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Archive for 運営スタッフ

学生新聞インターン

株式会社福島野球団 代表取締役 岩村明憲(福島レッドホープス 監督)

野球で福島を盛り上げたい。目指すは“サーカス団” 株式会社福島野球団 代表取締役 岩村明憲(福島レッドホープス 監督)(いわむらあきのり) ■プロフィール 1996年ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。ゴールデングラブ賞、ベストナイン、日本シリーズ優秀選手賞受賞。WBCにて2006,2009年金メダル獲得。2007年MLBデビルレイズに移籍し、2008年ワールドシリーズ出場に貢献。2011年NPB(楽天)に復帰。以降はヤクルト、BCリーグ福島へ移籍、2017年現役引退。 プロ野球独立リーグのベースボール・チャレンジ・リーグに所属する福島県のプロ野球球団「福島レッドホープス」。球団の運営、監督を務めるのは、ヤクルトスワローズやアメリカ・メジャーリーグでも大活躍した元プロ野球選手の岩村明憲氏だ。今回はプロ野球選手になるまでの過程、球団経営の難しさ、福島への想いについて伺った。 ■バットを振り続けた学生時代 幼少期の頃から、父と3個上の兄の影響を受け、自然にバットとボールを持っている学生でした。そして野球中継を見る中で活躍する選手に憧れて自分もプロ野球選手になりたいと思うようになりました。過去を振り返ってみると、高校時代の練習は二度とやりたくないほど厳しい環境でした。6時間の勉強、6時間の練習、その後の個別練習という日々です。何回か日を跨いで帰宅することもありました(笑)。何度も「辞めたい」と言ったことがありますが、プロ野球選手という夢を叶えるために我慢しないといけないことがある。我慢の先に夢があるからこそ、厳しい練習でも頑張って続けることが出来たと思っています。 ■バット1本で雰囲気を変えたプロ野球選手時代 サヨナラホームランなどをはじめ、バット1本でその場の雰囲気を変え、多くの方に自分のプレーを注目してもらえるNo1の選手になりたいと思っていました。日本と世界といった環境に違いはありましたが、この目標は日々意識していたことです。日本でも海外でも強いチームや強い選手の戦い方を学んだり、自分がどういう立ち位置になるのが最適かなどを探し続けたりしていました。 ■責任が伴う球団経営 「雇われている方が楽だったな」と感じることが頻繁にあるほど、経営は難しいです。売上の8割はスポンサー収入になっていて200社がスポンサーになってくださっています。ただ、監督業も兼業していることからお会いできていないスポンサーさんもいらっしゃるのが現状です。そこで出来る限り食事をする機会を作ったり、共通の趣味であるゴルフでラウンドする時間を設けたりしています。ゴルフでは約6時間を一緒に過ごすので人間性が出ます。そこで自分という人間を理解していただきながら、今期の反省点や来期以降の目標を伝えたりして、納得していただけるように尽力しています。 ■選手の個性に苦戦する監督業 何に興味を持っているのかわからない20代を相手にするのは、正直、難しいことが多いです。ですが、遊びではなくお金をもらい野球をするプロとして、注意されることが少ない世代にも厳しいことを伝えています。わざと1回失敗を経験させ、悔しい感情を向上心に変えさせるタイプ、褒めることでより頑張ってもらうタイプ、あえて厳しく伝え反骨心で頑張ってもらうタイプなど、個性に合わせて指導方法を変えています。もし心が折れてしまった選手が出てしまったならば、主に2つのことを伝えています。1つ目は本当に後悔しないかをきちんと考えてもらうことです。これまで投資してきた時間や周りが応援してくれたことを鑑みて、心の底から後悔が無いと言えるかを考えてもらっています。2つ目はどんな選手もミスをすることはあるということです。最近では大谷選手が凄いと言われていますが、生まれた瞬間から大谷選手として仕上がっているわけではないです。どんなに凄い選手でもミスはしますし、ミスは自分を成長させるチャンスであると伝えています。また、プロ野球の世界では3割打者で凄いと言われています。つまり7回失敗できるのです。これは通常の社会人だとクビになりかねない話だと思っています。そのため1回でも失敗を減らせるように自身の経験談を伝え、指導をしています。 ■福島の魅力を広める“サーカス団“に 福島レッドホープスが拠点としている福島は、東日本大震災の原発事故によって、本来なら受けなくてよい被害を受けてしまいました。愛媛県出身である私が福島レッドホープスの監督をさせていただくことになった理由も震災が関係しています。被災地巡りをしていた際、罹災証明書を保管するクリアファイルにサインをしてほしいと言われたことがありました。「こんな大事なものにサインすることは出来ません」と一度断ったのですが、「あなたのサインで私も頑張れる」という言葉をいただき、野球選手をやっていて良かったと心から思いましたし、何か力になりたいと思いました。そしてご縁があり監督、オーナーになったのですが、今後は福島県内、全国を回りサーカス団のような各地域を盛り上げる存在になりたいと思っています。NPBプロ野球もありますが、基本的に地方へ来るのは年に1回です。そこで福島レッドホープスが地域を回り、娯楽として地域創生の一助になりたいと思っています。ビジター戦で他県に出向く際には、食物などで風評被害を受けてしまった悪いイメージの払拭を引き続き継続していきたいです。 ■大学生へのメッセージ 学生の時間は人生で何年かしか経験できない貴重な時間だと思っています。そのため、色々な人と出会い、そのご縁を大切にしてほしいです。もちろん何かで失敗してしまうこともあるかと思いますが、それも経験にしてほしいと思います。また、私の座右の銘は、何事も苦しむことが礎になるということを指した「何苦楚魂」です。寝て起きてプロ野球選手、社長になっている人は誰もいないので努力をして苦しむことも必要だと思っています。寝る間を惜しんで努力をしないといけない時期もあるかもしれませんが、歯を食いしばって耐えることが大事です。最後に伝えたいこととしては、是非福島に遊びに来て欲しいです。東京に一極集中して大変な状況になっている現代、地方を盛り上げる要素の一つにスポーツ、娯楽があると思っています。そのため、福島レッドホープスの試合観戦、温泉地巡り、美味しいものを食べに福島へ遊びに来て欲しいです。 学生新聞オンライン取材2022年11月3日 中央学院大学4年 田根颯人 / 武蔵野大学3年 西山流生

学生新聞インターン

坂ノ上茜 自分の軸を大切に、好きなことを全力で

女優 坂ノ上茜(さかのうえあかね)「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で俳優・ルックス部門賞を受賞。2015年、テレビ東京「ウルトラマンX」のヒロイン・山瀬アスナ役で女優デビューを果たす。ドラマTBS「チア☆ダン」、月9ドラマ「監察医 朝顔」 、映画「見えない目撃者」、「きみの瞳が問いかけている」などに出演。2022年7月公開の「愛ちゃん物語」にて初主演。バラエティでは、2017年よりTBS系列「王様のブランチ」レポーターを約4年半にわたり担当し、2021年3月に卒業。現在、BS-TBS「町中華で飲ろうぜ」にレギュラー出演するなど、幅広く活躍している。2021年には1st写真集「あかねいろ」(光文社)を発売。2022年8月にはデジタル版も配信。ヒロインとして出演する「BAD CITY」が公開。 事務所のオーディションでの受賞をきっかけに芸能の世界に足を踏み入れた彼女は、「チア⭐︎ダン」「監察医 朝顔」など女優としての活躍はもちろん、「王様のブランチ」のレポーターや「町中華で飲ろうぜ」のレギュラーなどバラエティ番組にも活躍の幅を広げている。そんな彼女のお仕事への取り組み方と今回初挑戦だというアクション映画「BAD CITY」について伺った。 テレビの世界に憧れて私は熊本県が地元で、小さい頃エンタメに触れる機会といえばほとんどがテレビでした。そんなこともあり、放送されているドラマで曜日を把握するくらいのテレビっ子で、生活の中心がテレビといってもいいくらいでした(笑)。なので、そんな大好きなテレビの世界に入ってみたいという漠然とした夢を持つようになり、13歳のときに現在所属しているアミューズの全国オーディションに母に頼んで応募してもらったことが今のお仕事を始めたきっかけです。ありがたいことに賞をいただくことができ、アミューズに所属することになりました。ただ、高校生までは地元にいて基本的にはいわゆる普通の高校生活を送り、大学進学と同時に上京し本格的にお仕事を始めました。大学では映像メディアなどを学び、お仕事に直結する内容も多かったのでとても楽しかったですし、教授や友達にもとても恵まれていたと思います。それでも、学業とお仕事の両立は簡単ではなく、特に大学4年生の頃は大変でした。「王様のブランチ」のリポーターやドラマと、お仕事が忙しくなってきた頃に、卒論提出や4年生で必須の単位を取らなきゃいけなかったんです。お仕事の移動時間にスマホでwordを開いてレポートを書いていた記憶があります(笑)。友達や教授、事務所など周りの人が助けてくれたり応援してくれたりしたお陰で乗り越えることができました。とてもありがたかったですし、人の温かさに触れることができて嬉しかったです。このお仕事は、撮ってもらった作品を人に見てもらう仕事なので、やはりそれを見てくれた人から反響が返ってきたときが嬉しいですし、やりがいだと思います。特に、CMや地上波に出演して実家で家族が見てくれて、頑張ってるねと言ってもらえると1番励みになります。また、SNSなどを通してファンの方から感想を頂いたり、新しいCMが始まったときに、自分よりも早く見つけて報告してくれることもあって、とてもありがたいです。 初のアクション映画「BAD CITY」今回出演させていただく「BAD CITY」は、ある犯罪都市を舞台に、巨大財閥と、巨大財閥に癒着して悪の限りを尽くす韓国マフィアに立ち向かうために、秘密裏に結成された特捜班が奮闘するお話です。私は特捜班の1メンバーで新人の野原という役を演じています。アクション映画なので、もちろん1番の見どころはアクションや乱闘シーンの迫力です。まばたきする暇もないようなシーンの連続で見逃さずに見てほしいのですが、それだけではなく、キャラクターひとりひとりの個性が立っていて、人間模様も熱く描かれているところもぜひ見ていただけたらと思います。野原も最初は新人刑事でポンコツで怒られてばかりですが、あることをきっかけに強くなり成長していく姿を感じられるストーリーです。私にとって初めてのアクション映画で、錚々たる方々が出ている中、現場でいろいろと教えてもらいながら撮影したので、野原と私自身にも少し似たような部分があったように思います。もともと、デビューの時、特撮の「ウルトラマンX」のヒロインとしてアクションをやったことがあり、アクションって楽しいなという漠然とした思いから、アクション作品に出てみたいと考え、個人でレッスンを受けていました。これから頑張ろうと思っていた矢先、この作品のオーディションがあり、出演させていただけることになりました。気持ちとお仕事が合ういいタイミングでしたし、思ったよりも早くアクション映画に関わることができて嬉しかったです。出演にあたって、週3でアクションレッスンを行いました。監督がスピード感、テンポ感を重視される方で、今まで教わってきたアクションとは違い、アクションにもいろんな型があり奥深いものだと感じました。そんな中、クランクイン2日前の練習中に脱臼してしまったんです。本番では、テーピングしてアクションしたのですが、それがちょっと痛くて大変でしたね。ただ、アクション部の人が痛くないようにとテーピングしてくれたり、主演の小沢仁志さんから声をかけていただいたりと、人に助けられているなと改めて感じることができました。現場は、少し昭和気質というか、「体力・気力・根性」という感じで今のご時世ではなかなかない雰囲気でしたが、経験できてよかったと思います。遊び心がいっぱいで、何よりみんなが映画を愛している素敵な現場でした。 好きを大切に私は興味があること、やりたいことってたくさんあってもいいと思うんです。そして、そんな好きなことや興味があることはどんどん口に出した方がいいと思います。実際、私はアクションやりたいなと思ってトレーニングを受けて準備をして、そんな思いを口にしていたから今回の作品に縁があったと思いますし、取材でお酒が好きと言っていたから、「町中華で飲ろうぜ」というお酒を飲みながら町中華を紹介する番組に出させていただくきっかけに繋がりました。地元が好きだと言い続けていたら、今ではラジオで地元のお酒を飲みながらトークする番組のパーソナリティーをやらせていただいています。シンプルですが、周りがこの子はあれが好き、あれがやりたいと知ってくれていると声をかけてくれるんですよね。そもそも、このお仕事を始めたきっかけもテレビの中の人になりたいと言っていたことからですし、好きが仕事に繋がっていくのだと実感しています。だからこそ、自分が楽しい・好きと思うことを大事にお仕事しています。今後もアクションはもっとやりたいです。アクション映画を作る際、候補に自分の名前があがるようになったら嬉しいですね。あとは、やっぱり地元が大好きで定期的に帰りたいので、地元でレギュラーができるといいな(笑)。熊本でももっと自分を知ってもらえるように頑張っていきます。 大学生へのメッセージ大学生は忙しいかもしれませんが、時間の使い方が自分次第になる時期だと思います。興味があること、好きなことにはチャレンジして極めて欲しいなと思います。同時に、人生の選択肢がたくさんあるからこそ、いろいろなことに悩む期間でもあると思います。でも、悩めるというのは選べるということ。不本意な気持ちじゃなかったら、前向きにアクションを起こしていくとより良い生活になっていくのではないでしょうか。 東洋大学 3年 濱穂乃香 ■インフォメーション 新宿ピカデリーにて、1月20日(金)18:30-の回の舞台挨拶に登壇!登壇(予定):小沢仁志、坂ノ上茜、勝矢、圭叶、山口祥行、加藤雅也、かたせ梨乃、園村健介監督 映画「BAD CITY」小沢仁志坂ノ上茜 勝矢 三元雅芸中野英雄 小沢和義 永倉大輔山口祥行 本宮泰風 波岡一喜 TAK∴壇 蜜 加藤雅也 かたせ梨乃 リリー・フランキー 製作総指揮・脚本:OZAWA × 監督・アクション監督:園村健介主題歌:クレイジーケンバンド「こわもて」(doublejoy international/UNIVERSAL SIGMA)制作プロダクション:ソリッドフィーチャー 配給・宣伝:渋谷プロダクション © 2022「BAD CITY」製作委員会ヘアメイク:塩田勝樹(Sui)スタイリスト:豊島今日子 2023年1月20日~新宿ピカデリー他にて公開 公式サイト:www.badcity2022.comTwitter:www.twitter.com/BADCITYMOVIEFacebook:www.facebook.com/BADCITY2022/

