年 佐藤心咲

伊東美優

長澤まさみ 理想のゴールはまだまだ先、だからこそ走り続ける

女優 長澤まさみ(ながさわ まさみ)2000年第5回「東宝シンデレラ」オーディションにてグランプリを受賞し、同年女優としてデビュー。以来、話題作に多数出演。近年では『コンフィデンスマンJP』シリーズ、映画『マスカレード・ナイト』『SING/シング:ネクストステージ』『シン・ウルトラマン』など。最新作映画『百花』が公開中。10月より、主演ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」がスタート(カンテレ・フジテレビ系/月曜22時〜放送)。 12歳で受けたオーディションのグランプリ受賞をきっかけに芸能界デビューを果たし、数多くの作品で圧倒的な存在感を放っている長澤まさみさん。今年は4年半ぶりとなる連続テレビドラマの主演も決定した。そんな華々しいキャリアを持つ長澤さんに、日々心がけているマインドや仕事への想いなど、真摯にお話いただいた。 幼少期からよくドラマは見ていて、物語を楽しむということが好きでした。小学6年生の頃に事務所のオーディションに合格したのですが、当時はまさか自分が女優になれるとは思ってもいませんでした。 デビューして約1ヵ月後にすぐ映画の撮影が始まったのですが、とにかく周りの役者さんたちに付いていくのに必死でした。これは女優業に限らずどのお仕事にも共通して言えることですが、自分が求める理想のゴールにずっと辿り着かないことが仕事のやりがいだと私は考えています。それこそデビューしたての頃は、一つの作品を演じ切ることがゴールだと思って仕事をしていました。しかし作品が影響力を及ぼすのは撮影終了後です。作品を撮り終えることがゴールではなく、ゴールはその都度変わっていくものだと思うようになりました。ずっと先にあるゴールに向かって日々走り続けるからこそ、それがモチベーションとなって頑張れるのだと思います。 自分に素直に、〝等身大〞でいること 多くの人と関わる中で、常に等身大の自分で居続けることは難しいと思います。人と関われば自分の中にいろいろな感情が生まれるのは当然のことだからです。そして人は物事に真剣に取り組めば取り組むほど、たくさんの感情が能動的に湧き出るものだと思います。その中で私は自分の性格を理解することが凄く大切だと考えています。どんな状況のときに自分がどんな感情になるかを理解していれば、自分の感情をコントロールできるようになります。これは決して自分の感情を隠して人と接することではなく、自分の想いに素直になるための方法です。私も10代、20代の頃は感情的になりすぎてしまったりして上手くいかないこともたくさんありました。でも皆さん、もっと自分に素直になってもいいのです。その後に、そのときの自分を客観視して振り返れば、新たな発見や成長にもつながるし、自分のことをより深く理解するきっかけにもなります。 日々の生活が自分を形作る 忙しい中でも丁寧な暮らしを心がけています。身の回りの整理整頓や朝の掃除など、毎日行うことをルーティン化することで、自然と脳がスッキリするんです。やはり日々の生活は自分を形作るものなので、どれだけ時間がなくてもきちんとしようと意識しています。また、人と比べることはしません。 他人と比較して「自分なんて……」と感じてしまう経験、多くの人にあると思います。でもそれって自分のやる気を下げてしまうだけで、自分にとって何もプラスになることがないんですよね。どんなことも人それぞれペースがあるので、自分のペースで努力できていれば他人との比較は必要ないんです。  忙しいときこそ自分をじっくりと見つめ直すことが本当に大事だと考えています。自分のご機嫌を自分で取れるようになったら、人生もっと楽しく有意義になると思います。 ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』について お芝居ってその場限りの生ものなので、保存が効かないんです。その瞬間に撮れたカットは、細部まで完璧に再現することはできません。演者一人ひとりがどれだけ役作りをしても、共演者との化学反応によってまったく違うシーンになることもしばしばあります。だからこそ私はその化学反応を楽しみながら、そこにある感情と真剣に向き合うようにしています。また今回演じた役は、自分が求める「正義」に真っ直ぐ突き進んでいく女性の役なのですが、私自身とても共感の多い役でした。自分自身と演じた役の状況は違えども年齢的に同世代で、仕事に対して次のステップアップをしたいという想いは共通していると感じました。そしてこの作品は本当に個性豊かなさまざまなキャラクターが登場するので、どの世代の方にも共感していただけると思います。ぜひ毎週、楽しみにご覧いただきたいです。 外の世界を見る大切さ 今の学生はコロナ禍での学生生活で、多くの人が我慢の時期を過ごしていたかと思います。そして物事が制限される中で、考え方や行動も内向きになっている人が多いのではないでしょうか? そこで私がお伝えしたいのは、視野を広げて外の世界を見てみること。私が皆さんと同世代のときに衝撃だったのが海外との文化の違いです。当時は撮影で主にアジア圏の国を訪れる機会が多かったのですが、そのたびにたくさんの驚きがありました。そしていろいろな国の人と触れ合うことで、自分のモラルや考え方のみが正解ではないんだということを、根本から学ぶことができました。人との出逢いは本当にかけがいのないものです。ぜひ広い世界に自ら飛び込んでみてください。 学生新聞2022年10月号/小学生新聞2022年9月号 慶應義塾大学 3年 伊東美優 『エルピス―希望、あるいは災い―』(カンテレ・フジテレビ系・10月期・月10ドラマ)主演・長澤まさみ× 眞栄田郷敦× 鈴木亮平脚本・渡辺あや× 監督・大根仁による社会派エンターテインメント!スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーとバラエティー番組の若手ディレクターらが、死刑が確定した連続殺人事件の真相を追う!https://www.ktv.jp/elpis 写真撮影:カメラマン 広田成太 <英文記事> Actor Masami Nagasawa  The ideal goal is still far away; that’s why I keep running  ■Profile:  She was awarded the Grand Prix at the 5th ‘Toho Cinderella(東宝シンデレラ)’ audition in 2000 and debuted as an actress in the same year. Since then, she has appeared in...