大塚美咲

有限会社秋山木工 代表取締役 秋山利輝

人を喜ばせる、人として一流の職人を育てることが天命 有限会社秋山木工 代表取締役 秋山利輝 (あきやまとしてる) ■プロフィール1943年、奈良県明日香生まれ。中学卒業とともに家具職人への道を歩き始め、1971年に有限会社秋山木工を設立。秋山木工の特注家具は、迎賓館や国会議事堂、宮内庁、有名ホテル、高級ブランド店などでも使われている。2010年に一般社団法人秋山学校を設立、代表理事を務める。人間性を重視した独特の職人育成制度は業界の内外から注目を集め、国内からはもちろん、海外からも見学に訪れている。著書に「丁稚のすすめ」(幻冬舎)、「一流を育てる」(現代書林)、最新刊に「人生を輝かせる親孝行の心得」(PHP研究所)、関連DVDにドキュメンタリー映画「丁稚 わたし家具職人になります」(オルタスジャパン)がある。 人間性を重視した独特の職人育成で知られる、天然木の無垢家具メーカーである秋山木工。『一流を育てる』などの書籍でも与に知られるのが、秋山木工の代表取締役である秋山利輝氏。学生時代から「ものづくりで人を喜ばせることは大好きだった」と語ります。「天命に生きる」とは何か。なぜ人間性を重視することが大切なのか。ものづくりに掛ける人生談を取材しました。 ■勉強は大の苦手。「ものづくり」が当時芽生えた天性の才能だった。 学生時代は本当に何も考えていなかったですね。小学校1年生から中学を卒業するまでの9年間、本当に成績が悪くて赤点続きでした。自分の名前を漢字で書けるようになったのも中学2年生。そんな人見たことないでしょ(笑)。当時中卒で働き始めることはそこまで珍しいことではありませんでしたが、もし私が高校受験をしていたとしても受からなかったと思います。高校進学は全く考えておらず、早く社会に出て家族のために働きたいという想いしかありませんでした。通信簿はボロボロの私でしたが、ものづくりだけは大の得意でした。テーブルや椅子を作り、時には家の修繕をすることも。台風が来たときは近所の修繕に引っ張りだこ。小学生からアルバイトとして修繕の仕事をやっていました。得意な分野で周りから頼られることは嬉しくてたまりませんでしたね。 ■無我夢中に働いた下積み時代。付けられたあだ名は、「吸い取り紙の秋山」。 ものづくりを社会に出てからも本業としてやっていこうと決めたのは、中学2年生の時。村のおじさんやおばさんたちに「指物屋さんになるのよね」と当たり前のように言われたことがきっかけです。「手に職さえつけておけば、どんな時代が来ても困らないからね」という村の人たちからの言葉は今でも忘れません。中学を卒業し、社会人として働き始めた当時から「生きる道はこれしかない」と思っていましたから、とにかく夢中になって働きました。小学生の頃からお金をもらってやっていたほどの仕事ですからね。僕が入った会社は世間から見るといわゆるブラック企業で、朝5時に起きて夜中まで働くような生活でした。下積み時代の3年半はとにかくよく人のことを見ていました。僕は本当に惚れっぽい性格なので、とにかく人の惚れた部分を吸収していました。「吸い取り紙の秋山」なんて言われていたこともあります。ただ、先に人のいい所を見て後から「ここはよくないな」という悪いところを見ることが大切です。まずは人の見習うべき点を見つけて学び、吸収する。しかし誰しもが完璧なわけではありませんから、人の欠点は後から見つけて反面教師にすればよいのです。 ■寝る間も惜しんで働いた日々。会社で1番になり、独立の道へ。 16歳からずっと職人の仕事を続けてきて、26歳の時に文化勲章の授章式などで使われる皇居の大きな衝立を作りました。これは日本一の職人にしかできない名誉ある仕事でした。当時は8時半から17時まで働いて、そのあとデザイン学校に通っていました。そしてそのあと、また他の会社を手伝って働いていました。そんなこんなで夜中の3時頃まで働くんです。ですから当時勤めていた会社はだれよりも退社時間が早かったのですが、誰よりも仕事の出来は良かった。その会社の中で1番になったときにクビになり、退職しました。そして更なる高みをめざしてヨーロッパに行こうと思ったのですが、僕が会社を辞めると、ほかの出来の良い職人2人が「俺たちもやめる」といって辞めてしまったんです。その2人も一緒にヨーロッパに行くわけにはいきませんから、自分で会社を立てることに決めました。 ■「人間として自分を超える10人の職人を育てる」これが天命だと思った。 こんなに勉強が出来なかった自分でも周りの人たちにここまで一人前の職人に育ててもらったのだから、自分も一流の職人を育てていくことが天命だと思ったんです。だからこそ、会社に来た職人には、家具作りの基本をとことん教え、一流に育て上げていきました。そうして育った職人たちを僕が抱えておけばお金はたくさん入りますが、僕は教え子に食わしてもらうのは嫌だったので育った職人には独り立ちさせていました。ただ、僕の会社の最大の特徴は、家具作りの技術を教えるだけではなく、親孝行することの大切さなど、とにかく人間性の部分にこだわって育成することです。僕が今まで見てきた成功している人たちで、親孝行をしていない人はいません。とにかく親を感動させる、親が驚くような偉業を成し遂げることが僕の思う一番の親孝行です。これはお客さんを喜ばせることと同じなのです。またうちの会社では、よく社員をクビにします。というのも、人に気遣いができない人は必要がないからです。職人という職業は人を喜ばせてなんぼ、ただそれだけです。その想いを伝えるため、基本的にうちの職人は寮に住まわせています。共同生活をすれば、自然と人への気遣いができるようになっていきますからね。 ■金儲けだけを追い求めてはいけない。ただ働きでもいいという気持ちで学びなさい。 皆さんは大学に通われていると思いますが、ただ目的もなくダラダラと通うだけになっていませんか? 遊ぶお金を稼ぐだけのアルバイトになっていませんか? 誰にも負けない天性というのは、必ず誰しもが持っています。それを早く活かしてください。そのためには、早く社会経験を積むことです。専門分野を学ぶために大学に通うことはすごく大切ですが、必ず目的意識をもって学んでください。一番学びを吸収しやすい若い時期に、なんとなく大学に通うのはとてももったいない。それなら社会に出て働いた方が良いです。また、アルバイト一つ取っても成長する人としない人とでは大違いです。お金を稼ぐためだけにバイトをしてはいけません。「ただ働きでもこの人から学びたい、成長したい」という意識で、学ぶために取り組んでください。そうすれば、人生の先輩たちは喜んで教えてくれると思います。そして、1日を24時間だと思わず、48時間だと思って目いっぱい過ごしてください。そうして日々努力している人が一流の人間になっていくのです。 学生新聞オンライン取材2022年10月27日 東海大学4年 大塚美咲

大塚美咲

株式会社ブシロードミュージック 代表取締役社長 根本雄貴

感動のクオリティを追求し続け、ファンを魅了し続ける 「BanG Dream!(バンドリ!)」「カードファイト‼ヴァンガード」など、ブシロードグループが誇る作品を中心に音楽事業、ラジオCD販売、イベント事業等を手掛けるブシロードミュージック。高いクオリティでファンを感動させ続けるコンテンツへのこだわり、そして人並み外れた経歴を持つ根本社長の仕事への想いを取材しました。 ■グループが誇る作品から生まれる音楽 当社の事業は、ブシロードが保持しているIP(知的財産)から音楽を制作することがメインになります。例えばアニメでしたら、シナリオを読んで作品に合ったオープニング、エンディングの楽曲制作を依頼します。そして上がってきたものをチェックし、キャラクターのレコーディング手配から音源のミックスという作業、CDにするためのマスタリングという作業を行います。他社の大手音楽会社さんですと、売れてきそうなアーティストと契約し、売れ行きが低迷してきたらまた新しい売れそうな人と契約するといった循環になることが通例だったりします。しかし当社は作品ありきの事業ですので、作品を広めることと同時進行で音楽事業を行います。そしてブシロードグループでは、アニメを作り、アプリゲームやグッズを作り、音楽も制作するところまで一気通貫で行うことができます。そこに当社の音楽事業の強みがあると思っています。 また自社でIPを持つことの最大のメリットとしては、とにかく意思決定が早いという点が挙げられます。他社が原作を保持している場合に生じる、何度も確認をしなければならないといったボトルネックが生じることはありません。しかしこういった利点がある一方で、広告宣伝まで自社で担うリスクもあります。特に、最近の宣伝は非常に難しいです。宣伝の手法としてはCMや交通広告など色々ありますが、近年では口コミの宣伝効果が最も大きいとされています。だからこそ、とにかく良いものを作ってお客様に満足してもらうことを大切にしています。またインフルエンサーの影響力がとても大きくなっている時代ですので、いかに彼らを巻き込んでいけるかも鍵になっています。 ■珠玉のラインナップで常に驚きと感動を追求 ブシロードミュージックの特徴の一つとして、大手レーベルと比べてラインナップが少ないことが挙げられます。その分、しっかりと一つ一つのコンテンツに時間をかけて展開しています。例えば「BanG Dream!(バンドリ!)」というコンテンツを例に挙げると、声優一人一人に楽器の個人レッスンをしていただき全員の楽器演奏を仕上げるということは、少ないラインナップを丁寧に仕上げている当社だからこそ実現可能なものです。このように高いクオリティを追求することにはかなりこだわっています。 ■コロナ禍に苦しんだライブ事業 コロナ禍では、ライブ事業が特に苦しかったですね。もともと当社のコンテンツはゲームやアニメを通じて普段から作品に触れて頂くだけでなく、ライブなどのオフラインイベントでリアルならではの感動を体験していただくことで、さらにコンテンツに対する愛着を深めてもらうことを大切にしていました。ところがオフラインイベントはコロナの流行ですべて封じられてしまったため、その打撃は大きかったですね。しかし最終的には、ライブができないことでファンが離れてしまう可能性を考えて、赤字覚悟で続けるという選択に行きつきました。とは言え一人でもコロナ陽性者が出ると全員が濃厚接触者となるので、その時点で公演は中止です。このような油断できない状況で、役者やスタッフの方々にはかなりのプレッシャーやストレスがのしかかっていたと思います。その一方、「こんな中でもライブを開催してくれるんだ」と応援して下さるお客様もとても多く、それが我々の励みになっていました。そしてリアルイベントだけでなく、同時に動画配信にも力を入れました。コロナの流行は確かに大打撃でしたが、結果的に配信のシステムやサービスが一気に普及していったことはとても良かったと感じます。 ■自分のキャリアのために働けば、会社のためになる。失敗さえも成長の糧に! 僕はこの会社に7年いますが、新卒で入社した頃は「自分のキャリアのためにこの会社で頑張ろう」というマインドで働いていました。ところが入社1年目でアメリカへ半年間の長期出張になった時は、日本にいた時よりも仕事が少なくなってしまいました。頑張ろうにもそもそも仕事のボリュームが少ないので、とにかく自分にできることを探し続けるしかありませんでした。新卒の同期は日本でバリバリ働いているのに、アメリカにいる自分には仕事がないという状況にかなり焦りました。そんな時期を経て、2年目では突然アニメのプロデューサーを担当することになり「とにかく経験し、実績を積まなければ」というモチベーションで仕事と向き合いました。この経験からわかったことは「自分のキャリアのために働いていれば、結果的に会社のためになる」ということです。なので、無理に「会社に貢献しなければ」と思い詰めず、まずは自分のための経験だと思って何でも挑戦してみて下さい。会社に入社すると、希望する部署に行けないことは多々あります。しかし自分が向いていると思っていることの多くは大概向いていないんです。大切なのは、とにかく目の前の与えられた仕事と真摯に向き合うこと。仕事において何が一番楽しいかというと、自分のやりたい仕事ができることではなく、結果を残せることだと僕は思います。色々な経験をして、「これが一番結果を残せる」と思う仕事をぜひ見つけてください。  また、失敗は一番の経験になります。僕は誰よりも失敗している人間です。失敗するとリスクヘッジを図る能力が磨かれるので、部下ができた時に失敗を恐れずに挑戦させたうえで、万が一に備えたフォローもできる人間になるのです。 東海大学 4年 大塚美咲

和田真帆

株式会社CoCoRo 代表取締役社長 清原正光

「繋がり」「ご縁」が続いて僕の人生があります! 株式会社CoCoRo 代表取締役社長 清原正光(きよはらまさみつ) ■プロフィール1991 年皇學館大學文学部国史学科卒、1992年皇學館大學神道学専攻科修了。神社へ奉職の後、民間会社へ就職。30歳にて起業し、自身も神主の資格を保有するなど神社界への造詣が深く、エンタメ・ビジネスや旅行業にとどまらず、神社とビジネスの垣根を超えた新規事業創出に取り組んでいる。 秋葉原・大手町・神田・日本橋・丸の内と江戸であった現在の東京に、約1300年の歴史がある神田明神。その歴史的な名所で、伝統文化からサブカルチャーまで幅広く広く日本文化を体験・発信する施設「神田明神文化交流館EDOCCO STUDIO」を運営する株式会社CoCoRo。同社の清原正光社長に、文化と現代をつなぐお仕事の意義や学生時代についてお話を伺いました。 ■アルバイトが教えてくれたコミュニケーションの大切さ 大学入学後は野球に明け暮れていました。しかし2年生のときに肩を壊したことをきっかけに、ずっと好きだったモータースポーツにハマっていきました。カートのライセンスを取ったり、レースを見に行ったりと、とにかく車に夢中でした。その際、先輩の紹介でガソリンスタンドのアルバイトを始め、お客様とのやりとりを通じて、コミュニケーション能力を培いました。アルバイトを通して、相手と仲良くなって相手を知ることが営業を成功させる近道であることや、誰かと仲良くなることが自分の将来に影響を与えることも学びました。この時に学んだ「どんな人でも受け入れ、去る者追わず、来るもの拒まず」の精神は、現在でも意識しています。大学卒業時点で教職は取り終えていたのですが、大学生時代に培ったコミュニケーション能力を生かした仕事がしたいと思うようになり、教職ではない道へ進むことにしました。そして、もう一年大学に通い、専攻科で神職の免許を取りました。 ■本を読むことで経営者マインドを学んだ 大学を卒業してから、知り合いの神社から「手伝いに来てくれ」と頼まれて、4年くらいその神社の神主をすることになりました。そして、神社のご創建800年祭という記念事業に関わらせていただきました。そのとき、地域の商工会議所の方と一緒に働いた経験が非常に刺激的だったことから、27歳の時に神職を辞め、ビジネスの世界へ行こうと決断しました。 ビジネスで勝負する場所として選んだのは、商売の難しい日本の都・京都です。京都にある商社に就職し、貿易の勉強から売上・仕入れ・粗利を覚えたり、本を読んだりと、知識をたくさん吸収していきました。ちなみに本を読むようになったのは、その当時働いていた会社の社長に「本を読むと、いろんな経営者の感覚を培える。ぜひ読みなさい」とアドバイスを頂いてからです。本当にこれは役に立ったと感じでいて今でも本を読むことを大切にしています。皆さんも今からいろんな本を読むことをお勧めします! こうして3年間に渡って経営の基礎の下積みをみっちり学び、30歳で独立をすることができました。その後、ご縁があって、今の神田明神文化交流館EDOCCO STUDIOで社長をやらせて頂いております。今思い返してみると人の付き合いの積み重ねで、僕の今の人生があると思います。自分一人だけでできることには限界があるので、まずは人様からの協力を得て、助けてもらうことがビジネスの根本です。そして、相手が思っていることをしっかり聞き、その中で、自分にできることを考えて提案する。まさに、持ちつ持たれつの関係ですね。自分でビジネスを運営する中には当然ストレスもありますが、誰かに指導されるよりも自分の力でやっていくことには、色々とメリットもあり、やりがいも感じます。 ■CoCoRoの魅力は、神社とビジネスというユニークネス 当社の魅力は、神社と様々な体験ができる場が融合された施設であることです。神田明神は、神社の中でも目立つ存在の神社です。このような場所で事業ができるというのは、ホール運営の仕事やイベンターの仕事とも異なります。長い伝統や文化を持つ環境で新しく革新的なことができるのはとても面白いと感じます。また、神主とビジネスという両方の世界を知っているのは、おそらく自分くらいだと思うので、他の方ではできない唯一無二なお仕事を任せて頂いてると感じていますね。 ■自分から積極的に動く人には、惹かれるものがある 明るくてポジティブで、自分で物事を考えられる人と一緒に働きたいです。誰でもスポーツで試合に出たければ監督の前でアピールすると思います。それと同じようにふるまえば、自然と上の人の目につくようになります。そして、アピールする力はコミュニケーション力にもつながると思っているので、どこへ行っても人との繋がりを生むことができます。大学を卒業すれば、みなさんは社会の中で1年生です。全ての人が年上だからこそ、そこでどうアピールするかって本当に重要になってくると思います。ぜひ、ご自身のアピール力を高められるように頑張ってくださいね。 ■大学生へのメッセージ 伝えたいことは主に2つあります。 1つ目は必ず目標を持つことです。自分が人生の中で何歳までに何をやるか。アバウトでもいいので手帳に書いてみてください。後はその目標を達成するためのアクションと努力を続けるのみです。実は僕も30歳で独立すると宣言していました(笑)。その目標に向かって行動し続ければ、きっと叶います。 2つ目はお金をもらって企業で勉強できる環境を大切にすることです。それを生かして独立し、チャレンジできる人は今の時代たくさんいます。先輩方のやっていることを知識として徹底的に学び、ご自身の経験値を増やしていってください! 学生新聞オンライン2022年10月18日取材 日本大学3年 和田真帆

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2022年「今年の一皿 」

⾷を主要テーマにさまざまな調査・ 研究を⾏い 、その成果や提⾔を広く発信する株式会社ぐるなび総研の今年の⽇本の世相を反映し象徴する⾷を発表する2022年 「 今年の⼀⽫ Ⓡ 」 記者発表会に参加させていただいた。 ■「今年の一皿」とは優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食を「今年の一皿」として毎年発表しています。ぐるなび総研は「今年の⼀⽫」の発表を通して、⽇本の優れた⾷⽂化を国内外へ発信するとともに、そのさらなる発展へ貢献できることを願っています。ぐるなびは「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義( PURPOSEのもと、食文化の発展へ寄与することを目指しています。 ■2022年「今年の一皿」 冷凍グルメ 選定理由・コロナ禍で飲食店への急速冷凍機の導入が加速し、レストランのメニューをそのまま再現した冷凍グルメが誕生した。・飲食店でオリジナルの冷凍商品の開発が進んだことでバリエーションが豊富になり、店頭や自動販売機など購入方法も多様化し消費者から支持を得た。・保存性やフードロス削減の観点でも社会変化に対する柔軟性が高く、今後の日本の食文化においてより一層不可欠な存在になると考えられる。 ■トークセッション一般社団法人日本冷凍食品協会広報部長消費生活コンサルタント 三浦佳子 「日本の冷凍食品の歴史について」102年前、北海道森町で魚を凍らせたのが日本の食品冷凍の始まりです。学校給食の開始、東京五輪や大阪万博あたりから外食産業が発展し、家電の普及も進んで冷凍食品が開発されるようになりました。コロナ禍においてますます多くの方にお使いいただいているかと思います。 「2022年人気を集めた本格冷凍グルメについて」三浦:いつでもどこでもどなたでも食べたい時に食べたいものが召し上がれることが好評だった理由ではないでしょうか。あの店のあの味を作りたての状態で保持できることが冷凍の良さだと思います。 Restaurant Sola オーナーシェフ 吉武広樹 「冷凍技術を利用するRestaurant Solaについて」冷凍可能なおせちをご提供しています。初めはネガティブなイメージを持っていたのですが、緊急事態宣言で営業ができなくなった際、食材の保管のために冷凍器具を調べたことで冷凍技術の高さを知り、これで料理をお届けできるのではないかと試作を始めました。 「冷凍技術導入の過程であった苦労について」新鮮なものが食べたいのに冷凍なのかという声を多くいただきました。お店で食べるより驚きがあるようにとにかく試行錯誤を繰り返した結果、多く方から驚きやご好評をいただきました。今後は冷凍技術で美味しさを閉じ込めた商品をより多くの方にお届けしたいですね。                                  ■インタビュー株式会社ぐるなび総研 市川萌乃 「今年の一皿」に選ばれた“冷凍グルメ”は行動宣言の撤廃で飲食店の味がいつでもご自宅で食べられるようになったことを象徴するものだと思っています。急速冷凍機技術の進歩で使用する機会が増えたことも流行るきっかけになったのではないでしょうか。コロナ禍に入り、2020年は“テイクアウトグルメ”、2021年は“アルコールテイスト飲料”というように抽象的なジャンルが続いているので、来年はメニューや食材などが流行することを期待しています。コロナ禍でなかなか外出できないかもしれませんが、大学生のみなさんには色々な国に行き、現地でしか食べられないものを食べるなど、多彩な経験を積んでいただければ嬉しいです。 ■記者会見に参加した感想 テレビ番組を見ている中で技術の進歩により“冷凍グルメ”が増えていることは知っていました。ただ、味が低下するのではないだろうかといったネガティブなイメージを持つ消費者、シェフの方が多くいらっしゃることを知り、事業を継続させていこうと奮闘する飲食店も中々つらい状況であると感じました。今回の取材を通して、食べることは避けて通れないものなので、食に関わるすべての方に感謝し、食の記憶を残していきたいと思います。 中央学院大学 4年 田根颯人 今回オンライン取材に参加し、食と社会の結びつきに気づかされました。外出が制限される環境下にお家で楽しめる本格冷凍グルメが人気を集めたということで、流行や人気には社会との繫がりがあると感じ、興味深かったです。その年に話題になったグルメとしてだけでなく、そうした様々な視点から楽しめるのが『今年の一皿』の面白さのひとつではないでしょうか。また、お二人のトークセッションを通して“冷凍食品の新たな可能性”を感じました。美味しさをそのまま閉じ込められる冷凍技術の広まりに、更に期待が高まりました。 佛教大学3年 三浦藍生

イベント・企業紹介

株式会社タウンハウジング 新CM発表会

首都圏、東海、九州地方を中心に不動産事業を展開しているタウングループ。そのうち賃貸仲介事業を展開する株式会社タウンハウジング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:新田 泉)は、女優でモデルの久間田琳加さんを新イメージキャラクターに起用したCMを制作し、新CM発表会イベントを行いました。 株式会社ダウンハウジング 代表取締役 新田泉氏はこのCMを通して企業ミッションである『ひとを、まちを、もっと豊かに』できる機会が増えるものと確信しており、経済的な豊かさと共に心の豊かさも大切にしていきたいと挨拶しました。また、仁・義・礼・智・信と「人に思いやりを持ち、利他への社会貢献をする。そして他人を尊敬する気持ちを持ち、偏った知識でなく真理を知り、それを信頼に繋げる」というこの五常を心に置き、これからも社会貢献のために更なる努力をしていくことと今回のCM制作にあたっての感謝の気持ちを述べました。 久間田琳加 今回タウンハウジングのイメージキャラクターとしてCMに出演させていただきました。普段スーツを着る機会があまりないため、とても新鮮でした。パジャマ姿になるシーンはパジャマの着心地が良くてリラックスして臨めました。モデルを始めて9年になりますが、CMやムービーのお仕事は普段の撮影と違うので緊張しましたね。あまり得意ではないダンスやトランペット・腹筋ローラーにも挑戦しているので、ぜひ見ていただきたいです。新CMのテーマであるチャレンジとは少し違うかもしれませんが、自宅ではヨガマットを広げ、ストレッチなどをしてリラックスできる時間を作りたいです。お仕事では引き続き女優業に挑戦していきたいです。よく笑っているイメージが強いので、真逆のキャラクターを演じて、新しい久間田琳加を見せていきたいです。先日、W杯で年齢が近い同世代の選手の活躍を目にして、私も頑張らなきゃと刺激をいただきました。また、作品を撮影している時や多くの方と関わりながらお仕事をしている時はとても心が豊かになりますし、この環境に感謝して頑張っていきたいです。 林芽亜里 雑誌『non-no』の後輩として今回の新CM発表会イベントに出られたことがすごく嬉しいです。私がお部屋を選ぶポイントは、新築でお風呂が綺麗なことが重要ですね。お風呂はすごく好きで1時間以上入ることがよくあります。ソファーの上がお部屋の中で一番好きなので、ソファーの上でゴロゴロゆったりしていたいです。地元の石川県から上京したときは、部屋がコンパクトだったので、必要なものだけを東京に持ってきました。 執筆者:国立音楽大学2年 岡部満里阿 / 日本大学3年 和田真帆 / 立教大学4年 須藤覚斗 新CM発表会に出席した感想 住まいという衣食住の中でも長く付き合うものを通じて、心の豊かさに貢献する。そうした温かい想いを感じられた記者発表でした。今回の記者発表は、第一部が一般的なビジネススタイル、第二部がイメージキャラクターを務める久間田琳加さんやゲストの林芽亜里さんらによるパジャマ姿でのフリートークと2部構成で実施されました。私自身は第一部の内容のみでも問題はないと思っています。しかし、それだけではなくゆったりと寛ぎながら話をするパジャマトークの時間を設けたのは、親しみのあるイメージを持たせたいということに加えて、『自分らしくゆったりできる空間づくり』言い換えれば、『心の豊かさ』に貢献したいという想いがあるからではないかと推察しました。こうした企業理念や社長の想いをベースとした伝え方は、デジタル技術の発達に伴いより高度に、より多様になっていくと思っています。各企業がどのような工夫を凝らして、何を伝えようとしているのか、今後注目していきたいと考えています。明治大学4年 山本真人

三上山明里

野村ホールディングス株式会社 グループ人事部長 上嶋基寛

信用を築き、人間性を磨く。お客様と経済のために。 ■プロフィール 2001年入社。リテール(豊田支店)で4年間の個人営業を経て、投資銀行の部門(上場企業カバレッジ)へと異動。その後、投資銀行TMTセクター部署で16年間勤務。2022年4月から現職。 金融業界を牽引する野村ホールディングス。「お客様とのお付き合いを通して、人として鍛えてもらった」、同社人事部長の上嶋基寛さんは語る。証券会社に立ちはだかる壁を乗り越え、会社の利益を捨ててでも、お客様の安心できる未来を優先させる姿勢は、グループがValues として掲げる「挑戦」「協働」「誠実」を体現している。 ■上嶋さんの経歴を教えてください 2001年に入社してから、リテールで4年間の個人営業を経て、上場企業カバレッジへと異動になりました。その後、投資銀行TMTセクター部署に16年間勤めました。そして、この4月から人事部へと配属になりました。 元々、私自身は大学で教育学部に所属していて、経済に詳しくはありませんでした。そして、実は大学は4年間では卒業することはできず、人としてしっかりしていたとは言えなかったです。(笑)そんな私が、証券会社を目指したのは、買った後が大切な変動商品を扱う営業職に惹かれたからです。また、常に知識をアップデートすることが求められる刺激的な職場だという部分も魅力でしたね。 ■業界の特徴は何ですか? よく「金融はとっつきにくいイメージがある」と言われます。でも、私からすれば「みんな、なんで金融に興味がないのかな?」と思います(笑)。金融は、経済に密接にかかわるので、経済全般の興味とイコールだと思いますね。  たとえば、証券会社の仕事には、リスクマネーを必要とする人と投資家をマッチングさせ、結びつける仕事もあります。どの会社も、事業を拡大する時には資金が必要になるので、企業と投資家の間に入るサービスがなければ、企業は成長できません。我々が直接企業の価値向上の活動に協力しつつ、その証券が投資家の運用商品にもなるところも醍醐味です。  私は過去、日系企業が米国の企業を買収する大型案件に関わった事があります。そのM&Aをする際、企業の買収金額があまりに巨額のため銀行からの融資だけでは資金調達が困難な状況が発生しました。なぜかと言いますと、銀行の場合は、一社に対していくら貸せるのかというエクスポージャーが限られているからです。そこで、必要な資金について、私たちは直接個人投資家を募ることを模索しました。リテール債として3000億円です。10年国債でも0.6%ほどしか金利がつかない世の中で、4年債で1%超えという高いクーポンだったので、個人投資家からも大変喜ばれました。 しかし、個人投資家の場合には機関投資家と比べて一人当たりの投資金額が小さいので必要金額を達成するためには、何万という投資家数を集めなければなりませんでした。難しい挑戦でしたが、何とか道が開け、必要金額を調達することができました。  これから、大きく動くポテンシャルがあると考えられるのは個人金融資産です。個人が有する金融資産は、現金で約1000兆円は眠っていると言われています。また、個人投資家に届ける運用商品も変わっていく必要があります。今後は、「ユニコーン」と呼ばれる企業価値が10億ドル(日本円にして約1250億円)以上の非上場会社に対する資金調達サポートも充実させていきたいです。 ■野村グループの特徴は何ですか? 経済の担い手として、どんな人とでもお付き合いができるところが魅力です。 人生100年時代と言われています。賃金は上がらず老後が心配されます。そこで、今あるお金をどう適切に運用すべきか、という金融教育が求められます。 運用は悪いものと思われやすいですが、やり方さえ学べば正しく扱えます。また、金融の本質は「信用創造」にあると考えており、サービスを提供する人間が信頼に足る人間なのかが重視されます。そのためには、コミュニケーション力やソリューション力も必要です。 ところが、私自身振り返ってみると、最初からお客様の約束を全て守れていたのかというと、そうではありません。私は、より自分を知ってもらうためにお客様のもとに何度も通い対話し、その中でお客様に鍛えてもらうことで、人間性が磨かれていったと思います。人とお付き合いをする中で自分の人間性についても学ぶことが出来ること。これが証券会社の良さだと思います。  弊社では、私たちのvaluesとして「挑戦」「協働」「誠実」を掲げています。例えば、M&Aのアドバイザーになった際、「誠実」について考えさせられたことがあります。そのM&A案件では、契約成立間近になったものの、このまま続けてはお客様に不利益になってしまう可能性が生じました。成功すれば私たちに大きな成功報酬が入ります。一方で仮に途中でやめてしまえばその報酬は入りません。私自身迷いましたが、誠実にお客様と向き合い、全てをお話しすることにしました。お客様も中止の決断を迷われましたが、お客様の利益にならないのであればやめるべきだと私は進言し、そしてお客様のご理解を頂くことが出来ました。この決断の前に社内に相談したところ、メンバーの誰一人案件の中止に対して反対しませんでした。この時は、改めて自分のいる会社は誠実な会社だなと嬉しくなりましたね。 加えて、私たちは「スキル」「スピード」「スピリッツ」を体現することを掲げています。専門性を高め続けること、ニーズが絶え間なく変化する市場に迅速に対応し、新しい事を成し遂げることが求められます。どれか一つでも欠けてはいけません。 野村は、加点主義の会社です。失敗を恐れずに挑戦したことが称賛される文化があります。頑張っている人には一つ上のランクの仕事を任せます。文系・理系は問わないですし、体育会のイメージと中身は大きく異なります。現在では、新卒・キャリア採用と比率は半々で、転職されてきた方々の元の業界も多種多様です。多様性が認められた会社です。また、社長や役員とも壁がなく、風通しが良い会社だと感じています。 ■これからどのような人材が求められるのでしょうか? 近年は、成長志向の矢印が自分にだけ向いている人が多いと感じます。もちろん、成長への意識が高いことは素晴らしい事です。しかし、あくまでも社会の成長を後押しすることに、私たちの存在意義があります。野村の仕事はチームで戦う仕事なので、自分中心になってしまうと、会社やお客様をなおざりにしてしまう恐れがあります。これは、実際働いている私たちでもわからなくなってしまうこともあると思います。自戒の念も込めて言いますが、「お客様」「経済」のために、というところを大切にしていく事が我々の存在価値そのものなのです。 会社も、社会に合わせて変わっていかなければなりません。私たちも努力していますが、今いる人だけでその期待に応えていくのは難しいです。だからこそ、若く新しい力に期待しています。野村グループは、今年で97周年を迎えました。次の100年を一緒に引っ張っていける人を、心から期待しています。 ■大学生へのメッセージ 自分らしいの価値観を見つけてください。就活をしていると、どうしても会社の名前やブランドに惹かれてしまうと思います。難しいですが、経験を通して、自分が大切にしたいものを見つけて下さい。実際にやってみないと、わからないことがあります。まずは触れてみて、そこから分かることを探してみてください。その上で、自分らしい価値観を追求できる場所として弊社を選んでいただけたら嬉しいです。 学生新聞オンライン2022年9月26日取材 駒澤大学3年 三上山明里