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山本舞香 沢山の仲間と共に、自分らしく『表現者』として生きていく

女優 山本舞香(やまもと まいか) ドラマや映画、バラエティ番組などマルチに活躍しており、現在、Huluオリジナルドラマ『死神さん2』が絶賛、配信中。YTV10月期連続ドラマ『Sister』で主演:三好凪沙役を演じており、10月20日(木)23:59〜放送予定。 ◆『カラダ探し』の中で心掛けていたことは 私が演じた柊留美子は、一匹狼だけど心を許すと非常に仲間想いという人物でした。留美子とは私自身、共通点も多く、役作りに苦労することはありませんでした。撮影中は私たちキャストはもちろん、スタッフさんたちとも仲良くできるように常に考えていました。気まずい雰囲気で撮影しても良い作品にはならないと思っています。そうした想いから共演者・スタッフさんにも積極的に声をかけ、楽しく撮影できるようにしていました。その結果、海で出演者6人が遊ぶ場面など、本当に自然な笑顔が出てとても良いシーンになりました。本作品はホラーだけでなく、そうした学生らしい青春のシーンや魅力的なAdoさんの挿入歌などにも注目してほしいと思います。 ◆女優業の魅力とは 以前、私はうつ病を患っている方の役をさせていただいたことがあります。その役を演じることで、うつ病で苦しんでいる人がいることを多くの方に知ってもらうことができます。そうした発信力は女優業の魅力です。仕事をする中で時には他人を演じるが故に自分自身が分からなくなることや辛いと思うこともあります。そうしたときに、待ってくださっているファンの方がいることが励みになります。作品を見てアクションがすごいとか、キャラが好きだとか何か思ってもらえれば嬉しいです。 ◆学生へのメッセージをお願いします まず自分が何をしたいかを考えてみてください。そして心から信頼できる人を大切にしてください。また、なんでこの人はこう思っているのだろうかなど、相手のことを常に考えられる思いやりのある人になってほしいと思います。 ■取材を終えて 取材中、明るく笑顔で自分の考えをお話されている山本舞香さんがとても印象的でした。ネガティブな質問であっても全て等身大で答えてくださる山本さんの姿はとてもかっこよく、魅力的に感じました。自分らしくあることの大切さを学んだように思います。 学生新聞2022年10月号 明治大学 4年 山本真人 写真撮影:カメラマン 広田成太

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窪田正孝 お芝居は身を削りながらも作品を創り上げていくところに魅力がある