イベント・企業紹介

BEYOND STADIUM 2022 開催

東京都のパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND 」は、音楽やお笑いなどのエンタメ、アート、子育てなど、日常生活の中にあるさまざまな“好き”とパラスポーツの魅力をつなぐ体験型イベント 『 BEYOND STADIUM 2022 』 が2022年11月5日(土)に東京体育館にて開催されました。木梨憲武さんと AK-69 さんが共同制作した応援ソングも初公開されました。 今回は木梨憲武さん、ウンパルンパさん、豊島英さんの3名にBEYOND STADIUM 2022の感想やパラアスリートへの想い、「好き」なことなど、お話を伺いました。 ■タレント・歌手・画家 木梨憲武(きなしのりたけ) 今回、AK-69さんと応援ソングを共同制作させていただきました。この歌を起点に障害があってもなくても東京都、日本、世界中の全員をチームにしていきたいと思っています。 またパラアスリートのみなさんと関わることで、障害を持っているからと悲観的になるのではなく、圧倒的なパワーを持っていると感じました。以前から視覚障害を持っている落合啓士さんなどのパラスポーツ選手と食事に行くこともありましたが、一緒にご飯を食べる時は電車を乗り継いでお店まで来てくれますし、ブラインドサッカーでは鈴の音とゴールの後ろからの指示だけでボールを操っているので、本当にすごいと思っています。 また目が見えなくても、僕の絵の展示会に足を運んでくれて、アートを感じにきてくれました。今後は触って楽しめる作品など、いろんな方が参加できるアートにも挑戦してみたいですね。アートと障害を掛け合わせた展示会などを開催したいです。 自分だけではなく、みんなで協力して、団体の力でパラスポーツも盛り上げていきたいと思います。 大学生へのメッセージ 「あなたと一緒に何かをしたい!」と思われる人を目指してほしいです。僕は若い年代のみなさんと一緒にいろんなことをやりたいなと思っています。明るい雰囲気の方が近づきやすいかなと思うので、元気でいることを意識しています。若者が知っていることを教えてもらって、経験がある大人から提案させてもらって、それがマッチして大勢の方がより参加してくれれば、いいものが出来るから負けはないと思うんです。一緒にやることで、見えないものでも見えてくるかもしれないし、なかったものも形が出来てくるはずです。一緒に新しい世界を創っていきましょう! 中央学院大学4年 田根颯人 ■TikToker ウンパルンパ(うんぱるんぱ) 今回、ブラインドサッカーに初挑戦しました。ブラインドサッカーとは、いわゆる「見えないサッカー」。ゴールキーパー以外が全盲の選手で、アイマスクを装着し、音の出るボールを用いてプレーします。僕は「WINNER’S」というチームで普段からサッカーを練習しているのですが、実際にブラインドになると想像以上に難しくて、でも面白さ・奥深さを感じました。視覚情報を当てにできない分、普段使わない感覚、神経を研ぎ澄ますことでいつも以上に五感を強化することができて得るものが多いなと思いました。 このイベントは「好き」が一つのテーマでしたが、今熱中しているのはサッカーとモノマネです。人間観察や真似をすることが好きで、これまで監督や先生などになりきってきました。しかしモノマネというのは扱うのが難しいコンテンツだなと思います。やり方を間違えると「本人を小馬鹿にしている」と思われかねないからです。しかし、しっかりとブランディングを確立することで視聴者の方の気持ちを晴らすことも可能ですし、そこにやりがいを感じています。実際に視聴者の方から「ウンパさんの動画を見たら勇気が出て、学校に行くことができた」と言っていただいた時は、とても嬉しかったです。モノマネを通して、パラスポーツを世に広めていきたいですね。 大学生へのメッセージ もし今、人生の岐路で迷っている学生がいたら、「自分を信じて突き進んでいってください」と伝えたいです。実は僕は去年まで大学で教員を目指していました。しかしいざ進路を選択する時に、周囲の反対を押し切ってまでして選んだのは教員ではなく、その時夢中になっていたSNSでの活動でした。自分で選んだ道なら、人のせいにせずにどんなことがあっても自分の責任で発展していけると思ったのです。迷った時は自分を信じて好きなことを大切にして欲しいなと思います。 津田塾大学4年 宮田紋子 ■車いすバスケットボール 豊島英(とよしまあきら) パラスポーツでこれほど大規模なイベントを開催できるようになったこと、そしてその場にアスリートとして関われたことが素直に嬉しいです。今回のイベントは東京2020パラリンピックに紐づいた一過性の盛り上がりという位置付けではなく、いわゆる定期的に開催する文化祭のような大型祭典として開催できたと思います。そこに大きな意義を感じていますし、パラスポーツが着実に確立された存在になってきていると感じています。 1日を通して印象深かったのは「誰でも簡単に競技体験ができるブースがたくさんあった」という点です。私が長年携わっている車いすバスケットボールは、比較的認知されている競技だと思いますが、まだまだ浸透していない競技は多くあります。認知拡大を進める方法は多々ある中で、効果的なのは「身近なものであることをいかに感じてもらえるか」です。今回のイベントで体験した皆さんに、パラスポーツの魅力を感じてもらい、もっともっと関心を寄せていただきたいです。また、そこから得たワクワク感を一人でも多くの方に共有していただけたら、それほど嬉しいことはありません。どれほど些細なきっかけで知ったとしても、おそらく気がついた頃にはパラスポーツの奥深さの虜になっているはずです。 大学生へのメッセージ 皆さんが持つ高い吸収力と大きな発信力で、パラスポーツの魅力を存分に伝えてもらえたらなと思います。私たちも子どもたちや皆さんの世代を中心にパラスポーツと触れ合う機会を積極的に創出していくので、新しいものを受容する柔軟性を持っていて欲しいですね。 日本女子大学4年 神田理苑 ■BEYOND STADIUM 2022に参加した感想 今回のイベントで初めてパラスポーツの車椅子バスケットボールを体験させていただきました。同じバスケットボールでもパラスポーツは全く別のスポーツであると気がつき、また体験したことで新たな魅力を知り今までとは別の視点から観戦することができると思いました。イベント最後のTEAM BEYOND応援ソングでは木梨憲武さんの魂でみんなを応援するための曲を歌いたい気持ちとAK-69さんのHIPHOPのリズムが一体化し心に響きました。「限界はないという、生きてて壁にぶち当たることはあっても、同じ人間として立ち向かう」という歌に込められたメッセージに勇気をもらったと同時にパラスポーツの魅力や楽しさをさらに広めていきたいと強く思いました。スポーツをする人も、観る人も、支える人も、あらゆるメンバーがひとつのチームとなって盛り上げるTEAM BEYONDとして私も今後パラスポーツの新たな魅力と楽しさを見つけていきたいです。 川村学園女子大学4年 岡﨑美諭 「障がいのある方々のための、自分には関係のないもの」というこれまでのパラスポーツへのイメージが覆されるイベントでした。車椅子バスケの体験ブースでは、ジャンプができない故の腕の力だけでシュートを決める難しさや、ちょっとした車椅子の位置によってボールの飛び方が変わる面白さを始めて実感しました。タレント、パラスポーツ選手によるトークセッションのコーナーでは、パラスポーツならではの心動かされる熱いエピソード、会場全体が笑いで包まれるような面白いエピソードが盛りだくさん。今まであまり注目したことがなかったパラスポーツですが、これをきっかけに注目の選手を見つけて応援してみたい!という気持ちになりました。また今回のようなイベントは、参加目的が好きなタレントやライブを見るためだったとしても、それをきっかけにパラスポーツへの関心が少しでも高まる人が増えれば、障がいの有無による心の壁をなくすことに繋がるのではないでしょうか! 東海大学4年 大塚美咲

学生新聞インターン

株式会社ブシロードムーブ 代表取締役社長 中尾祐子

お客様に寄り添い、時代に求められるコンテンツを届ける 株式会社ブシロードムーブ 代表取締役社長 中尾祐子(なかおゆうこ) ■プロフィール上智大学国際教養学部卒。2016年9月、株式会社ブシロードに中途入社。入社後、広報宣伝部門に配属。2019年11月、株式会社響 代表取締役社長に就任。2020年2月、株式会社響は株式会社ブシロードメディアから吸収分割により広告代理店事業を承継、また同日付で社名を「株式会社ブシロードムーブ」(以下、弊社)に変更。 広告代理店事業から、声優事務所の運営まで、様々な事業を展開する株式会社ブシロードムーブ。トレーディングカードゲームやコンテンツのプロデュースを行うブシロードの魅力を世の中に広め、時代の先手を打つことをビジョンに掲げる。エンタメ業界を盛り上げるべく奮闘する中尾祐子代表に、事業内容から仕事のやりがいなど、幅広いトピックスで伺った。 ■個性を生かす3本の矢とは? 私たちブシロードムーブは、トレーディングカードゲームカンパニーのブシロードの子会社として2020年に誕生しました。現在、3つの事業を展開しています。まず1つ目は、制作事業です。自社でスタジオを持っており、ブシロードムーブの声優や新日本プロレス・スターダムに所属するプロレスラーが出演する番組を月に20本以上制作しています。コロナ禍でオフラインイベントの数が減ったため、配信にシフトしました。私たちの強みは、番組のキャスティングから納品まですべて自社で行っていることです。自社でタレントを抱えているため、スケジュール調整の時間が短縮できます。番組を企画する段階から、お客様にどうやってコンテンツの魅力を伝えるか、どうやって宣伝するかを大事にしています。声の収録ブースも社内にあり、ナレーション、ラジオ、アプリのボイス収録など多岐に渡って利用されています。響ラジオステーションというインターネットラジオサービスも運営しています。地上波ラジオでもコンテンツをファンへ届けています。偶然ラジオを聞いた人にブシロードのコンテンツを認知してもらう目的もあります。電車やテレビなどでブシロード関連の広告を多く見かけるのも、こういった理由です。2つ目の事業としてブシロードムーブが力を入れているのが、声優・タレントのマネジメント事業です。声優事務所「響」には、男女合わせて22名が所属しています。声優としての活動だけではなく「歌を歌いたい」「表舞台に出たい」といったマルチに活躍したい想いを持ったタレントもいます。現在は、8人のマネージャーが彼らのスケジュール管理や、レッスン、営業、オーディションなどのサポートを行っています。「響」では所属声優1人1人の個性を大事にしています。また、SNSでの発信も積極的に行うようにしています。3つ目の事業は広告代理業です。テレビ、ラジオ、雑誌、WEB、様々なジャンルの媒体とコネクションを持ち、クライアント様に新しい広告やイベントのご提案を行います。ブシロードグループでたくさんの経験があるので、過去実績も参考に、グループ外のお客様ともお仕事しています。 ■今後の目標は外部の仕事も増やすこと 現在、ブシロードムーブの売り上げはブシロードグループとそれ以外で成り立っています。今後はさらに外部クライアント様の仕事を増やしていくことを目標にしています。例えば最近印象に残っている案件を例に挙げると、三田製麺所とスマホアプリの「ロード・オブ・ザ・リング:戦いの幕開け」のコラボです。店舗でのコラボだけではなく、ブシロードグループである新日本プロレスの選手にも三田製麺所のつけ麺を食べてもらい、TwitterでPRをしてもらいました。このようにブシロードムーブは、ブシロードグループのコンテンツを外部のクライアント様と繋げられることを得意としています。この強みを生かして今後はエンタメだけでなく、色んな業界と関わっていきたいです、 ■常識に囚われず、さらなる成長を ブシロードムーブの今後の目標は、年間売り上げを倍にすることです。当然ですが、今やっていることだけでは、その目標額は達成できません。今後、自分たちが伸ばしていくべき部分は沢山あります。映画の配給やアニメの製作委員会への出資など、新しいことにどんどんチャレンジしています。他社と一緒に作品をつくると、新しい出会い・発見が毎回あります。エンタメに関わる企業同士で協力して、業界を盛り上げることも重要と考えています。同業者はライバルと思うこともありますが(笑)、他社との付き合いを大事にし、お互いにメリットが出るようにする。そのために、今後もブシロードムーブは、斬新奇抜な広告やイベントをお客様に届けていきたいと考えています。 ■大学生へのメッセージ 大学生のうちは、たくさん遊んでおくことが一番いいと思います。私が大学生の時はやりたい仕事も、将来なりたい自分の姿もありませんでした。ゲームやアニメが好きでブシロードに入った訳ではなかったものの、入社してから仕事、この業界で働く楽しさを知りました。将来の夢や、やりたい仕事を焦って見つける必要は全くありません。私も気付いたら社長になっていました。皆さんの未来は可能性に満ち溢れています。今、将来の夢ややりたい仕事が明確ではなくても、仕事を始めてから「この仕事に就いて良かったなぁ」と思えることがきっとあります。まずは恐れず、社会に一歩足を踏み入れてみてください! 学生新聞オンライン2022年10月14日取材 明治大学 4年 酒井躍

学生新聞インターン

株式会社ブシロード 取締役 橋本義賢

IPディベロッパーとして、皆様にエンターテイメントを ■プロフィール 1964年に栃木県に生まれる。慶應義塾大学理工学部卒業後、日本IBM株式会社を経て、1995年に株式会社コスパを設立。代表取締役社長に就任し、草創期のアニメ・ゲーム周辺市場を開拓。2006年にタブリエ・コミュニケーションズ(現コスパグループ株式会社)の代表取締役社長に就任。2012年1月から株式会社ブシロードの顧問、2015年9月より当社取締役を経て、2017年10月に当社の代表取締役社長に就任。2022年7月から取締役経営企画本部長として、経営計画・人事・総務・法務・システムを管掌する。 トレーディングカードゲームの製作・販売を中心に大きく成長を遂げた株式会社ブシロード。IP(知的財産) ディベロッパーとして、マンガやアニメ、音楽ライブ、プロレス等の多角的な事業から更なる成長を遂げている。現在の具体的な事業内容と今後の展開について伺った。 ■あらゆる媒体を使ったプロモーションで、認知度アップに成功 IP(知的財産)コンテンツを軸にして、『カードファイト!! ヴァンガード』を始めとするトレーディングカードゲームや音楽コンテンツを中心とした『BanG Dream!(バンドリ!)』、グッズ販売等の企画からローンチまでを行っています。また、オリジナルコンテンツを開発したりライセンスを頂き商品化をしたりすることも並行化して事業を進めています。一方で、カードゲームは古くて希少なカードに資産価値があったり、また歴史が長いほどユーザー数も多いため、歴史のあるカードゲームタイトルは市場において有利になる。そのため新規参入が非常に難しい市場とも言えます。そこで、商品をお客様に認知して、手に取って遊んでいただくためには、垂直的な立ち上げが必要になってきます。例えば、テレビ媒体を使ったアニメの放映やCM、駅構内の看板等、1日に多くの広告を打つことで、認知をしてもらうきっかけ作りを行っています。さらに、販売では専門店とのコミュニケーション を図り、販売後も手厚いサポートを手掛けています。 ■コミカライズはプロモーションの一環 当社の事業の1つであるマンガやアニメは、プロモーションの一環として定義付けています。例えば、原作の『BanG Dream!(バンドリ!)』をコミカライズすることで、ゲームでは伝えきれないストーリーをマンガ、アニメを通じて、しっかりとユーザーに届けることができます。このようにお客様に対しストーリーの“映像化”をすることで、当社のサービスをより深く知っていただく機会を設けています。 ■自社で声優事務所を運営するメリットとは? 声優事務所を自前で運営することには、大きく分けて3つのメリットがあります。1つ目は、自社で声優を抱えることで他社様に業務依頼をせずに済むことです。2つ目は、新しいコンテンツの立ち上げの際に声優の方々に情報発信していただけることです。3つ目は、自前で育成を行うことでが深い当社理解のうえで活動いただけることです。例えばコンテンツを立ち上げてヒットさせるためには、タイミングが非常に重要になります。ネットなどで注目が集まってきた時に、声優さんにSNSで宣伝してもらうのが一つの戦略です。ただ他社の声優さんだと企画書を通したりする必要があり好機を逃すかもしれません。自社の声優さんであれば、企画書を立てたりせずにすぐ行動に移せるのでチャンスを掴めます。以上のことから、「響」の運営を自前で行っています。また、広告活動の一環として、当社の商品が販売されているカードゲーム専門店などで講習会やイベントを開催し、当事務所の声優が訪問させていただくことがあります。実際にユーザーとカードゲームの対決など、お客様と声優さんとの直接的なコミュニケーションを図ることで、ユーザーに楽しんでいただく工夫を凝らしています。 ■未知の市場-ブルーオーシャンをこじ開ける 当社は新たなIPを0から作り出すだけではなく、かつて盛り上がった他社のIPをもう一度輝かせるプロデュース事業も行っています。その最たるものがプロレス事業です。例えば当社のグループにある「新日本プロレス」は2000年代の総合格闘技ブームの影響もあり全盛期に比べると動員数が低迷していました。そこで、当社はIPディベロッパー戦略を掲げる会社として、プロレス業界、ひいては日本全体を盛り上げていくためにIPプロデュースのノウハウを駆使して「新日本プロレス」をV字回復に導きました。現在も「新日本プロレス」は国内外で年間150大会以上を開催し、日本中、そして世界中の皆様にプロレスの魅力を伝えています。ブルーオーシャンと呼ばれる市場は、ニッチだったり、日の目を浴びにくいコンテンツが多く、市場として成長するか未知の領域です。そのため、参入には勇気が必要です。しかし、そこでの分析がうまくできれば市場も開拓できて売上の大幅な成長に繋がります。 ■若者が発信できる環境へ 当社の市場は、比較的若いユーザーに支持されております。若い方の先見の明がなくては、市場の予測ができません。そのため、当社では若い人にこれからの事業を担っていただきたいと考えており、社内の「若返り」を図っています。私達経営陣は若手が企画等で活躍できるように人事や経営面での職場環境づくりや営業面でサポートしていきたいと考えています。 ■大学生へのメッセージ 私から皆様に2つアドバイスをお伝えします。1つ目に、グローバルなスキルを身に付けるよう心掛けてください。今後の国内マーケットは、我が国の社会問題でもある人口減少に伴い減少していくことが予想されます。一方で、世界中のマーケットは開けており、開拓の可能性が十二分にあります。そのため、海外マーケットの動きを見逃さない目を養うこと、それに付随して必要なスキルを身に付けていただければと思います。2つ目は、専門領域を身に付けることです。これからの社会の動きとして、仕事の内容や成果に値段が付く時代になります。今までは年功序列制度が当たり前でしたが、スキルや能力の持った人材が活躍する成果主義、職能資格制度に変化しつつあります。このような社会の動きをチャンスと捉え、若い皆様は今のうちから資格の勉強をしたり得意なことを伸ばしたり、とにかくさまざまな経験をしてください。1つだけでも専門領域を養うことができれば、これからの将来を実りのあるものにしていけると思います。 学生新聞オンライン2022年10月14日取材 武蔵野大学3年 西山流生 / 國學院大學3年 峯松諒太

イベント・企業紹介

SUITS OF THE YEAR 2022開催

「SUITS OF THE YEAR 2022 (スーツオブザイヤー)」が2022年11月17日に開催されました。 スーツ オブ ザ イヤーとは、日本経済新聞社 Nブランドスタジオ「NIKKEI STYLE Men’s Fashion」と株式会社Begin「MEN’S EX」が共催するアワード。「ビジネスや自分のフィールドで情熱を持ってチャレンジし、時代を変えていく才能や志を持つ」人達が表彰されました。 ■ビジネス部門企業価値の向上や経営⾰新、新商品やサービスの開発等で顕著な功績を挙げた人 AGC株式会社 代表取締役 兼 社長執行役員CEO 平井 良典 氏名誉ある賞を頂き、本当に嬉しく思います。最初、なぜ私が?と驚きましたが、チャレンジを称えた賞ということを聞いて、自分はビジネス界でたくさんチャレンジをしてきたので最高の賞を受け取ることができ大変嬉しく思います。 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ チェアマン 野々村 芳和 氏まさか私が、と思いました。スーツとは無縁の世界でしたが、40代でスーツを着るようになり、50代になってこのような賞をいただけて、嬉しいです。頑張っていればいいことがあるものだなと思いました。 ■イノベーション部門新しい技術やアイデアで、社会に意義のある変化をもたらそうと取り組んでいる人 シナモンAI 代表取締役Co-CEO 平野 未来 氏私の天命は世の中を変えていくということだと思います。服装はそれを体現する一つであると考えています。この名誉ある賞に恥じぬようイノベーションを起こしていきたいと思います。 ■スポーツ部門チャレンジ精神、フェアプレー精神で結果を残し、世界中から称賛されている人 東京ヤクルトスワローズ 村上 宗隆 氏名誉ある賞を受賞できて光栄です。今後スーツを着る機会がさらに増えていくと思うので、格好いいスーツを身につけて、テレビに出たいと思います。 ■アート&カルチャー部門芸術・文化、エンターテインメントを通じて世の中に感動を与えた人 俳優・歌手 山崎 育三郎 氏自分の人生のテーマが挑戦を続けることなので、とても励みになります。今もミュージカルだけでなく、司会、テレビドラマ、ラジオなどのエンタメでいろいろなチャレンジをしていますが、日本で生まれたミュージカルの作品作りにこだわっていきたいです。スーツを着ることは相手に敬意を表すものだと思っています。気持ちが引き締まり、自然と姿勢がよくなります。 取材:成蹊大学 2年 角田迅斗 ■トークセッション「チャレンジについて」平井:多くの新事業に挑戦する中で、最初は数億円ものお金が飛んでいきました。しかし、そこでめげずに、なぜその時に失敗したのかを考え続けました。すると一つの失敗が次への成功に繋がるということを身をもって学んだのです。ぜひこれを聞いている若い方にも失敗を恐れずに挑戦を続けていってほしいなと思います。どこかで失敗が役に立つはずです。和牛・水田:僕もまだお給料が500円にしか満たない時に吉本から12万円の借金をしました。ハードディスクレコーダーが欲しかったんです。和牛・川西:「(平井さんが)一緒にしてくれるな。」って顔してますよ(笑) 村上:チャレンジするには目標を持つことが大事です。目標は高いほど良いと思います。そして自分に期待しないと終わりです。自分ができないと思うことはできないからです。和牛・水田:僕も年間で体重を維持することを目標にしていて、毎年きちんと達成しています。和牛・川西:周りからは減らす方向の目標にした方がいいと言われていますよね。和牛・水田:高すぎる目標はダメなんですよね。和牛・川西:だから今も87キロなんでしょうね。和牛・水田:いえ、78キロです。村上:高い目標をもってほしいなと思いますね(笑) 「シナモンAIを成長させていったきっかけは」平野:シナモンは元々携帯のアプリビジネスをしていて、1億5000万円を調達して海外事業も行なっていましたが、完全敗北をして帰国しました。しかし、営業ができると言った瞬間にお客様の反応がガラリと変わったのです。大学院でたまたまAIを研究していたというラッキーなこともあって、今ここまでこれたのかなと思います。 「結果を出すこと、挫折について」野々村:サッカー選手だった当時はおおよそ一年契約で、一年で結果を出さなければ後がなかったので、どうやって生き残れるかをずっと考えてきました。そんな当時と比べたら、クラブの社長は2年契約なので少し嬉しくなるほどです。競争しながら育ってきたので、今もいつ終わっても仕方ないと言えるくらいに本気で挑んで結果を出すようにしています。サッカーは選手などのフィールド場の質に加えて、スタジアムのスペックとお客さんの熱量、この三つが揃って一つの作品だと思っています。今はようやく、声出しが解禁されてコロナ前の熱量が戻ってきたと思っています。週末のゲームで、より良い作品を地域の方とサポーターと声を出しながらできるようなサッカーシーンを早く取り戻したいと思っています。 村上:挫折というよりかは、球場に行きたくないなとか嫌な気持ちになることが沢山ありました。しかし、野球での悔しい思いはグランドでしか取り戻せません。いつも結果がすべてだと思って取り組んでいます。 「休日の過ごし方」平井:ゴルフをしたり、家族と過ごしています。特に大事にしている時間は、家族が寝静まった夜です。スコッチを飲みながら会社のことなどを考えて「これに決めた!」と決断してから眠りにつきます。和牛・水田:僕も最近スコッチにはまっているので一緒ですね。40歳を超えてからはスコッチ飲みながら明日何を食べようかなと考えて寝ますので、親近感が湧きますね。和牛・川西:もう平井さんがマイク下ろしてるので、この人とは関わらないでおこうと思われてるのではないですか(笑)一緒ではなかったと思います。 「これからのチャレンジについて」平野:私の天命は「世の中をかえていく」です。知識を中心にトランスフォーメーションしていきたいなと思っています。野々村:今後も何回も失敗すると思うので立ち直りが早い人間になりたいです。平井:これからも新事業を作り続けたいです。しかし今までの事業を超える挑戦というのは、自分ではなくて次の世代が担えるよう、「人づくり」に尽力していきたいです。村上:次のステージに立てるように、いろんな高い目標を作って、自分に期待して頑張りたいとおもいます。和牛・水田:チャレンジをするにも健全な精神と肉体が欠かせないと思います。なので皆さん手洗いとうがいは忘れずにしてください。和牛・川西:それ、小学生の回答ですよ(笑)。でも皆さんの受賞が今年でよかったと思います。というのも来年の受賞者には僕たちがいると思うので、みなさんの枠が一つなくなってしまいますからね(笑)。今年のみなさま、おめでとうございます。 取材:津田塾大学 4年 宮田紋子 ■SUITS OF THE YEAR 2022 授賞式に出席した感想今回表彰されたのは情熱を持って目標に向けて、常に挑戦し続けている方々で、スーツ姿が非常に輝いて見えました。何かに失敗を恐れず、高い目標を持ちながら、チャレンジすることは並大抵に出来ることではありません。しかし、私も受賞された方々のように、諦めない心を持ち、目標を原動力に挑戦することの出来る社会人になりたいと思いました。今回印象的であったのは、平井良典氏が仰っていた「成功しただけの記録が残っていますが、陰には数多くの失敗があり、中には数億円を失うほどの失敗もありました。」という言葉です。失敗を恐れずに挑戦し、たとえ失敗をしたとしても分析しながら学びにしてほしいという若者へ向けたメッセージは非常に心に響きました。私は失敗を恐れて、躊躇し、チャンスを逃してしまった経験が沢山あるため、この言葉を胸に、努力していきたいと考えました。有難うございました。 学習院女子大学 2年 小川莉実 ビジネスや自身のフィールドで情熱を持ってチャレンジした人を表彰する、SUITS OF THE YEAR。受賞された方々のスーツや時計は色やサイズなど、自分に合ったものを着用することで”自分のカラー”を出すことが出来る魅力的なものであると気づけました。そして活躍されている方はビジネスやスポーツなどのフィールドに関係なく、失敗をしても挑戦し続けていると感じました。特に印象に残ったことは、アート&カルチャー部門で受賞された山崎育三郎さんの”一歩踏み出す勇気”の話です。16歳で留学され、2000人の生徒がいる中で自分だけがアジア人で差別なども受けてしまったけれど、思い切ってダンスパーティーに参加し、その後の留学生活が楽しいものになったと仰っていました。これから社会へ出てからも、たくさんの壁があると思いますが、今回受賞された皆様のように失敗を恐れず挑戦し続けたいと思います。そして、いずれは受賞者として登壇できる人になりたいです。中央学院大学 4年 田根颯人