俳優 窪田正孝(くぼた まさたか)1988年生まれ、神奈川県出身。2006年に俳優デビュー。2022年は『劇場版ラジエーションハウス』『マイ・ブロークン・マリコ』『ある男』などに出演。2023年には『湯道』『スイート・マイホーム』の公開が控える。 ◆俳優になったきっかけは何ですか 学校は工業高校に通っていたのですが、その頃はまさか俳優になるとは想像もしていませんでした。昼間は学校で溶接や加工を習い、放課後は大好きなバイクに没頭する毎日でした。それを見兼ねた母親がオーディションに応募したのが芸能界入りのきっかけです。この仕事はたくさんの人に出会えるし、身を削りながら一つの作品を創り上げていく芝居そのものにとても魅力を感じています。 ◆『MIRRORLIAR FILMS Season4「おとこのことを」』についてお聞きします 作品のテーマとして「引き算」を意識しました。音だけ、表情だけというように、無駄なものはできるだけそぎ落とした作品になっています。マネージャーに直談判し、「この仕事をやりたい」と伝えました。この作品では初めてロケハンに付き添ったり、制作段階も少し見学させてもらいました。完成した現場から参加するこれまでの撮影とは違う感覚にもなりました。人と分かち合うことで物事の見え方が変わり、今まで感じ取れていなかった楽しさを見つけられたと思います。映画の制作に関われたことでまた違った表情や動作が映像に映ったのではないかと思います。 ◆大学生へのメッセージをお願いします どんなときも自分を見失わないでください。今までコンプレックスだと思い込んでいたものも視点を変えれば個性という武器になります。どんなことがあっても自分自身には嘘をつかず、自分のために生きてほしいです。あなただけの人生をエンジョイしてください! ■取材を終えて 鍼灸学校に通っていることに触れてくれたことがとても印象的でした。プライベートなお話も隠さずに話してくださり、私生活上からもお芝居にかける情熱を感じました。非常に誠実にお話をしてくださり感激しました。 学生新聞2022年10月号 関東鍼灸専門学校 3年 竹原孔龍 映画『MIRRORLIAR FILMS Season4』「おとこのことを」全国公開中CAST:窪田正孝・池谷のぶえ・キムラ緑子 監督:水川あさみ 写真撮影:カメラマン 伽賀隆吾

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家入レオ 本音で生きること。本当の自分をさらけ出して生きることに真の...

アーティスト 家入レオ (いえいり れお)2012年2月メジャーデビュー。以降数多くのドラマ主題歌やCMソングなどを担当。デビュー10周年を迎えた今年はベストアルバムの発売や10周年記念ライブ、配信シングルのリリースなど精力的に活動中。10月からは全国ツアー「8th Live Tour 〜THE BEST 〜」の開催が決定している。 ◆歌手になったきっかけは何ですか 小さいころから歌うことが好きで漠然と歌手になりたいと思っていました。13歳のとき、尾崎豊さんの「15の夜」を聞いて、歌は歌うこと以外に作ることもできるのだと気付き、シンガーソングライターを志しました。芸事を生業にするのは容易なことではないけれど、母が「想像できることはすべて実現できる」と小さいころ教えてくれました。私は歌がうまいから歌手になれたのではなく、歌が好きだから歌手になれたんじゃないかなって。自分自身が夢を現実にしたいと動き出したたときに夢は叶うと思っています。 ◆人生において大切にしていることは何ですか 本音で生きることです。学生時代、悪気はないのですが、話す友達によって言動を変えている自分がいました。多分、本当の自分を知られることが怖かったのです。今は、自分らしく生きること以上に楽しく生きる道などないと思っています。また、よく悩むことも大事だと思っています。最初から答えが出るわけではないですし、立ち止まった分だけその人の味になっていきます。私は歌手に向いていないのではないかと悩んでいたときに、保育園で職業体験をする機会がありました。そこで青いレジャーシートを広げたときに、「海が広がっているね」と表現した子どもがいました。この経験からも日常で感じたことを歌にして届けていきたいと思いました。 ◆大学生へのメッセージをお願いします やりたいことは全部やってほしいです。たとえそれが間違っていたとしても、向いていなかったなと感じてもいいと思います。また、自分のやりたい事を誰かのために、と諦めないでほしいです。それがたとえ親であっても自分の人生を歩むのは自分だから。アドバイスには耳を傾けつつも最後は自分で決断することが大事な気がします。 ■取材を終えて 今回の取材では「家入レオ」という作品に触れることができたように思います。言葉の一つひとつに想いが込められていて、読者の皆様に十分それをお伝えできたかと言えばはなはだ心もとなく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。 学生新聞2022年10月号 中央学院大学 4年 田根颯人 2022.9.28 ReleaseDigital Single「Pain」

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株式会社ワールドインテック 代表取締役 社長執行役員 栗山勝宏