企業に聞く

株式会社 ポーラ ブランドクリエイティブ部スキンケア開発チーム 紅本祐佳

化粧品であるからこそ提供できる豊かな時間をお客様に ■プロフィール 2007年ポーラ入社。訪販事業部にてトレーナー・コンサルティング業務からキャリアをスタート。2012年より商品企画部に所属。『APEX』・エステ・美容理論開発に携わったのち、2018年より『B.A』ブランド担当として、『B.A第6世代』、『B.A アイゾーンクリーム』などの商品企画・開発を担当。 私たちの生活はコロナの影響を受けて大きく変化した。毎日パソコンに長時間向き合い、外出するときはマスクを付ける。そんな生活の中で重要視される目元の悩みを解決するための「B.A アイゾーンクリーム」 がリニューアルして誕生。ポーラだからこそ提供できるアイゾーンクリームの企画開発を担当した紅本祐佳さんに、仕事への思いや商品完成までの裏話を伺った。 ■美容の仕事は、お客様の価値観に影響を与えられる仕事 就活中、ポーラの「お客様の肌はもちろん人自身を深く知った上で商品を販売する」姿勢に惹かれて、入社を決めました。入社後は販売現場でビューティーディレクターのサポートを担当し、お客さまやスタッフと接する機会も多く 、その経験を商品に生かしモノづくりに携わりたいと考え、現在はブランドクリエイティブ部でB.Aというスキンケアブランドの企画開発を担当しています。化粧品やスキンケアは、もちろん自分を美しくするための手段ではありますが、それだけではなく毎日のお手入れの時間を通してお客様の生活・気持ち・価値観に影響を与えられる仕事であることに魅力を感じます。また、実際にユーザーの方からスキンケアをする時間や年齢を重ねることに対してポジティブな気持ちになれたというお声を頂くこともあり、一番のやりがいになっています。私のお仕事はあくまで企画を行うプランナーであり、自分で商品を具現化することも売り出すこともできません。商品の開発は研究員、PRはPRチーム、実際にお客様に販売する際はビューティーディレクターやビューティーコンサルタントさんなど、一つの商品が生まれるまでには多くの人の協力や共感が必要になります。私自身はプランナーとして、自分の考えを言語化して分かりやすく相手に伝え、人を巻き込んでいかなくてはなりません。簡単なことではありませんが、だからこそ面白いですし、いかに共感を得るかを意識しつつ、相手を尊敬する気持ちを忘れないようにしています。 ■マスク生活の中での目元に注目 今回新発売となったB.Aのアイゾーンクリームの企画が始まったのは約2年前。当時は、ちょうどコロナ禍でニューノーマルといわれる生活様式が始まった頃でした。ライフスタイルは大きく変化し、リモートワークやオンライン授業でパソコンを見続け、外に出るときはマスクをするようになりました。また、美容業界としても売れる化粧品の種類が変わり、スキンケアにかける時間が伸びていることが分かりました。そこで、ライフスタイルの影響を大きく受け、マスクから唯一出ている目元にアプローチするスキンケア商品のリニューアルを決め、今回のアイゾーンクリームが誕生しました。B.Aはもともとエイジングケアブランドですが、若い人でも目の下のたるみや瞼の重さに悩みを抱える人が多く、年齢以外の影響を受けていると考え、注目したのが眼輪筋という目の周りの筋肉です。パソコン作業などで目を動かさない生活習慣や加齢など様々な原因で目元の筋肉が劣化をしてしまい、目元の印象に影響を与えてしまいます。アイゾーンクリーム は、目元の筋肉に着目することによってお客様が気になっている悩みにアプローチしています。「スキンケアでここまで目元が変わる」と感動していただけるような肌実感と朝も夜も心地よく使いやすいテクスチャーを意識して研究員とともに作り上げました。研究員の作ってくれたサンプルを何十回と自分の肌で試して地道な作業を繰り返し、数値では測れない感覚的なテクスチャーにこだわり「肌が変わったと実感してもらえる」ことを目指した商品です。また、目元のお悩みはライフスタイル・加齢・紫外線などの環境要因など様々な複合的なトラブルが原因となりがちですが、B.Aのエイジングケアブランドとしての総合力を生かし、その複合的なトラブルに対し、1本ですべてケアできるような商品を目指しました。「B.Aの化粧品を使用するのはまだ早い」と考えている人も多いと思いますが、アイゾーンクリームは目元へのスペシャルなケアで普段のスキンケアにプラスして使用する商品なので、若い方など今までB.Aを使ったことのない新しいお客様にも使っていただけたら嬉しいです。 ■豊かな時間の提供 ポーラでは、ただ見た目をきれいにするだけではなく、商品を通して人生で豊かな時間を過ごしていただきたいと考えています。肌を美しくする手段なら美容医療など選択肢がたくさんある時代に、化粧品を毎朝毎晩パーソナルな時間にお使い頂くことに意味があり、化粧品でしかできない価値を提供できればと思います。今回のアイゾーンクリームも、ただのクリームではなく、「なぜポーラがこの商品を提供するのか」にこだわってきました。ポーラの自社研究機関であるポーラ化成工業では、1929年の創業以来さまざまな研究をしており、さらにB.Aブランド37年の歴史の中では、肌領域にとどまらず、脳科学や心理学、コミュニケーション学など人をあらゆる視点から多角的に捉え、人の可能性を広げるためにできることを模索しています。だからこそ提供できる機能性はもちろん、感性的価値の高い商品をお届けすることを大切にし、化粧品を通してお客様の時間そのものを豊かにすることで、肌への効果や気持ちへの効果にも繋がると考えています。また、B.Aというブランドを通して、「いつからでも、誰にでも、美しさの可能性は広がっている」ということを伝えたいですし、前向きに挑戦し続ける方の背中を押すブランドでありたいですね。そして、今後も「ポーラは圧倒的に良い」と思っていただきつつ、夢や可能性を感じられるような時間を提供できるものづくりを極めていきたいです。 ■今を全力で楽しんで 私は学生時代、「自分のやりたいことを探さなきゃ」という焦りを感じながら就活をしていました。しかし、いろんな経験をした今は、いくつになっても、新しいことをやろうと思ったときにやれる環境や手段はあると感じています。私自身、「どうしても化粧品の仕事をしたい」という強い思いからこの仕事を始めたわけではありません。でも、この仕事を通してより化粧品に魅力を感じたり、化粧品から他のことに興味が広がったりしています。最初から好きなことを仕事にできたらベストかもしれませんが、学生や社会人といった立場や年齢にこだわらず、今を楽しむことが先の可能性を広げることに繋がると思っています。 学生新聞オンライン2022年10月19日取材 東洋大学3年 濱穂乃香 日本大学3年 石田耕司 / 河村学園女子大学4年 岡﨑美諭 / 東洋大学3年 濱穂乃香 /立教大学4年 須藤覚斗

人事

三井住友信託銀行株式会社 人事部 人材育成チーム 主務 時崎千紘

目指すのはキャリア型人材の育成。全員が成長し続ける会社へ 三井住友信託銀行株式会社 人事部 人材育成チーム 主務 時崎千紘 (ときざき ちひろ) プロフィール2012年に新卒入社し、営業や広報業務を経験。2020年に産休・育休を取得し、2021年に復職。現在は人事部 人材育成チームのメンバーとして、研修運営やラーニングマネジメントシステムの構築業務を担当。 2012年に入社ののち、支店で営業を経験した後、広報室に異動し、社内報や会社のホームページ作成などに携わる。一時の産休を経て復帰後、人事部の人材育成チームの一員として、人材育成に関するコンテンツ制作や、管理等を行っている。 ■「銀行」の枠組みを超えて、課題解決する会社 弊社の魅力は、大きく言うと、「幅広さ」「社会貢献性の高さ」「時代に合わせたソリューションを生み出す楽しさ」です。三井住友信託銀行は、通常の銀行業務である預金、貸出、為替に加えて、資産運用・管理、企業の不動産戦略、年金制度の設計・運用、株主戦略、そしてESG戦略など幅広い多様なソリューションを駆使して、課題発見から提案そして解決までを一気貫通で提供している会社です。そのため、金銭以外の資産についても取り扱うことができ、金融の枠を超え時代の変化に応じて柔軟にソリューションを発揮できることが特徴です。その幅広さを利用して、金融の枠を超えた、「脱炭素」「デジタル」「超高齢化社会」などの社会課題への貢献に勤めています。 ■パートナーと共に取り組む「脱炭素」 例えば「脱炭素」の取り組みでは今後30年間のうち、全世界で1京以上の資金需要が見込まれています。それを受けて、当社では世界初のポジティブインパクトファイナンスという取り組みを始めました。これは貸出先の企業と一緒に持続可能な社会を目指す取り組みですが、サプライチェーン企業にもインパクトが波及するため、実際の貸出金額を上回る効果が期待できます。巨額の資金需要を補うには、貸出以外に投資家や個人の資産も必要と考えており、長年培ってきたESG関連投資商品をはじめ、これまでになかった投資商品の組成にも取り組んでいます。また、各企業が取り組む脱炭素化には技術的知見も必要なため、当社は最新テクノロジーの専門家を採用し、各企業に技術的知見の提供を行っています。このように、「脱炭素」などの社会課題に対して、資金・資産・資本の好循環を生み出すことで、日本の社会や経済を発展させていこうと考えています。 ■企業内大学や公募制度で社員のキャリア形成に貢献 人材育成制度、キャリア形成支援において、弊社独自のプログラムを活用しています。新入社員研修や階層別・業務別研修などの各種研修や、各種資格、検定試験の受験料補助などの自己啓発支援のほか、「SuMiTRUST University」と名付けた企業内大学を設置して、社員一人一人の興味関心を広げるための講座を多く用意しています。最近では、新聞社様とコラボをして、記者の方を講師に、音楽やファッションなど異業種のマーケットトレンドを学べる講座を開催する等、いつもの業務を離れて、新たな視点を見つけることができるようなコンテンツも提供しています。コンテンツ数では1000を超える規模になり、多様な場を提供することで社員一人一人が自身のキャリアを描いていけるような「学びの場」を目指しています。また、当社では公募制度があり、年に1回、自分がやってみたい業務に自ら手を挙げて、チャレンジすることができる機会があります。さらに、人事部ではチャレンジをサポートするため、事業説明会を毎年開催しています。この説明会ではさまざまな事業・部署で活躍する社員から、業務内容や体験談などリアルな声を聴くことができるため、経験したことがない業務のイメージを持つことができ、社員のキャリアイメージを広げる場となっています。 当社としても、さまざまな業務に携わってもらうことで、幅広いアンテナが張れるようになり、お客様にも質の高いご提案ができる人材が育つと考えています。当社には複数の事業があり、事業ごとに仕事内容もガラッと変わるので、一つの会社でさまざまな業務を経験できるというのも当社の魅力ですね。 ■求めるのは、前向きに未来を切り開ける人材 共に働く人材に求めるものとして「経済や法学を勉強してないとダメ」というものはありません。文理問わず、前向きで、色んなことに好奇心をもって追求できる方に向いている会社だと思います。先ほど挙げたように、弊社には様々な人材育成のシステムがありますし、チャレンジに寛容な社風があります。これをうまく活用して、常に目標をもって、次へ次へと自身で未来を切り開いていってほしいです。自身のビジョンをしっかりと持って行動できると、より幅広い事業で才能を発揮していただくことができると思いますし、採用選考時においても、通常のコース採用だけでなく、ITや運用など専門別のコースも用意しています。あとは、やっぱり素直さです。何事も、素直に吸収してまっすぐに成長していけるような方とは、是非一緒にお仕事させていただきたいですね。 ■大学生へのメッセージ お伝えしたいことは、二つあります。一つ目は、学生時代の経験やつながりを大事にしてもらいたいということです。学生時代のつながりは、社会人になった今もすごく大切なものです。違う業界で働く友人の話を聞くととても刺激になりますし、自分のモチベーションにもなります。二つ目は、興味があることは全てチャレンジしてみてほしいです。興味のあることにチャレンジしていく中でこそ、自分の好きなものであったり、自分はこれなら頑張れるというものが見つかると思います。そういうものはもちろん就活の軸になると思いますし、今後、社会人として生活していく上でも大きな軸になります。そういった「軸」に出会うためにも、常にフットワークを軽くしていただきたいなと思います。 学生新聞オンライン2022年9月16日取材 東京農業大学3年 畑千絢 津

学生新聞インターン

ジェイフロンティア株式会社 代表取締役社長執行役員 中村篤弘

目の前のことを突き詰めれば、自分の人生の使命に出会える ■プロフィール 1980年、神奈川県相模原市生まれ。 大学卒業後、ドラッグストアでの医薬品の販売業務からスタートし、EC向けインターネット広告代理店の責任者に就任。 2010年より 「ジェイフロンティア株式会社」 の代表取締役。 多くのヘルスケア関連商品のEC事業の立ち上げに携わり、10年以上、毎年3商品は100万個以上のセールスを記録するヒットメーカーに。 同社が提供するオンライン診療プラットフォーム 『SOKUYAKU』 は、導入した病院・薬局数は 7,000件を超える。 オンライン診療やオンライン服薬指導。処方薬宅配などをワンストップで行う日本初のプラットフォームである「SOKUYAKU」や、健康食品をはじめとする自社ブランド商品も販売するジェイフロンティア。ヘルスケア領域で急成長を果たす同社の創業社長である中村篤弘氏が、創業に至った経緯やビジネスに対して抱く思いを伺った。 学生時代は、とにかく何事にも一生懸命な学生でした。人生を振り返ると、目の前にあることをただひたすらにやる日々の連続でした。当時から何事にも一生懸命になれたことが、ジェイフロンティアの上場の準備の時にすごくいきてきたと感じています。私が医療や福祉などに関心を持ったひとつのきっかけは、私の祖父は要介護者だったり、兄が病院で働いていたりと、医療が身近だったことです。祖父の介護や兄の働き方を見ていると、日本の薬局では薬を取りに行くだけでも午前中いっぱいの時間がかかったり、別の人が取りに行くことができず、本人が受け取りにいかないといけなかったり。はたまた、通院の送迎に時間を取られたり、という医療現場の非効率な現状を目の当たりにしていました。学生時代から医療業界への課題意識を持っていたことがきっかけで、医療関係への進路を決めました。 ■マーケットを自分で作り、その風上に立ちたい 大学を卒業した後は、某ドラッグストアへ就職を進みました。その会社では医薬品や化粧品の販売を行っていたのですが、当時は楽天やAmazonができ始めた時期で、それを受けて「今後は店舗販売ではなく、時代はEコマース中心の時代になっていくのではないか」と思い始めました。そこで、ネットでものを売ることに興味を持ち、広告代理店へと転職し、インターネットのEコマース向けの集客販促事業の責任者を経験しました。 ただ、私はヘルスケア関連のプロダクトを担当してきたものの、当初は経営者を目指していたわけではありません。ただ、代理店で働くうちに、どんなに良いプロダクトでも、マーケットがないと売れないということを少しずつ感じるようになりました。100万円を超えるにもかかわらず売れる商品もたくさん見てきましたし、安いから売れるという訳でもありません。もちろん広告だけで売ることも難しい。マーケットがなければ、モノは売れないのです。マーケットを自分自身で作れば、時代の風上に立てるのではないか。そこで、リアルとバーチャルで商品を販売することを学び、現在のジェイフロンティアを創業しました。 ■誰一人取り残さないために 私自身がヘルスケアの領域で重要視しているのが、未病と予防です。「いつでも」「どこでも」「誰でも」医師、薬剤師と繋がって薬が受け取れる社会を実現する上で、自社サービスの「SOKUYAKU」をもっと拡大させたいと思っています。SOKUYAKUは、日本初のオンライン診療、オンライン服薬指導、処方薬宅配のワンストップ・プラットフォームです。イメージとしては、薬剤師がいち早く患者さんに薬を届ける薬版の出前館のようなもの。 たとえば、現況で離島にはたくさんの人がいるのですが、この方達が薬を買うのはそう簡単ではありません。しかし、SOKUYAKUでは薬剤師が直接薬を届けるため、交通アクセスの悪いところに住んでいる人や身体が不自由な人でも、来院なくして薬を手に入れることができます。少しずつできることを広げていった結果、北海道でも当日発送が可能になりました。今後もより多くの地域で即日の発送を可能にすることで、SOKUYAKUがさまざまな方にとってもっと身近なものになればと思っております。また、未病という観点から健康食品をはじめとする「ケンビキョウイイ」(健康・美容・教育・癒し・医薬・医療)に特化した自社ブランド商品も通信販売しています。商品を通してもより健康な方が増えることを願っています。 ■message 自分の人生をよくしたい。そんな思いでさまざまなことに対して好奇心をもち、頑張っている人や、成長意欲の高い人はすごく魅力的に見えます。また、会社に入ると、上司や先輩に言われたことはやれて当たり前の世界になってきます。できる人は相手の期待値を大幅に超える人が多く、1頼んだことが10になって返ってきます。どうしてこうした差が生まれるのかというと、些細なこと一個一個の積み重ねだと私は思います。 吉田松陰の言葉に「至誠をつくしなさい」という一言があります。簡単にいうと、目の前のことをとにかく一生懸命やりなさい、ということなんです。私は、それぞれの人は生まれた以上は「使命」があると考えています。よく勘違いされますが、人生は「どれだけ生きたか」ではなくて、「どう生きたか」が大事です。1日1日を大切に生き、一個一個のことをやり詰めて、つきつめる。すると、自分の「使命」に気づくかと思います。使命に気づいている人と、使命に気づかない人には圧倒的差が出てきます。この使命に気づくと、一つ一つの仕事に意味を見出すことができて、無駄な時間がなくなります。20代の働き方で人生が決まると私は思っています。大学生のみなさんには、有限である人生の1日の時間を無駄にしないよう、ぜひ「自分の使命」に気がついて欲しいです。 学生新聞オンライン 2022年9月7日取材 法政大学1年 佐伯桜優

学生新聞インターン

HJホールディングス株式会社 代表取締役社長 髙谷和男

常に客観的な部分と情熱的な部分を併せ持つこと ■プロフィール 早稲田大学政治経済学部卒後、1994年日本テレビ放送網(株)に入社。番組制作部門に配属され、音楽番組やクイズ番組に従事。2009年、戦略部門である編成局編成部に異動。2012年に再び制作部門へ。2015年にHJホールディングスに出向。 2019年に帰任し、編成部やデジタル戦略を司るICT戦略本部を経て、2022年6月よりHJホ―ルディングス株式会社代表取締役社長。 動画配信サービスHulu(フール―)を運営しているHJホールディングス株式会社。さまざまなジャンルの作品が充実していて、今では100,000本以上のコンテンツを配信している。そんなHJホールディングス株式会社の髙谷社長に、仕事をする上で大切にしているマインドや理想とする人物像など幅広くお話を伺った。 ■好きなことを仕事にしたいと思って、エンタメ業界へ 学生時代はキラキラした音楽番組が好きで漠然とそういったエンターテインメントの仕事が楽しそうだと思っていました。バイトやサークルにしても仲のいいコミュニティに属している時間はあっという間で、楽しくて没頭できますよね。同様に、プライベートでテレビや映画を見ているときもノーストレスで楽しめていたので、エンタメに関わる仕事、好きなことを仕事にしたいと思うようになりました。そのため、就職活動では、エンタメ業界のテレビやラジオ、代理店を中心に受けて、内定をいただいた日本テレビに入社しました。 ■大変だったエンタメの世界 入社後は番組制作やタイムテーブルの戦略を立てる編成部などの仕事に携わりました。実際にエンタメの仕事をすることで、完成品を世の中に届けるまでの苦労を改めて感じました。今でこそ労働環境は見直されていますが、テレビ局で働いているときは、当たり前のように何日も帰れない日が続きました。 当時の仕事を振り返ると、すごく大変でしたね。ただ、「嫌」という気持ちはなく、プライドや反骨心で仕事を乗り越えてきました。また、大きなモチベーションとなったのは「こういう番組をやりたい」「こういう仕事をしたい」と達成した未来を思い浮かべること。その想いがあってこそ、今辛くてもやり遂げることができました。 目の前に何かつらいことがあると、右往左往して、誰しも悩むと思います。しかし、それは仕方がないことです。だからこそ割り切って、とにかく次を考えるということの繰り返しでした。元はエンタメが好きで入った業界ですが、「好き」という気持ちだけではやっていけないこともあります。その際大事なのは、情熱的な部分に加えて客観的な冷静さを併せ持つことです。好きだけだと独りよがりになってしまうため、「情熱と理」を常に考えることを意識してきました。こういった考え方は視聴率などの数字に向き合う仕事に携わる中で、より強くなったと思います。 ■社長という立場になって変わったこと 社長になってからは、個人の目標よりも、会社全体のことを考えるようになりました。若いころは「自分の番組さえ面白ければいい」と思っていたのですが、いまはステークホルダーのことまで考えなければなりません。仕事で壁にぶつかったときも、昔から壁を「乗り越え」ず、「すり抜ける」タイプだったので、壁を壁だと感じていないことが多いですね。「どうしてもこうじゃなきゃダメだ」と若いうちは思いがちですが、そんなことはありません。たとえばプロ野球の日本シリーズにしても、7戦中3回は負けてもいいんです。でも、それに気が付かず、「全部勝たなくてはダメだ」と思ってしまう人が多いです。勝ちたいと思うことは誰しもあるでしょうが、負け試合もあって当然です。どれだけ負けても、最終的に目的に辿り着ければ問題ありません。方法を変えて進み方をずらしたことでうまくいくこともたくさんあります。ですから、自分が目指す目的地に達するには、様々なプロセスがあるという事をぜひ知ってほしいですね。 ■Huluであることの意味 一昔前まで存在もしなかった動画配信サービスですが、今では新しくもなんともありません。NetflixやAmazonプライム など他にもサービスはたくさんあります。それらとHuluの違いとしては、総合的に幅広いジャンルを網羅している一方で、オーディションやテレビ、連続ドラマなどのファンコンテンツが充実していることが挙げられます。しかし、一番重要なことは「どこのコンテンツであるか」というよりも、ふとした瞬間に作品を見て、「気づいたらストレスなく時間を過ごせていた」という事実です。そして、見終わった際、それがHuluで配信されていたことに意味があると思います。 今の時代は「エクスペリエンス」という言葉が注目され、どういう感情を持ちながら、顧客がそのサービスやモノを使っているかが重要になります。だからこそ、今後も顧客との関係性が課題になりますし、関係性を考慮しないプロダクトは伸びないと思っています。 ■どんな人と一緒に働きたいか 一緒に働きたい人物像としては、誇りと責任感を持っている人です。ここでいう「誇り」とは自分はその問題に対してどう思うか、きちんと意見を持つことです。そして、その疑問を疑問で終わらせずにアクションに乗せることが「責任感」だと思います。チームでやることは個々の仕事の集合体だからこそ、どう具現化させるかで事業のスピード感が変わってくるはずです。 ■大学生へのメッセージ 人生は「○○しておけば良かった」と思うことの連続です。私の場合は、学生時代にもっとしっかり勉強をしておけばよかったと思っています。インプットの機能はどんどん衰えてしまうので、とにかくがむしゃらに貪欲に学生時代のうちからインプットしておくことをおすすめします。 また、学生は時間に余裕があるからこそ、バイトでもサークルでも人間関係は大事にしたほうが良いと思います。友達が多い分だけ人生のバリエーションが増えるため、色々な友達と交流を持っておくと良いと思いますし、一度学生時代に仲良くなった友達は10年会わなくても、10年後に会えばすぐ当時の関係性に戻れます。そういう人間関係は社会に出てから、仕事の人脈や癒しになるので、学生時代のうちから友達付き合いは積極的に構築しておくと、後々かけがえのない財産になります。 さらに言えば、今は効率重視で考えがちですが、お店に商品がくるまでの物流に思いを馳せることができると人に優しくなれます。若い人は若い人なりのバリューチェーンの視点で物事を見ることができると、ビジネスのチャンスが広がっていきます。日頃から、目の前の商品ではなく、商品の向こう側にいる人を常に考える癖をつけることで、人生はより広がっていくのではないでしょうか。 学生新聞オンライン2022年9月12日取材 日本大学 3年 石田耕司 立教大学4年 須藤覚斗 / 津田塾大学4年 宮田紋子 / 成蹊大学4年 岡田美波 /國學院大學3年 島田大輝 / 日本大学3年 石田耕司

学生新聞インターン

イントループ株式会社 代表取締役 林博文

人と会社が共に成長し続ける循環型の社会へ ■プロフィール 同志社大学法学部法律学科卒業、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)へ入社。その後スタートアップベンチャー、再度アクセンチュアを経て、2005年2月にINTLOOP株式会社を創業し、現在に至る。社会ニーズを見極める洞察力と事業推進力で「自らが事業創造を行うコンサルティングファーム」としてINTLOOPを成長させ続けている。 企業と人の成長が循環する社会を目標として、IT・DXなどの分野を中心としたプロフェッショナルな人材を用いて、企業の様々な問題を迅速に解決するサービスを提供するイントループ株式会社。2022年7月8日に同社を東京証券取引所グロースの新規上場まで導いた林博文社長に、「イントループがどのようにして成長し続ける環境を作り出したのか」についてお話を伺った。 ■飽き性でも長く続いた「アルバイト」 元々、独立志向が強い性格だったので、大学では弁護士資格などを取得して独立しようと思い、法学部に進学しました。しかし飽き性だったこともあり、入学後にすぐに遊びにハマってしまい、すぐに司法試験は辞めてしまいましたね。部活動も自分のペースでできないことから、あまり続きませんでした。長く続いたといえば、京都の居酒屋での料理人のアルバイト。かなり稼いでいましたが、ほぼ全額飲み代に使いました。(笑) 就職活動では、手っ取り早く稼げて独立しやすい外資系企業を中心に受け、結果的にアクセンチュアに入社しました。ただ当時、ITの分野はWindows96が出てもいない頃でしたし、金融業界の方が興味があったので、会社名は聞いたことはなかったですね。 ■フリーランスの強みと未来を感じた アクセンチュアに勤めていたとき、同期が非常に優秀な人ばかりでした。独立する人も多く、100人中2人が上場を果たしています。同期の中でも、仲が良かった人が一番早く独立した後、次々と周囲が独立していくなか「自分は乗り遅れているな」と感じました。そして、2000年のITバブルが起こった頃にベンチャー企業からお誘いがあり、ビジネスを勉強するために入社しました。 その会社はアメリカとの合弁会社で、従業員10人に対して資本金13億の会社でしたが、時代を先取りしすぎたビジネスだったこともあり、倒産してしまいました。 その後、フリーランスの仕事をしていた時に、アクセンチュアの元上司から「(アクセンチュアに)戻ってこい)と誘いを受けました。自分の知識不足を深く自覚した私は、勉強のし直しもかねてアクセンチュアに戻って4年間働きました。 その時にフリーランスの人たちと話す機会があり、その人達の優秀さや給与を知ることで「将来的には組織に所属せずに腕だけで生きる人が増える」と感じました。そこで、「この人たちをまとめる事業ができたら面白いのではないか」と考えて起業しました。 ■会社も人も成長できる循環へ INTLOOPを立ち上げてから、創業3年目で7億円の売上をあげました。さらには海外での事業にも興味が湧いて、東南アジアの国と貿易をしたり、ラーメン屋をやったりといろんなことをやっていましたね。ただ、どれも継続させるのが難しくて、事業が中途半端な状態になっていました。仕事は取れていたので、年商は7〜8億円で安定していましたが、会社も成長しないし、後輩が来ないことで、社内の雰囲気が悪くなり、社員がどんどん辞めていきました。 ショックで落ち込みましたが、それをきっかけに社内の環境改善に努め、初心にかえってフリーランスの人々をまとめるサービスを作ろうと考えて、事業を立て直し、今に至ります。 今は、会社と人が共に成長できる環境を長く継続させることが、自分にとってのやりがいとなっていますね。一番注意しているのは、成長へのモチベーションを上げる構造を作ることです。上司が部下を育成すれば昇給しますし、部下もそれを見て、上司を目標としてくれるので、自身の成長のきっかけにもなりますね。 部下にはよく「自分より優秀な人を採用してくれ」と伝えています。優秀な後輩を育成して、さらに優秀になればなるほどに、自分も出世して給与も増えるし、会社も成長する。まさに、これこそが「会社も人も成長できる循環」だと思っています。 ■多彩であり成長を楽しめる人へ 入社の基準は「うちの社員が一緒に働きたい人を選ぶ」というものです。同じ人ばかりが面接すると偏った人材が集まりそうですが、コンサルティングや人事などがそれぞれ一緒に働きたい人を選ぶので、社員の個性も多彩です。 すべての職種に共通で大切にしているのは、コミュニケーションスキルが高いことです。どんなに頭が良くても、話せなければ会社の魅力が伝わらないですよね。そのスキルが高ければ、営業でもお客様との信頼に繋がりますし、人事でも中途採用で優秀な人と交渉・説得もできます。 それに加えて、話の中でなんとか答えを返そうとする気持ち、話しながら答えを考えられるスキルを持っていたら完璧ですね。会社も人も成長し続けるためには、「現状維持」という人よりは勢いに乗って自分や会社の成長を楽しめる人のほうが、うちの会社には合っていると思います。 ■遊びやアルバイトの経験を糧に 最近の学生は勉強しすぎ・働きすぎのような気がします。人生の中で一番休暇が長くて自由に楽しめるのは学生時代なので、適度に勉強して、遊びやアルバイトで人との繋がりを作るなど、経験を積んでほしいです。 私はたまたま選んだコンサルの仕事が天職になりましたが、いきなり適職に当たる人はそこまで多くないと思います。だからこそアルバイトなどでいろんな職業を体験したり、見たりするだけでもいいので経験して目標を見つけてほしいです。 学生新聞オンライン 2022年9月15日取材 武蔵野大学3年 西山流生