仕事を通してプロフェッショナルになることが大切 株式会社ワールドインテック 代表取締役 社長執行役員 栗山勝宏(くりやま かつひろ) ■プロフィール1967年生まれ。茨城県出身。1994年から半導体製造のアウトソーシング業界に入り、一貫してキャリアを積み重ね、2014年株式会社ワールドインテック入社。中国に合弁会社設立やアメリカに独資会社の設立等を得て、2021年同社代表取締役執行役員就任。趣味はゴルフ。 「人が活きるカタチ」の創造を目指し、ものづくりに関するさまざまな事業を行っているワールドインテック。新卒採用の数はグループ全体で1500人にも上り、新時代を作り出す企業といえる。大切なのは探究心を持つことだと語る栗山社長から、自分は何をすべきかについて悩む全国の大学生に向けてメッセージをいただいた。 私が大学生のころ、時代はバブル期の終わりで、日本の未来がどうなるか分かりませんでした。当時のアメリカは日本に比べて経済も進んでいました。そこで、日本の将来がどうなっていくかを勉強しようと思い、アメリカの大学に進学しました。田舎の大学でしたので、周りに何もない環境で大学生活を送りました。アルバイトは友達の家の牧場の手伝いです。牧場では長くなった牛の角を切り落としたり予防接種をしたり、牛の移動などが主な仕事でした。アメリカの友人たちは普段は能天気なことばかり言っているのですが、自分の興味があることは熱く語り、物事を深く追求していくのです。そのような彼らの姿を見て、探究心の大事さに気づかされました。当初は語学力がなくて何を言っているのか分りませんでしたが、みんなとコミュニケーションを取る中で英語を習得しました。英語がわかるようになってからはビジネスマネジメントを学ぼうと思い、経営学を勉強しました。 ■世界に誇る日本のものづくりを支える 日本に帰ってきたときは景気が非常に悪く、アメリカの大学の卒業時期が半年ずれていたので就活は出来ませんでした。そのような中で近所の半導体工場が社員募集をしていたのです。半導体は将来性があり、次世代に続くという考えからその会社に就職したのですが、製造請負のアウトソーシングの会社でした。会社では、衛星回線を使って世界中の工場とやり取りしていて、自分は英語力を買われて仕事を任されるようになりました。私が半導体の工場の責任者になった時期は、プラザ合意で日本の半導体メーカーは厳しい状態に陥っていました。その解決策として構造改革を推進し、工場内での生産や品質を高めて効率化を図るという動きになりました。その後、日本中の半導体の会社をまわって自分たちの取り組みの内容を説明する、製造請負の営業をしていました。そんなときにワールドインテックに出会ったのです。気が付けば30年以上の間、今の業界で日本のものづくりを支える仕事に従事しています。日本人のものづくりに対する考え方や探究心はすばらしいと思いますし、世界に誇る日本のものづくりを現場から支えられることに喜びを感じます。いろいろなプロジェクトに携われる使命感や社会的意義は非常に大きいです。社員も以前の経験に今の経験をさらに上乗せして成長することができます。そういった社員の成長を間近に見ることが出来るのが嬉しいですね。 ■人が活きるカタチを創造する 当社は何度も景気の上がり下がりを経験しているので、今回のコロナ過においても社員を守ろうという方針を出し、増収にもつなげました。このように、当社を取り巻く環境は厳しいながらも追い風を常に感じる環境で仕事をしています。日本の製造業にさまざまなプロジェクトを通して関わることができるため、ワールドインテックならではの成長を感じられるのが魅力です。また、キャリアパスを人生のイベントに合わせて進めることが可能なところも他社との差別化になっています。若い世代には最先端の現場で活躍してもらい、子育て中は同じ会社に在籍しながら働き方を変えられ、経験豊かな社員は次世代の育成や管理職として関われる。そういった多種多様な働き方が用意されています。これこそが当社のDNA「人が活きるカタチ」の創造です。仕事は個人プレーでは出来ません。チームワークを大事にし、人をいたわる気持ちを持てる人と一緒に働きたいです。チームで力を結集し、会社全体で結果を出せることを目指しています。また、人と人の関わりが好きな人や好奇心旺盛な人もワールドインテックに向いていると思います。会社の仕事を通してプロフェッショナルになってほしいという思いがあるので、何事においても常に好奇心を持って深く技術を探究できる人になってほしいと思います。2022年からの第二次中期計画にも示していますが、それぞれが持てる力を発揮して世界中の人と仕事をしていきたいと思います。以前から取り組んでいるSDGsにも全力で取り組み、より加速させていきます。社会にはさまざまな課題があります。我々は業務を通じて課題解決ができる会社になっていきたいと思います。そうすることで社会的に意義のある仕事に関わっていることを実感し、働いている意義も感じられる、もっといい会社になると思います。 *message* 学生時代に将来やりたいことや好きなことが分からず、悩む人は多いと思います。でも安心してください。私を含め多くの先輩方もそうだったと思います。会社に入って仲間に出会い、思いやりの気持ちや探究心を持つようになって、仕事を極めることで周りから認められるようになっていきます。社内外でも認められるようになると、将来に対して展望や希望が見えるようになり、自分の中での変化が起きてきます。失敗しても大丈夫です。環境を変えることで違う面白さが見つかります。自分の役割を見つけるために、失敗を恐れず前に進んでいってほしいです。 学生新聞2022年10月号 明治大学 4年 酒井躍