イベント・企業紹介

映画『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』

太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』 1947年に出版され“斜陽族”と流行語にもなり、大ベストセラーとなった太宰治の名著「斜陽」執筆75周年を記念する『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』が完成しました。ヒロインのかず子を宮本茉由、彼女が想いを寄せる売れっ子作家を安藤政信が演じ、戦後の日本を舞台に“恋と革命の物語”が綴られます。山日 YBS グループ創業 150 周年記念作品として、太宰治が新婚時代を過ごした山梨県内でも撮影された『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』は、10月28日(金) よりTOHOシネマズ甲府、シアターセントラルBe館にて先行公開、11月4日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開。 学生新聞インターンが鑑賞した感想をご紹介します。みなさんもぜひ劇場へ! 私は以前に書籍を読んだことがあり、どのように映像化されるのか非常にわくわくした気持ちで観覧しました。この物語は、全体として戦後、時代の変化によって次第に没落していく家族の悲劇が描かれていますが、私はこの映画を観終わった時の気持ちはどこか清々しく、人生の選択における勇気をもらった気持ちになりました。テーマとなる鳩のごとく蛇のごとく―、そして太宰治の世界観が演出並びに役者の方々の素晴らしい演技で忠実に再現されていました。特に、主人公のかず子、母、弟の直治、作家の上原二郎、登場人物それぞれの選択に心を動かされました。観る人によって登場人物への共感や想いがかなり変わると思うので、1人でじっくり観るのも良いですが、誰かと観に行って感想を話し合うのもきっと新たな見方が増えて面白いのではと思います。 東洋大学 4年 伊佐茜音 原作を読んでいたのですが、それが映像になっても全く違和感がなく、むしろきれいな映像と音楽も相まって映画に深く入り込むことができました。また主人公のかず子が自らナレーションをすることでより臨場感がありました。今作品は伊豆の別荘と東京を行き来しながら話は展開されるのですが、その電車の背景が戦後の荒廃した世界を象徴的に表していました。没落貴族の家庭をモデルに、それぞれが違った生き様を見せますが、その中でも身近な人の死を乗り越え、「恋と革命のため」に強く生き抜くかず子がとても印象的でした。この登場人物のまっすぐに自分の生き様を貫く姿勢は、私たちに今この現代で何のために生きるのかを問いただしているようでした。そして、見終わったときには、こころがスッキリしないもやもやした感覚に陥り、一つの文学を何日もかけて読み終えたような、そんな気持ちになりました。 日本大学 3年 石田耕司 主人公かず子の人柄は、誰も恨まず誰にも迷惑をかけずに美しく亡くなり、貴族らしいとされた母親から譲り受けたものが多いと感じた。特に肩書きなど目に見えるものだけを信じるのではなく、いつでも人の本質を見つめようとする純真さだ。かず子が詐欺師のように見せかけのいい人よりも、札付きの悪名ではあるが嘘偽りのない作家 上原のような正直者を好んでいたことからも言える。貴族に生まれたことを悔やみ、上原のように俗世間と馴染むことを夢見た弟や、貴族に対する歪んだ考えを持つ上原との比較対象としても描かれていると感じた。また自分が上原を思うが故に、上原の妻子に迷惑がかかるようなことなどあってはならないとする姿勢からは、かず子の強い意志や信念を感じた。こうも、かず子が強く逞しく生きてこれたのは人間の醜く汚い部分も認めているからではないか。人は世間からの評判や肩書きなど目に見えるものに左右され、本質を見失いやすい生き物だと思う。しかしそうした綺麗なものだけではなく醜さも含めて自他のことを認め、まっすぐ見つめられる、そんなかず子のような心の美しさが、いつの時代も必要なのだと思った。 津田塾大学 4年 宮田紋子 斜陽は主演の宮本茉由演じる島崎かず子が戦後没落貴族として母の都貴子と共に東京の豪邸から伊豆の山にある家で暮らすことになり、これまでとは大きく違う生活を強いられる物語です。没落後の人生はとても辛いもので終始感情が揺さぶられ、「人間らしさ」がよく表現されていました。辛い戦場から帰ってきたかず子の弟の直治の生活、不器用で愛の感情すら分からなくなってしまう作家 上原、上原のだらしない生活を知っても尚恋心を寄せるかず子。それぞれの生き方に共通しているのは後悔。そんな曖昧で自分勝手な感情の動きが忠実に映画化されていて、まるで自分も映画の中にいるかのような世界観でした。さらには、その複雑に絡まり合った感情の描写を上手く実写化する近藤明男監督の斬新で素直な解釈もまた観る人の心を斜陽の世界へと連れて行ってくれると思います。一見、現実とは離れたストーリーですが、よく考えるととても深い作品です。是非ご覧ください。 立教大学 4年 須藤覚斗 太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』 宮本茉由 / 安藤政信 水野真紀 奥野壮田中健 細川直美 白須慶子 三上寛 柏原収史 / 萬田久子 / 柄本明尾崎右宗 菅田俊 岡部尚 中谷太郎 緒方美穂 三木秀甫 岡元あつこ 栗原沙也加 今泉朋子 白石恭子 薗田正美 光藤えり 山村友乃 野崎小三郎 ジョナゴールド / 春風亭昇太 原作:太宰治 監督:近藤明男 脚本:白坂依志夫 増村保造 近藤明男 製作:野口英一プロデューサー:足立喜之 石戸谷洋治、市川武 今泉朋子 上村正樹 小浜圭太郎 栗原隆一 野崎小五郎 山村隆昭音楽:海沼正利 主題歌:小椋佳「ラピスラズリの涙」(作詞・作曲・歌)撮影支援協力:青森県 山梨県 五所川原市 つがる市 弘前市 甲府市 山梨市 都留市 三鷹市 2022年/日本/日本語/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/109分/配給:彩プロ 映倫G©2022 『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会(オフィス近藤 アップサイド 実正寺 スペースT ぱあとなあ ハーモニー ライジングシネマ 山梨日日新聞社 山梨放送)

学生新聞インターン

バリュエンスホールディングス株式会社 代表取締役社長 嵜本晋輔

自分の可能性を信じ、どんな状況でも楽しみを見出す ■プロフィール 1982年、大阪府出身。元Jリーガー(ガンバ大阪)。 2011年12月にブランド品のリユースなど、サステナブルな事業を行う株式会社SOU(現 バリュエンスホールディングス株式会社)を設立。2018年に東証マザーズ市場(現 グロース市場)に上場。元サッカー選手としては初めての上場企業社長に。 プロサッカー選手から転身した経営者として、初の上場を果たしたのが嵜本晋輔社長。プロサッカー選手から起業への道のりや、常に検証をし続けた結果における新たなビジネスモデルの確立の秘訣。さらには今後の展望や大学生に向けたメッセージについて、嵜本社長にお話を伺った。 ■サッカー以上の天職に出逢った 小学校の頃からJリーガーになるのが夢で、ずっとサッカーの練習に力を入れていました。高校1年生の時に他の選手を目的に来ていたスカウトの目に留まり、高校卒業後、ガンバ大阪に入団しJリーガーになることができました。しかし18歳で入団したものの、自分の思い描いていたサッカーのレベルよりも高く、入団3年目で戦力外通告を受けてしまいました。 その後はJFLの佐川急便のチームに拾っていただき、働きながらサッカーをするようになりました。しかし、自分自身を客観的に見た時に「サッカーを続けたい」というのが自分のエゴだとわかり、サッカーへの夢を手放すことができました。サッカー選手を卒業した後は父親の経営していた会社に入り、その後3兄弟でリユース事業の会社を立ち上げることに。初めてビジネスの世界に触れた際、サッカー以上の楽しみを見出すことができました。 与えられた環境や状況で楽しみを見つけるのは、サッカー選手時代と同じだなと感じます。人生の幸福度は、状況の捉え方によって変わる。考え方次第で、どんな状況でも楽しみ方を見出すことができる。そんな事実をこの時に学びました。当時の最大のモチベーションは、父や兄に褒められたいという思いで、誰にも負けない人材になることでした。また、サッカー選手時代に戦力外通告を受けるという悔しい経験をしたことも、今の仕事に活きていると思います。 ■プロからの初めての上場企業社長に 今後世の中はどう変わっていくのか。そして、自社を他社とどう差別化すべきかを考えたときに、「地域の人から愛されるだけではなく、日本全国に広めていけるようにしたい」という思いが芽生えました。 私の会社はブランド品・貴金属・骨董品等の買取および販売を行っています。どうやって他社と差別化していくかを考えた際、それぞれの商品の性質を理解して短期間で在庫をさばいていき、ライバル企業におろしていくCtoBtoBというビジネスモデルを確立しました。ブランド品は生ものだからこそ、商品の相場は需要で決まります。Bで売るべきかCで売るべきかの需要を、常に見極めることがこのビジネスの肝です。 また、今日できたことは明日もできますが、今日できなかったことは改善がなければ次も失敗します。だからこそ、失った売り上げに目を向けたのもポイントだったと思います。それによって、改善の機会を多く得ることができ、業界の中では後発だったにもかかわらず、上場できたのだと思います。現在、同じようなビジネスモデルを運営する会社は増えてきましたが、その間に自分たちは飛び抜けることができたと確信しています。 ■今後の未来を創り上げる人材 他の業界では、どんなことをしているのかに常に目をむけています。以前から、他業界のものを自分の業界にもってくるように意識をしています。 自分の経験、知識にとらわれすぎてしまうと、ビジネスは発展しません。実は、他業界を経験し、リユース業界に初めて入ってきた人のほうがクリエイティブを発揮できることも多いです。長年やっている人は成功体験などが足かせになりがちで、「リユース業界はこういうものだ」と定義づけた瞬間にバイアスに流されてしまいます。 だからこそ、大切なのは影響を受けない自分を作ること。採用の際も「過去の経験にとらわれすぎていないか」を1個の基準にしています。何事も吸収しようとする素直で謙虚な人のほうがこれからの未来をつくれます。過去にすごい結果を残していることも大切ですが、それよりも重要なのは、フラットな視点でどれだけ今後の未来を作っていけるかだと思っています。 ■潜在的ニーズを引き出す 顧客が何を求めているのか。それは、最終的におもてなしやコミュニケーションといった信頼の積み重ねである人間力だと思います。そのため、顧客が得たい成果を理解して、ヒヤリングをする重要性を常日頃感じています。そこで大切になってくるのは、質問力と傾聴力です。顕在化されているニーズと裏側にある潜在的ニーズを引き出すことこそが、ビジネスの本質です。特に私達のいる業界は、リピーターに支えられており、売り上げの半分をリピーターが占めています。だからこそ、鑑定士にしても、ただ査定するのではなく、きちんと相手の隠れたニーズを引き出せる人材として育成できるように、意識しています。 ■プロチームとしての経験 サッカーと企業は、チームが重要という観点では共通しています。いかに優秀なプレイヤーが一人いても、その人だけでは勝つことはできません。いかにチームとして機能するかが重要なので、プレイヤーである社員全員が、会社全体で思考できることが大切です。私のこうした視点は、サッカーから学ぶことができました。なお、会社全体を理解するコツは、「みんなと飲みに行っているかどうか」です。会社の中で情報共有している時と、お酒の場のコミュニケーションの時は、誰もが表情が変わってきます。私自身は、特にキーマンとキーマンを合わせるための食事会を開きますが、社員同士がこうした機会を自然に設けられるようになったら、組織としてもっと成長すると考えています。 ■大学生へのメッセージ それぞれ一人ひとりが、とんでもないポテンシャルを持っているはずです。ただ、自分の可能性に気づいている人は少ないです。その可能性を奪っているのは自分自身です。だから、「自分は何者だ」と決めつけないでほしいです。定義づけしてしまった瞬間に、並の人間にしかなれません。幸せと年収は比例しません。都合のいい大人が作ったものに惑わされずに本当の自分に気づいてほしいなと思います。 学生新聞オンライン 2022年8月29日取材 國學院大學3年 島田大輝

イベント・企業紹介

超パーティー2022 開催

『超パーティー2022』が、2022年10月15日(土)、16日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された。『超パーティー』は、ボカロ、歌ってみた、踊ってみた、演奏してみたなど様々なジャンルで音楽を発信しているクリエーターたちが一堂に会するニコニコ最大のライブイベント。学生新聞インターンがイベントを体験させていただいた。 4年ぶりに開催された超パーティー、今回初めて参加しました。そんな私でも、周りのお客さんと一緒に音楽に乗りながら、とても楽しい時間を過ごすことができました。特に印象に残ったパフォーマンスは粗品さんと虹色侍さんでした。粗品さんは、歌うと思いきや、歌わずにBGMと表情のみのパフォーマンスで、ユーモアのあるタイトルとBGM、選曲が非常に面白かったです。また、虹色侍さんのパフォーマンスは、その場で流れてきたコメントのお題に対し、即興で曲を作って歌い上げていました。虹色侍さんの歌唱力の高さはもちろんのこと、即興でお題に関連した曲を披露していて、驚いたとともにとても感動しました。他の出演者の皆さんも非常に素敵なパフォーマンスをしていて、観ている私たちも全身を使って音楽を楽しむことができ、会場が一体となって充実した時間を過ごすことができました。今回このような素敵な機会をいただいて、本当に有難うございました。 学習院女子大学 2年 小川莉実 4年ぶりに開催された超パーティーは驚きと感動の連続でした。 「歌ってみた」や「踊ってみた」など様々なジャンルのクリエイターたちが次々に登場し、個性豊かなパフォーマンスに圧倒されました。ステージでは懐かしさを感じる曲から、最近SNSで流行している曲まで様々なジャンルの曲が披露されました。 小中学生の時に熱中していた歌や、12年ぶりに共に歌う出演者の方々の存在など、ニコニコ動画とそれに関わる人々の歴史を感じ、「エモさ」を感じました。出演者、観客などリアルだけでなく、画面に映し出されるコメントによってオンラインで視聴している方々の熱量や感情が常に伝わってきて、ニコニコを好きになってよかったと感じることのできるイベントでした。 今年の超パーティーではできなかったですが、次は声を出して参加者全体でもっと盛り上げることができたらと思います。 津田塾大学 4年 大川知 感想を一言で言うと「すべてが作品」であると感じました。今回が初参戦でしたが、超パーティー2022は会場の各ブースが繋がっているのはもちろん、インターネットを通じて世界と繋がることが出来る場所だと思います。 ライブステージには生放送の視聴者から届くコメントがリアルタイムで表示されています。そのため、会場だけにとどまることなく、ステージを見ている全員が一体となって盛り上がることが出来ました。これは“ニコニコ”でしか味わえない世界だと思います。 特に”繋ぎ”の1分1秒も視聴者のコメントのおかげで「笑い」や「感動」に変わったのは非常に印象的でした。すりぃガラスのくだり、虹色侍のずまさんとゆゆうたさんのやり取りは最高でしたね。全員の“ニコニコ“が最高潮に到達した瞬間だったと思います。 また、ライブではボーカロイドの歌声や75歳のダンディな歌声を聞けるだけではなく、即興ソングや「使ってはいけない金でギャンブル負けた時に脳内で流れる曲」など、誰でも楽しめるイベントだなと思いました。 他にも会場では謎解きゲームが設けられており、会場内ブースを歌や踊り、イラスト、食事などを楽しみながら満喫出来ました。この謎解きは結構難しかったです(笑)。 来年も参加し、次は声を上げて熱狂したいなと思いました。 中央学院大学 4年 田根颯人